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(2月の最盛期には斜面いっぱいにスイセンが咲く六島灯台 撮影は2025.1.12.)
真冬の装備を持ってないし雪山はまだまだハードル高い、真夏は暑すぎるしかといって沢登りは怖いし。だから真冬と真夏の山登りはお休み、と山登りを始めたばかりの頃は思っていたのだけど、場所や遊び方を選べば四季を通して山登りを楽しむことが分かりました。
山を求めて色々旅をした中で、今回は【冬の山遊び】の山旅を紹介します。
夏の様に灼熱地獄でもないし虫や蛇もいなくて快適、冬は里山に登るのに絶好のシーズン。特に瀬戸内の島山は温かくて快適です。
今回歩いてきたのは岡山県笠岡市にある【六島】(むしま)
笠岡市は瀬戸内では岡山の一番西端に位置します。その笠岡市の湾岸部に瀬戸内海国立公園に属する【笠岡諸島】はあり、その最南端に【六島】があります。そして岡山の中でも最南端に位置します。
また【しま山百選】に選ばれているのは岡山ではたった2つの島だけで、そのうちの一つが【六島】です(もう一つが後で渡る【白石島】)
めちゃプレミアムな場所ですよね!
訪れたのはそれらが理由ではなく、決め手のなったのは【笠岡諸島で唯一のビール醸造所】があり【作り立てのクラフトビールを楽しめること】と、人なつっこい猫たちが歓迎してくれて【誰でも猫にモテモテになれること】(笑)
陸路はなく船を使うので日帰りでも旅行気分も味わえます。
下の写真を見るとここで下山後の乾杯をしてみたくなりませんか?
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(左:通年メニュー 右:限定の黒イチジクのビール 六島浜醸造所 2025.1.12.)
笠岡諸島に渡るには笠岡港から旅客船に乗ります。
第1駐車場は終日200円、第2第3駐車場は無料です。(2025.1.現在)
JR笠岡駅からも歩いて7分位なので近隣からは日帰りで「駅からハイキング」も可能です。
運賃は大人片道1280円(2025.1.現在)、ターミナルでチケットを買って、出航後に船内で回収してもらいます。
※注意事項※
●三洋汽船HPで当日の運行状況を確認してください。
シケの時は欠航になります(利用数日前は欠航していました)
三洋汽船公式HP
https://sanyo-kisen.jp/
●2つある笠岡港のうち、六島へは「住吉」と呼ばれる方を利用します。
(「伏越」の方へ間違えていくと徒歩20分離れているので気を付けてください)
●1日往復4便しかありません。途中いくつか港を経由しますが、小さい港なので
準備できたらすぐに出港、時間より1分はやく出てしまった所もあります。
乗り遅れには気を付けてください。
●2つある六島の港のうち、山登りをする都合上、上陸時は「湛江港(たたえ)」、
帰りは「前浦港」を利用します。
- 笠岡港発 7:05・8:50・13:20・16:40
- 六島前浦港発 7:45・10:15・14:20・17:40
上記太字、笠岡港8:50発 帰りは六島前浦港14:20発を利用しました。
●六島にはスーパーも自販機もありません。十分な水と食料を持ち込んでください。
国立公園なので火器は持ち込まず「山専ボトルの熱湯」とおにぎり・行動食を持っていきました。
8:50 笠岡港出港
ここから1時間の船旅です。
ターミナルにもトイレはあるけど船内にも水洗トイレはあります。
船にしてはとても綺麗で温水便座でした。
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笠岡諸島最南端の地、「山」という字みたいなのが【六島】(むしま)です。
この日の午前中は波がとても穏やかで快適な船旅でした。
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9:45 六島湛江(たたえ)港下船
仮設トイレしかないとてもさみしい場所です。
いよいよトレッキングスタートです。
と言いたい所だけど、全然スタートできません!
人懐っこい猫が桟橋に1匹お出迎えしてくれたと思ったら、すぐに2匹目も現れてかわいい声で甘えてきました。
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また!また向こうから来る!
エサを持ってないのに期待しているのか、ただ単に人なつっこいだけなのか、ついて来るついて来る。
※注意事項※
●エサは与えないでください(笠岡港ターミナルにも張り紙がありました)
●人なれして優しい猫が多いですが、中には噛んだりひっかく子もいるので
気を付けてください。
どんどん増えます(笑)ほこらがあったのでお参りをしているとこんな状態。
写真左奥からも黒猫がやって来ていますね。
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エサを持ってないのにまるでエサをやっているように見えますね(笑)
進みたいのに進めない、猫好きにはたまらない足止め、歩くとすぐに連なって「ブレーメンの音楽隊」状態になります。
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「こっちに進むニャ」と言っているかどうかわからないけど、一匹の黒猫が登山口のある方へ先導しています。
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9:15 登山開始
山登り始めたのにも関わらずまだまだついて来る猫たち!
