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平標山BC、極寒を耐え至高のパウダーラン「その時は来た!」

平標山BC、極寒を耐え至高のパウダーラン「その時は来た!」

■ 平標山バックカントリー

平標山は新潟県と群馬県の県境に位置する標高1,984mの山。伸びやかで美しい稜線を持つ山容は四季折々に変化、花の百名山として知られ、春から夏にかけては高山植物の花々が咲き誇り、秋は美しい草黄葉が彩ります。そして冬、豊富な積雪変化に富んだ地形はバックカントリースキーヤー/スノーボーダーを魅了します。

■ 夏も冬もここが起点、平標登山口駐車場情報

平標山登山口駐車場は11月下旬から冬季閉鎖ですが、2025年は比較的早く1月27日より使用可能となりました。雪で除雪が間に合わない場合は閉鎖となります。国道17号線沿いのトンネル手前に若干の駐車スペースがありますが数に限りがあります。路上駐車は除雪や交通の妨げになるため絶対にやめましょう。また、冬季のトイレは使えませんので事前の用足しは、2.5キロほど新潟寄りの国土交通省 二居除雪ステーションのトイレを利用するとよいでしょう。

冬季の駐車場のオープン情報は、湯沢町役場公式サイトで確認できます。事前に情報を確認し、安全な場所に駐車するようにしてください。また、電話での問い合わせは以下となります。

企画産業観光部 環境農林課 TEL:025-788-0291

午後は晴れ予報、天候回復を信じて。

早朝、平標山登山口駐車場に到着、軽く吹雪く中準備を。2月下旬のこの日は前日までの強い冬型は次第に解消、WINDY /SCWでは午後から晴れ間の広がる予報、苦境でも頼れる仲間と共にシールを装着しいざ出発。

雪を纏った別荘地の中を進み、いよいよヤカイ沢へ。ヤカイ沢ルートは積雪期にのみ利用可能なルート。夏の登山道とは異なり沢沿いをダイレクトに登るため、積雪量や雪質によってルート状況が大きく変化します。

樹林帯の中は緩やかな登り、昨日までの積雪も沈降しラッセル不要、シールでの足取りはスムーズに進む。途中、登頂を断念した登山者とすれ違う。「山頂は爆風で、とてもいられない」とのこと。しかし、午後の天候回復予報を信じ山頂を目指す。

上部に行くに従い斜度は増し、強風で雪は飛ばされアイスバーンに近くなる。頼れるグリップなく滑落の恐怖で緊張の連続。スキーアイゼンを忘れたことを後悔するが、もう引き返すわけにはいかない。

山頂近くはハイマツや笹が露出、この積雪の薄さは強風で飛ばされるから。森林限界が標高約1,600mと低いのは平標-谷川山系の厳しい気象条件故です。

平標山頂は極寒と爆風、雪濠で耐える。

山頂にたどり着くとそこは別世界。爆風吹き荒れ体感温度は氷点下20度以下、顔を出すのも辛い。ガスに覆われ視界も無く、これでは滑るどころではない。そこで雪濠を掘って天候の回復を待つことに。

雪を掘り風を防げる空間を作る、これは竪穴式の雪洞。浅めでも爆風はかなりしのげます。

熱々カップ麺も口に運ばれるまでに即効冷却されちゃう、旨いとは言い難く(^^;

ツェルトで更に保温効果を高めると一晩くらいならしのげそう。雪洞で待つこと2時間、15時近くタイムリミット迫る頃、ガスと雲の合間から、わずかに晴れ間が見え麓の景色が輝きはじめた。風も少し弱まってきたようだ、これはチャンスかもしれない。

その時は来た!最高のライディングへ。

みるみる天候回復、山頂よりわずかに下ればパウダーパラダイスじゃないですかぁ、これ。いよいよ最高のライディングの始まり。

ブッシュの多い斜面を避けトラバース、そしてドロップ!

隣の尾根に移動する間に青抜けの空になった!これですよこれ。パウダースノーが舞い上がり、最高の感触が足に伝わる。爆風で凍えた体もアドレナリンで一気にヒート!

あんまり気持ち良いので登り返す、16時過ぎでもこの状況ならいける。(良い子は真似してはいけません)

刻々と変わる自然の表情は、その中にいるだけで幸せです。太陽の角度によって刻々と変化する光と影のコントラストは、まるで自然が織りなす万華鏡のよう。その美しさに目を奪われ、時を忘れて見入ってしまいます。

変わりゆく天候と刻々と表情を変える雪。大荒れの空模様から一転、息をのむような絶景と最高の雪質に恵まれ、仲間と共に心ゆくまでバックカントリースキーを堪能することができました。自然の雄大さと厳しさ、そして信頼できる仲間のありがたさを改めて感じた一日。時にに危険と隣り合わせのバックカントリーですが、だからこそ得られる達成感と感動は格別。美しい山々に、そして共に滑った仲間に心からの感謝を。

このレポートはSupported by HEXAR 公式アカウントでは山旅風景の美しさ・楽しさを配信しています。

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