日帰り登山用のザックを選ぶ時に重視すべきポイントは、持っていく日帰り登山装備から逆算して、最適な容量のザックを選ぶことからスタートします。僕の場合は無雪期登山で20Lのザックが使いやすく、現在は総合的な機能で、背負い心地と収納のしやすから、オスプレーのタロンプロ20を愛用しています。今回はこのオスプレーのタロンプロ20にどのような装備を収納しているのか、各ポケットの収納力を踏まえて紹介し、スペックと各機能についてレビューをしていきます。
オスプレーのタロンプロ20の収納力とポケットのデザイン
オスプレーのタロンプロ20に今回収納する日帰り登山用の装備は
- サングラス(本体は装着するがケースは持っていく)
- ウインドブレーカー
- ウォーターボトル
- 水筒
- ファーストエイドキット
- エマージェンシーシート
- ヘッドライト
- 登山計画書
- 紙地図
- コンパス
- スマホ
- モバイルバッテリー&ケーブル
- 時計(装着)
- 行動食
- 日焼け止め
- トイレットペーパー
- タオル
- 貴重品(健康保険証のコピー、現金、鍵など)
- ザックカバー
- グローブ(装着)
- 帽子(装着)
- サンシェード(装着)
- レインウェア
- クッカー
- カトラリー
- 燃料
- ストーブ
- 食料
- ダウンジャケット(ドライバッグの中へ)
- ミドルレイヤー
- トレッキングポール
です。これらの装備を分類すると
- 日帰り登山で最低限必要な持ち物
- 肌寒くなる可能性を踏まえた防寒アイテム
- お湯を沸かして食事をすることができる道具
に分けることができます。そしてこれらの登山装備は冬の雪がない低山、3シーズンにおける日帰り登山で活用している登山装備です。

オスプレーのタロンプロ20はメインコンパートメント以外に、ジップ付きポケットがザック上部に備わり、ストレッチ素材のフロントポケット、ストレッチ素材のサイドポケット、左右にウエストベルトポケットが付いていて、よく使う装備を様々な位置に収納することができます。
メインコンパートメントには、

- ダウンジャケット
- 食事をする時の道具
- ウォーターボトル
- ファーストエイドキット
- トイレットペーパー
- レインウェア
- ザックカバー
- ミドルレイヤー
- ウインドブレーカー
を収納しています。このポケットはU時型で、縦60%ぐらいまで開くので、中のものを取り出しやすく非常に便利です。止水のダブルジッパーで右からも左からも開け閉めができるのも便利です。


体側にはハイドレーションを収納することができるポケットとクリップが備わっています。そして反対側にはジッパー付きのメッシュポケットがあるので登山中に使用することが少ない貴重品を収納しておくのに便利です。
ザック上部のジップ付きポケットには、

- サングラス
- ヘッドライト
- 防風ミトン
- 紙地図
- 予備の行動食
を収納しています。深さは手を開いて奥まで入れた時に、手首のちょっと上まで入る深さがあり、収納力があります。

サイドポケットには、トレッキングポールを収納しています。僕が持っているトレッキングポールは山旅の4つ折りのトレッキングポールで仕舞い寸法が26cmと短いので問題ありませんが、少し長いトレッキングポールの場合は外付けするコードに取り付けることができます。
このサイドポケットはフロントポケットの素材と同様のストレッチ素材で中に入れたものをしっかりと固定します。ザックに荷物をパンパンに詰め込んだ状態で1Lのナルゲンボトルを入れようとしましたが、結構きついのでおすすめしません。ペットボトルであれば問題なく収納することができますが、ボトルを入れる時に、ポケットの外側にあるストラップと干渉するので、この部分にボトルを入れるのはいまいちだと感じます。
登山中に出し入れが多い
- スマートフォン
- 行動食
- 水筒
- タオル
- 日焼け止め
これらは追加でショルダーハーネスにスマホポーチとショルダーポケットを取り付けて収納をしています。これらのショルダーポーチがあることで圧倒的に登山中を快適にしてくれるので、僕にとっては欠かせないアイテムです。このショルダーポーチを取り付けるのに便利なストラップがショルダーハーネスに備わっているのもポイントが高いです。

フロントポケットは降水確率が高い時にレインウェアであったり、風が強い時にはウィンドブレーカーを収納します。このポケットはストレッチ素材なのでウェアをを入れた時にしっかりとコンプレッションをしてくれるので登山中に落下させることを防いでくれます。

