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汗処理と体温調整に優れた新しいベースレイヤーのかたち「山旅バックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツ」

汗処理と体温調整に優れた新しいベースレイヤーのかたち「山旅バックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツ」

登山では発汗量を抑えるために、レイヤリングと言って重ね着がとても重要です。

暑いと頭が理解して体を冷やすために汗をかく、その後標高をあげると風に当たって寒さを感じると自分ではコントロールできない体力消耗を余儀なくされます。このようなことがないように暑くなれば脱ぐ、寒くなれば着る、を繰り返し発汗量を抑えるのが登山では重要になります。

このレイヤリングで最も肌に近いウェアをベースレイヤーと呼びます。レイヤリングの中では汗を処理する最も重要な役割を担うため、ベースレイヤーの素材、シルエット、デザインなど最も良いものを選択することが、結果登山を快適に、且つリスクを少なく行動するポイントになります。

そこで今回は現在僕が最も良いと考えているベースレイヤー「バックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツ」のスペック、そしてデザインと、登山スタイル別のレイヤリング方法について紹介をします。

「バックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツ」のスペック

  • 素材:50%merinowool、50%polyester
  • メッシュ部分:50%merinowool、47%polyester、3%polyurethane
  • カラー:CharcoalGreyMelange、MidnightNavy
  • フィット:Regularfit
  • 重量:135g

特徴なのはメリノウール50%の混紡比率で、メリノウールの特徴である

  • 汗を吸う吸水性
  • 体から蒸発し続ける湿気を吸着する吸湿性
  • 汗をかいても臭わない防臭性
  • 汗を繊維内部に閉じ込めることによる保温性
  • ゆっくりと乾くことによる汗冷えのしにくさ
  • 肌触りがよく柔らかい質感
  • しっかりと紫外線から体を守る

が備えられ、ポリエステル50%による

  • 汗の拡散能力に優れているための速乾性
  • 破れづらい耐久性

が備えられています。そしてこれらの機能は加工していないので、機能性は永続します。

メッシュ部分においてもメリノウール50%、ポリエステル47%、ポリウレタン3%の混紡比率で、より優れた伸縮性で動きやすい特徴があります。

さらに目付が140gで、透けないギリギリの厚さでとにかく軽い着心地です。

メリノウールを使わない理由、メリノウールのイメージというのをお店でお客様に聞くようにしているのですが、最も多いのは

  • 夏は暑そう
  • 値段が高い
  • チクチクしそう
  • 速乾性がない

という意見です。

夏は暑そう

これは大きな誤解で、メリノウールは「寒いときは暖かく、暑い時には涼しく」着用することができる天然のエアコンのような機能が備えられています。

まずウールの保温力というのはクリンプと呼ばれる毛の縮れがあり、この部分に空気を溜め込むことで特有の暖かさを生み出します。

またメリノウールの繊維を拡大すると表皮と内部層の2重構造になっており、表皮はウロコ状のスケールで覆われています。このスケールは湿度が高くなると自然に開いて内部層が吸水します。このスケールは繊維が細いメリノウールにはとても多く、湿度の増減に合わせて開閉して、呼吸するように衣類内の湿度を調節する機能があります。

汗をかけば内部層に水分が移動されゆっくり乾くため気化熱が奪われづらい。寒ければクリンプが空気を溜め込み暖かい。羊の毛が持つ素晴らしい機能を人間がまとっているわけです。

メリノウール100%だと汗を吸った時の拡散能力が少ないので、濡れたところが飽和状態、いわゆる汗を取り込めなくなり、肌に汗が付着した状態が続いてしまうので発汗量が多いアクティビティではおすすめしません。

ここにポリエステルが混紡されていることで汗の拡散を促し、メリノウールの機能性もありながら、汗の乾きも促すため、登山やトレイルランニングのような発汗量の多いアクティビティに非常におすすめの素材に仕上がっています。

