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2025.04.07
3シーズンの登山を快適にする!メリノウール製シャツのすすめ

3シーズンの登山を快適にする!メリノウール製シャツのすすめ

突然ですが、皆さんは3シーズンの登山において、行動着にどのようなアイテムを取り入れていますか?僕は去年からメリノウール製のスナップボタン付きのシャツを取り入れていて非常に快適に登山をすることができています。

今回はなぜメリノウール製シャツがおすすめなのか?また僕が愛用している山旅の「ULウール・フライフロント・ショートスリーブ・シャツ」の特徴について紹介をします。

登山にメリノウール製シャツがおすすめの理由

速乾性に優れたおすすめ登山シャツ7選

【出典】『内務省人事総覧 第2巻』p.366-367

この写真は大正2年(1913年)、今から約110年前に富士登山をしている一行15人を撮影した写真です。この写真を見てもわかるように化繊素材のウインドブレーカーや、第二次世界大戦後にジーパンやTシャツが認知されるまではこのようにシャツを着用していたことがわかります。

僕はWEBマガジン「山旅旅」で様々な登山好きの方にインタビューをしてきたのですが、その中で何人かの方が、登山シャツの魅力をお話ししてくれ、実際に僕も着用してそのメリットを感じ、去年から本格的にメリノウール製シャツを行動着に取り入れています。

おすすめポイント1:ベースレイヤー・ミドルレイヤーの2種類で兼用が可能

メリノウール製シャツをTシャツの上に着用すればミドルレイヤーとして機能します。そして直接シャツを着用、もしくはメッシュ素材のアンダーウェアを着用しその上からメリノウール製シャツを着用すればベースレイヤーとして機能します。

去年7〜8月で北アルプスを縦走している時に、ファイントラックのドライレイヤーの上からシャツを着用している方がいて、涼しく非常に気持ちよさそうだったので、僕も真似してみたら、これがものすごく快適でした。

ポイント2:メリノウールは様々な点で行動着にメリットが多い

メリノウールは吸湿性、防臭性、紫外線防止、気化熱を奪いずらい=急激に体が冷えづらい、など様々な利点があります。メリノウール100%だと汗を吸った時の拡散能力が遅すぎたり、メリノウールが持つ自然の撥水性能が強すぎて吸水しづらいなどデメリットが多いので、メリノウール40〜60%、ポリエステルの混紡素材が、登山では快適です。

肌に近い場所で着用する行動着なので、発汗量があることが想定できる登山ではメリノウール製のものを選ぶことをおすすめします。乾く速さよりも汗の量が多い夏のトレイルランニングなどでは速乾性の高い化繊素材100%がおすすめですが、2000m以上の登山であればメリノウール製のウェアを選ぶべきだと考えています。

おすすめポイント3:体温調整が容易

シャツはボタンでフロントの開け閉めを行うデザインなので、例えば首元だけオープンにする、お腹部分だけをオープンする、真ん中だけをオープンする、というようにフロントのボタンがベンチレーション代わりになります。このようなことができるのはシャツだけで、効果的に通気調整が可能です。

スナップボタンを採用しているメリノウール製シャツであれば、グローブをした状態でもボタンの開け閉めが容易です。

おすすめポイント4:シャカシャカと音がしない、ペタペタしない

Tシャツの上からウィンドブレーカーを着用すると、行動中にシャカシャカと音がしたり、腕に汗をかくとウィンドブレーカーが肌にペタッと吸い付いて気持ち悪く感じることがあります。メリノウール製シャツは音がすることもなければ汗のベタつきも少なく、肌の張り付きも気になりづらく、心地よく登山ができる着心地の良いウェアです。

ULウール・フライフロント・ショートスリーブ・シャツの特徴

このように登山用行動着としてメリノウール製のシャツが「なんか良さそうだな〜」と感じてもらったかと思います。その上で僕がなぜULウール・フライフロント・ショートスリーブ・シャツを作り、そして着用しているのかという点について紹介をしていきます。

知ってもらいたい素材のこと

ULウール・フライフロント・ショートスリーブ・シャツに使用している素材は「マナード」と呼ばれる非常に特別なウールの糸を使用しています。この素材の特徴を4つのポイントで整理してみました。

  1. 毛羽だちと糸切れが非常に少ない
  2. 毛羽立ちによるピリングが軽減
  3. 高強力で耐摩耗性に優れている
  4. 洗濯耐久性に優れている(寸法安定性&形態安定性)

ここで少し専門的な話になるのですが糸には

  • ポリエステルやナイロンなどの長繊維
  • メリノウールや綿や麻などの短繊維

の2種類に分けることができます。

出典:MIYUKIKEORI Co.,Ltd.

短繊維は、細くなればなる程糸切れを起こしたり、毛羽が目立ったりと、扱いにくいものとされていましたが、長繊維と短繊維を組み合わせることでこのデメリットを改善することができます。

マナードと呼ばれる特別なウールの糸は、ただ組み合わせているのではなく、長繊維のポリエステルの間に、短繊維であるウールを均一にブレンドし、これによって毛羽だちと糸切れを抑えることが可能となっています。均一であるということがポイントなんです。

以下の表は通常紡とマナードを毛羽数で比較したものです。

マナード®通常紡
毛羽1mm/10m514個1243個
毛羽3mm/10m33個126個
毛羽5mm/10m3個22個

出典:MIYUKIKEORI Co.,Ltd.

10mの糸の中に1mm,3mm,5mmの毛羽が何個あるか数えたもので、マナードは毛羽の数が極端に少ないことが分かります。さらに糸の強度も強くピリングが少ない素材です。しかしながら洗濯すると着丈が2cmほど縮みが起こることを確認していますので、長袖シャツにおいては半袖シャツよりも少し大きめに作っています。

登山、普段、フォーマルなシーンでも着用できるデザインとカラー

登山での使用に適したデザインにおいては

  • フロントボタンはスナップ仕様で開け閉めが容易
  • 襟の隅にはボタンが備えられ、首の保温、首の日焼け対策を行える
  • 腕を振っても突っ張らない袖幅
  • 軽さを追求した軽量で通気性のある素材
  • 透け感の少ない素材

を採用しています。

そして普段からフォーマルなシーンまで着用できるように、スナップボタンの安っぽさが着用していて隠れるように、フライフロント(比翼仕立て)をデザインに取り入れています。これによって着用した時にカジュアルすぎず安っぽく見えないように作られています。

カラーは半袖はグレーとブラックの2色展開、長袖はグレーとブラックとスレートグレーの3色展開です。どのカラーも様々な色のTシャツ、パンツ、ザックに合わせやすいように選定しています。

ザックを背負った状態でシャツがずり上がらないように、また背中が露出しないように、前後でスリットを入れ、背中側は少し長くデザインしています。

重量はメリノウールシャツとしては最軽量級で
半袖が132g(XS)、142g(S)、147g(M)、160g(L)
長袖が201g(M)、204g(L)
です。着用した時の軽やかさは見た目以上です。

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