ウエストベルトについたジッパー付きポケットはゴミを入れる際に活用します。このポケットはマチがついていてかなりの容量を収納することができます。例えばおにぎりとかコンデジとか、かさばるものを収納することも可能です。止水ジッパーなので雨が降った時に中のものが濡れづらいです。
ヘルメットが必要な時はリッドロックヘルメットアタッチメントを使用します。このアタッチメントは非常にシンプルな構造で、ヘルメットのベンチレーションにアタッチメントを通して引っ掛けるだけです。厚手のグローブをした状態でも素早く装着、取り外しが可能です。
これらの道具のパッキング方法については、「日帰り登山用のザックの選び方を徹底解説」で紹介をしているので、気になる方は是非ご覧ください。
重量はザックが1.03kg、水1.5Lと食事を入れてパックウィトが約4.7kgです。
オスプレーのタロンプロ20のサイズとスペック


背面長は43~56cmのユーザーに合うように作られています。背面長の調整はレールとウェビングで対応が可能で、20Lクラスのザックでは珍しい作りです。

容量は20Lで、推奨パッキングウェイトは4~13kgとされています。ちなみに先ほど紹介した日帰り登山装備で約4kgです。20Lで10kg以上になるとは、到底思えませんが、しっかりとしたフレームシートと、ショルダーハーネスとウエストベルトの程よいクッション性のあるパッドで、重い荷物を背負っても体への負担を軽減してくれます。
ザックの重量は1.03kgで、軽量なザックではありませんが、フレームシート付きで幅広い背面長で高いフィット感を実現しています。

メイン素材に210Dナイロン×UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)トリプルリップストップを使用し、ボトムには420Dナイロン、ライナーは70Dナイロンを使用し、高い耐久性と軽量性を両立させた作りです。
オスプレーのタロンプロ20の機能性をレビュー
オスプレーのタロンプロ20の機能性を
- 優れたフィット感
- 汗処理に優れた背面
これら2つの切り口でレビューします。
優れたフィット感
優れたフィット感を語る上で僕が重視しているのが4つあります。
- ショルダースタビライザーの存在
- 背面パネルとショルダーハーネスの連結部分
- 背面パネルとウエストベルトの連結部分
- ショルダーハーネスとウエストベルトのパッドの厚みと柔軟性

まず1つ目にオスプレーのタロンプロ20にはショルダースタビライザーが備わっています。ショルダースタビライザーのないザックを背負うと、登山をしている最中誰かにずっと肩を後ろへ引っ張られているような感覚になります。だから上半身が丸まってしまって背中や肩が痛くなることが多いです。またガレた登山道を歩いていると上半身が振られやすく歩いていて不安定だと感じることが多くなります。

ショルダースタビライザーがあると、ザックの重さを背中の真ん中から上に引きつけることができ、それによって体が安定します。

続いて背面パネルとショルダーハーネス、またウエストベルトの連結部分については、シームレスに一体化されていると体への密着感が素晴らしく、背負っていてザックと体が一体化されているようなフィット感を生み出してくれます。
これによって登山中にザックが体から離れてブレるようなことがなく、登山後の疲労感は、長い距離を歩くと顕著に異なります。

タロンプロ20は背面パネルから伸びるようにショルダーハーネスが取り付けられており、背中から肩にかけて立体的にフィットするようにデザインされています。だから背負っていて空間が生まれにくく、これによって肩周りのフィット感は格段に良くなっています。

ウエストベルトはシームレスに一体化されており、とにかく横ブレが少なく歩きやすいです。ウエストベルトにはストラップが2箇所ついています。ザックと体をフィットさせるためのストラップと、ザック本体とウエストベルトを連結するストラップです。

ザック本体とウエストベルトを連結するストラップが秀逸で、ザック下部のコンプレッションとザックと体を近づけるための機能を両立しており、このストラップ1つを閉めるだけで、ザックの中に入っている荷物に対してのベストなウエストベルト位置を調整することができます。

続いてショルダーハーネスとウエストベルトのパッドの厚みは、薄すぎず厚すぎない程よい厚みがあります。推奨パッキングウェイトが13kgと記載されているだけあって、重い荷物を背負っても体に食い込んで痛くならないように軽減されています。


パッドは肉抜きされていて、さらに体側は通気性に優れた肌あたりが良いメッシュ素材、外側は目の粗いメッシュ素材で効率的に体とベルトが接触している箇所の蒸れを軽減しています。
汗処理に優れた背面
ショルダーハーネスとウエストベルトの汗処理にこだわった素材と同様、背面においてもかなり考えられたパッドと素材が使用されています。

背面パッドは「インジェクション成形」と呼ばれる、溶かしたプラスチックを金型に射出・冷却することで成形品を作る方法で作られており、複雑な構造で背中の蒸れを放出してくれます。体に当たる部分のパッドは背中と腰でデザインが異なっており、どちらも凹凸によって熱がたまらないようにデザインされています。
いくつかのザックを背負っていますが、この背面デザインは汗抜けは抜群で、特に夏の日帰り登山では重宝します。
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