ポリエステルではなく、ユーカリなどの木材パルプを原料としたリヨセル繊維、テンセルと呼びますが、これも速乾性が高い素材と言われていますが、自分なりにテストをした結果、飽和状態になりやすく汗っかきな人にはおすすめできません。

ナイロンはポリエステルと比べると重量が重く、また少し硬く感じるので、着用しているとストレスを感じました。

値段が高い

ポリエステル100%のTシャツと比べると確かに値段は高いのですが、1枚で末永く使用することができます。そして一度購入して着用すれば、値段の高さにも納得してもらえると思います。体のベタつき、体の冷え、匂いなど、今までの悩みが解消されることと思います。

またメリノウール100%は、混紡素材と比べて少ない技術でニット生地にすることができます。混紡素材の場合は、例えばメリノウールとポリエステルとで、染めの速度が異なることで、同じ色に染まりづらいといった課題があるのですが、独自技術によってこれを解決しています。

メリノウールのTシャツで価格が安いものも多くありますが、繊維が太いことによるチクチク感、メリノウール100%だと汗の乾きが極端に遅いなど、不快に感じるので、品質が確かなものを選ぶことが重要です。使用頻度や使用期間を考えると決して高い買い物ではないように思えます。

チクチクしそう

厚手のウールセータのイメージから「チクチクする」という印象を持つ人が多いと思います。メリノウールは非常に細い繊維なので滑らかで優しい肌触りです。光沢感もあり上品な素材であることが着用していてもよくわかると思います。

一般的に採用されているメリノウールの繊維の細さは19.5μm(マイクロメートル)なのに対し、山旅のメリノウールは全て18.5μm(マイクロメートル)のエクストラファインメリノというランクの高級ウールに位置付けられるメリノウールを使用しています。繊維が細いほど採取量に限りがあるため希少性が高くなりそのため価格も高くなります。

この上にスーパーエクストラファインメリノというより高級な繊維がありますが、Tシャツで15000円とか、手が出しづらくなる価格帯になるので、細ければ良いというわけでもないと思っています。

速乾性がない

メリノウール100%だと速乾性と言えるような汗の乾きのスピードはありません。だから汗っかきな人はメリノウール100%を選ばない方が良いと思います。

ポリエステル100%は速乾性が高い素材ですが、高いことで乾く時に気化熱が奪われて肌が冷たくなってしまいます。肌が冷たくなると体が冷たくなった場所を暖かくしようとして体力が奪われます。

化繊100%ほど乾きは早くないですが、メリノウールを混紡している素材の中では圧倒的に乾きが早く、メッシュ部分においてはポリエステル100%のような乾きの速さがありつつ、気化熱が奪われづらいメリノウールの二重構造で快適で安心な素材です。

「バックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツ」のデザイン

2025年6月から定番ベースレイヤーとして仲間に加わったのが今回紹介するバックメッシュ・速乾メリノウール・ジップアップ・Tシャツです。

  • 背中と脇がメッシュ素材である
  • メッシュ素材にもメリノウール50%が混紡されている
  • ジップアップタイプのTシャツである
  • ジップアップの裏側はファスナーが肌に直接当たらないようにデザインされている
  • ジップアップの開閉は広く、身長180cmの男性でおへその少し上あたりぐらいまで開く
  • 襟の高さは抑えられ程よく保温可能
  • 少し長めの着丈で背中お腹周りを露出しない

このようなデザインの特徴があります。

背中と脇がメッシュ素材である

メリノウールメッシュは50%merinowool、47%polyester、3%polyurethaneで、汗を吸着した時の乾きの速さは素晴らしく、さらに汗染みが目立ちません。そして目が細かいので透け感はほとんどないので、中に何も着用せず、もしくはスポーツブラの上から着用しても気になりづらいです。

メッシュ素材にもメリノウール50%が混紡されている

メッシュ素材は汗を最もかく背中、脇、頭から首に伝うときに最も濡れやすい襟の後ろ部分に施されており、素早く拡散し汗で濡れて乾いても嫌な臭いがほとんどしません。僕の場合4泊5日の長期縦走で使用しましたが、登山が終わったときに臭いを嗅いでも全然気になりませんでした。