上から見るだけでも4匹は登って来ています。
猫のおかげでなかなか登りにくい山ですね!楽しすぎます。
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すぐに現れる分岐の所に来ると、さすがにもうネコ達は諦めました。
分岐は右へ進みます。
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道は斜面を横に切ってある所が多く崩壊しかけたり不明瞭なところもあってちょっと不安になります。整備されていた方がご高齢という事もあり無理できず、以前より道はかなり悪くなっているようです。
初心者の人だけでは決して歩かないように、必ず登山アプリでルート確認もしながら歩いてください。私はヤマップを使いました。
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石仏様が時々現れるので、その都度ホッとします。
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海側に沿って歩いているので時々海の展望が望めます。
途中で海から離れて山頂を目指します。この辺りからしっとり水分含んでいてキラキラ輝く幻想的なロードになりました。
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石仏様の出てくる参詣道とは道を分ける分岐は左へ。
そこからはピンクのリボンとトラロープが時々出てきたけど、登り補助というよりかルート確認に便利でした。
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山頂に近づくにつれて棘のあるイバラや、ひっつきもっつき(ひっつき虫、粘着性の種子が服に着く状態)に悩まされながら進みました。酷い状態です(笑)
これネチャネチャで全然取れなかったけど、いつの間にどこに落ちたのか、次の朝には綺麗さっぱりなくなっていました。
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11:30 大石山山頂
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無事に到着しました。六島の最高峰で標高はわずか185mです。
三角点も白いプレートの下にちゃんとありました。
山頂には私たちの下りた湛江港ではなく終点の前浦港で下船して六島小学校側から登られた方たちが先客でいました。
山頂には島民の方の手作り感あふれるターザンロープやブランコがあります。
360度展望があるけど木々の間から眺める感じになります。
もっと展望の良い場所に移動するために10分の滞在で先を急ぎました。
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下山方面は登りの時と違い、島民の方の力作、ブイで作った道標が出てきます。
石仏もホッとしたけど、この可愛いブタやネコたちには癒されました。
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まいった、まいった!
ピンクのリボンに従って下りていたのですが、藪やら急な斜面を降りる羽目に!
今から行く灯台へはもっと楽な道があったはずです。
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すごい笹の大きなトンネルを抜けたら、
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12:10 六島灯台
大石山頂上から30分で到着しました。
岡山県で最初に建てられた灯台だそうです。
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ここから望めるのは四国、美しい眺めです。
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この六島灯台と一面に咲くスイセンの白と緑、青い空のコントラストは見もの。
この時期まだちょっと早いとわかっていたけど待てずに渡って来たので、満開のスイセンを楽しむのにはあと1ヶ月後がいいかな。
(猛暑の影響があり開花は遅く、2025年は2月中旬あたりがベストかと思います)
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今からお楽しみのご褒美の場所へ向かいます。
灯台の下側に続く道を下りるとあっという間に民家の間に下りてきました。
登山開始の時とは港が違うけど猫達がお出迎えしてくれました。
ここ前浦港の方が更にフレンドリーです。
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12:30 六島浜醸造所
右の路地から出てきた所がちょうど目的地、六島浜醸造所さんです。
ここで1人でビールを仕込まれていて、奥さまと二人でお店をされています。
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オーナーも奥さまも若く明るく人懐っこく優しく、楽しい暖かい場所。
それもあり私達も他のお客さん達とも和気あいあいと至福の時間を過ごしました。
事前予約していたランチ、チキンカレー、濃厚で美味しかったね!
※注意事項※
●ランチは要予約(私はラインからアクセス、予約入れさせていただきました)
●醸造作業もされているので、必ず事前に来店予約を入れて下さいね
●席予約はできないのでテラス席になることもあるみたいです
●店休日はインスタグラムで確認できます
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上ではもう空になりかけのグラスが写っているけど、ここに寄らせて頂いた目的のものの説明を忘れてはいけません。
この美しく輝く黄色い液体と琥珀色の飲み物!
通販や笠岡市の一部のお店でビンに入った物が買えるようですが、出来立て注ぎたてはここだけしか味わえないでしょ?
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左は「麦のはじまり」で、飲んだ感想はあっさり飲みやすいピルスナー系のビール。
右はフランス原産のビオレソリエスという黒イチジク使用した甘みのあるビールでその甘さ故、8パーセントのアルコール度になるそうです。
飲んだ感想はまるでブランデーのような芳香と甘さでした。
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次に、見た目は一見同じだけど牡蠣を利用したものとひじきを利用したもの。
とても珍しいもので後引く旨味、どんな味なのかは実際に飲んできてほしいです。
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帰りの船を待つ間は六島の天然ひじきを購入できる場所に案内してもらったり、巨大な廃船を探検したり、猫たちと戯れたりしました。
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(どこまでもついてくる猫たち)
14:20 六島前浦港出航
今から上陸する人たちと入れ替わりで乗船しました。
下りる人も乗り込む人もまるで以前からの知り合いの様に挨拶してみんな笑顔、とても名残惜しいけど六島の方々や猫たちに見送られながら船は出発しました。
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「ありがとうー!」「また来るねー!」
15:15 笠岡港着
朝と違って帰りはかなり船が揺れたけど、無事に戻ってきました。
こんなに早い時間に戻ってこられるので、近隣や私の住む広島からは十分日帰り可能、たっぷりと非日常的な島の時間、山旅が楽しめました。
実はここでは終りません。最初の方に書いた「しま山100選」のもう一つの方でもあり、笠岡諸島の中で2番目に大きい【白石島】に1時間後に渡り返してしまいます(笑)
(白石島には泊まれる施設があり一泊するので運転を気にせず飲酒できたわけです)
【白石島】の登山道はとても歩きやすく整備され、ぐるりと周っていくつかピークを踏め、奇岩や美しい絶景を多くの人が楽しんでいる所です。
他にも、大きな石切り渓谷があり、お笑い芸人千鳥の大吾さんの生家がある【北木島】映画のロケ地にも使われた【真鍋島】などいつか渡ってみたいと思っています。
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(白石島 鎧岩近く 撮影は2025.1.13.)
冬にビールなんて寒くて飲みたくない感じがするけどそんな心配は不要。
むしろ冬に出来立てのクラフトビールが飲めるなんてとても贅沢ではありませんか?
猫好きな人はもちろん、そうじゃない人も猫にモテモテでメロメロになってしまう【六島】ぜひぜひ訪れてくださいね!
【冬の山遊び】の山旅の紹介でした。
笠岡までのアクセスやイベントなどは笠岡観光協会のHPを参考に
笠岡観光協会
今回の旅をまとめたyoutube動画はこちらです。