今回紹介するトランギアの「マイクロライト」は、2024年12月にリリースされたトランギア史上最もコンパクトなクッカーセットです。シンプルなんだけれどもユニークな作りで登山装備の軽量化に力を入れているユーザーにおすすめです。今回はトランギア「マイクロライト」のスペックとデザインを紹介し、便利な使い方と様々なクッカーとの組み合わせ・スタッキングについて模索していきたいと思います。
トランギア「マイクロライト」のスペックとデザイン
トランギア「マイクロライト」は、500mlの蓋付きクッカーとジェルや固形燃料用のバーナーと風防一体型のゴトクがセットになった製品です。
総重量で180g、1つ1つ重量を測ると
- 蓋:28.5g
- クッカー本体:82g
- ゴトク:52g
- バーナー:17.5g
収納サイズは直径11.2cm、高さ8.3cmです。
価格は税込みで4,950円です。
クッカーの満水容量500mlで、実際にお湯を沸かす時の容量は400mlです。
素材はアルミで熱伝導率が良い特徴があります。なのでガスストーブよりも火力が弱い固形燃料やジェル燃料を使用しても比較的早くお湯を沸かすことができます。
ジェルや固形燃料用のバーナーと風防一体型のゴトクは500mlの蓋付きクッカーに収納することができ、ハンドルを180度回転させて蓋を固定することができるデザインです。
トランギアは無骨ながらも非常に考えられたデザインが特徴で、クッカーの中にゴトクを入れて揺らすとカタカタと音がしてシンデレラフィットしていない残念な気持ちになりますが、実はこれ、蓋をすると、蓋の淵部分がゴトクを抑えるようなデザインになっているので、蓋をすることでカタカタと音がしなくなります。
ハンドルは曲げた時の硬さがほどよく、蓋をして固定した状態で動きません。またクッカーに対して真横にハンドルを備えることもできますし、約30度ぐらいの角度でハンドルを固定させることもできます。これによって足元に火があるときにクッカーを置く・取るが便利です。
ハンドルには硬めの樹脂がついているので、アルミの熱伝導率の良さで熱くなって持てなくなるという心配はありません。
ゴトクのトップ部分とクッカーのボトム部分の凸凹がフィットするので、ゴトクの上にクッカーをのせた時に横揺れしません。これは地面が平らではない山で使用する時にはとても安心です。
お湯を注ぐ時はお湯を細く注ぐこともできます。
トランギア「マイクロライト」の便利な使い方
トランギアの「マイクロライト」は実容量が400mlですが、ボコボコと沸騰させなければ500mlお湯を沸かすことができます。内側には100mlずつのメモリがついており、500mlの目盛りはクッカーの口から約0.5cm下に位置しています。
例えば日清食品のカップヌードルのお湯の量が300ml、カップヌードルビッグで410ml、尾西のアルファ米で160ml、UL弁当で約180ml、フリーズドライのスープで160mlで、自分が何を食べようとしているかを考えてお水の量を決めます。
お水の量を決めたらクッカーの内側の目盛りを使って水を無駄なく、必要なだけお湯を沸かすことができます。
トランギア「マイクロライト」のバーナーはカップ型なので、ライターで火をつけるとどうしても指が熱くなってしまいます。なのでマッチを使うことをおすすめします。マッチは様々ありますがUCOであればサバイバルストームプルーフマッチ、ストームプルーフマッチ、タイタンストームプルーフマッチの3種類が防風性に優れています。
マッチはゴミが出るので嫌だという場合は、SOTOのスライドガスマッチもおすすめです。
ゴトクは風防にも優れているので、風に弱いジェルや固形燃料使用時に使いやすく便利です。ただし15gのエスビット・チタニウムストーブや3.5gのエバニュー・トライブチタニウムなどと比較すると、このゴトクは52gと重く、大きいのでより軽量化したい場合は、別のゴトクと風防を使用するということを考えても良いかもしれません。ただしこの場合、ゴトクとクッカーがフィットするという使いやすさは犠牲となってしまいます。
トランギア「マイクロライト」を様々なクッカーとの組み合わせ・スタッキング
トランギア「マイクロライト」のクッカーは内径10.3cm、外径11.2cmで、軽量なクッカーと組み合わせることができると料理の幅が広がると思って、いくつかのクッカーでスタッキングができるか試してみました。
その前にガスストーブは105,110という大きさのOD缶がクッカーの底の凹み部分にフィットして中に入れることができます。追加でBICミニライターを入れたらいっぱいです。また上から蓋をした時少し浮いてしまいますが、ハンドルで固定することは可能です。
エバニューのTi570FDCupとの相性は、マイクロライトをTi570カップの中に入れた時に、ハンドルが若干干渉してしまいます。しかしながら上から少し抑えるとフィットします。
エバニューのTi400FDCupとの相性は、Ti400FDCupのハンドルを取ればマイクロライトの中に収納させることができます。少しTi400FDCupのハンドルを取り付ける金具部分が当たってしまいますが、概ね気持ちよくスタッキングができる印象です。スタッキングした後に蓋をすると浮いてしまいますが、ハンドルで固定することは可能です。また五徳はTi400FDCupの中に入れることができません。
この2つのスタッキングを組み合わせるとTi570FDCup・マイクロライト・Ti400FDCupの3つのクッカーをスタッキングして持っていくことができます。
ジップロックのスクリューロックコジーとの相性は、アストロフィルコジー部分を取らなければマイクロライトの中に入れることはできません。またスクリューロックを中に入れた時に、蓋をすることができず、さらにハンドルを折りたたむこともできません。
最後にトランギアのミニセットとの相性は、ソースパンの中の底の凹み部分にフィットして中に入れることができますが、フライパンで蓋をすることができません。またミニハンドルは別で持って行く必要があります。