またメッシュ素材部分はダイレクトに通気するので、暑い季節ではとにかく気持ちよく、汗でベースレイヤーが濡れた時の不快感から解放されます。

ジップアップタイプのTシャツである

ジップアップタイプでTシャツというデザインは非常に少ない印象です。さらに素材にメリノウールを使っているとなると、僕が知っている限り世の中にないと思います。さらにさらに、メッシュとのハイブリットで機能性を高めているとなると特別感があるベースレイヤーにデザインされていると自画自賛しています。

またジップアップタイプとなると重いものが多いのですが、そもそも夏場暑い時に着用してほしいベースレイヤーにしているので、着用した時の軽量性に驚いてもらえると思います。

ジップアップの裏側はファスナーが肌に直接当たらないようにデザインされている

ジップアップの裏側はとにかくこだわりました。ベースレイヤーとうたっているのに、ジッパーが直接肌に当たるプロダクトは世の中にたくさんあります。着用した時にジッパーが当たっても気にならないという意見もありますが、僕はこのジッパー部分にこそしっかりと汗を吸着するシステムが必要だと考えています。

またただジッパーを覆い隠すのではなく、ジッパーの開閉を盛んに行なっても絶対引っかからない、また素材を多く使用することで重くならない、そして内側の素材がめくれてジッパーが直接肌に当たる可能性を0%にするという、この3つの機能を掲げてデザインをしました。

ジップアップの開閉は広く、身長180cmの男性でおへその少し上あたりぐらいまで開く

ジッパーを開く時は、直接風を肌に当ててオーバーヒートを防ぐ。それによってダラダラと出てくる汗を抑える。

ジッパーを閉める時は、ほどよくベースレイヤーの中の熱を蓄えて保温する。

このようにジッパーの開閉でベースレイヤー1枚で温度調整をすることができます。本来レイヤリングをして温度調整をするのが一般的ですが、レイヤリング×ジッパー開閉で細やかな体温調整が可能で、さらに行動しながら素早く体温調整をすることで発汗をダイナミックに減らすことができます。

襟の高さは抑えられ程よく保温可能

襟がないデザインというのも考えましたが、

  • 稜線に出て風が強いときに、程よく首周りを保温をしたくなる時がある
  • ちょっと襟があるだけで首から体に風が入りづらくなる
  • しかしながら襟が高いとジッパーを全て閉めたときに暑くなりやすい

ということから襟の高さを抑えたデザインに仕立てました。メリノウールは紫外線防止機能も備えているので、首回りの日焼け対策にもなります。

少し長めの着丈で背中お腹周りを露出しない

着丈は少し長めに設定しています。上半身で最も癒すべきではないのが胃腸です。お腹を温めることで疲れにくく、疲労回復やむくみ解消、さらには基礎代謝の向上にもつながります。手を上げる、上半身をかがむような行動時に背中やお腹が露出することは極力避けたく、長めにデザインをしています。

登山スタイル別のレイヤリング方法

夏場は1枚で着用することで、今まさにお話をしてきた機能性を思う存分味わってもらえます。しかしながら少し寒がりな人は、ゆったりとしたシルエットなのでミドルレイヤーとして着用することも可能です。

また同じタイミングで発売したオールメッシュTシャツや、オールメッシュタンクトップをアンダーウェアとして着用し、その上からこのバックメッシュジップアップTシャツを着用することで、ジッパーを全開した時に肌の露出が目立ちづらく、さらに汗処理機能を高めることができます。

オールメッシュTシャツは透け感が少ないので、1枚でも着用できるし、ファイントラックのドライレイヤーのような位置づけでアンダーウェアとしても着用できるようにデザインしています。

このように1枚でも着用できるし、ミドルレイヤーとしてもおすすめだし、アンダーウェアと合わせてジッパー全開時を継続させるような着方も可能です。

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