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久住山 / 走馬灯

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12 | カフェぼいぼい

起きたら10時だった。正確には平日起きている6時台に一度目覚めたが、2日目の予定が特に何もないという幸せを思い出して二度寝した。10時に起きた時はジュンはもう起きていた。
今日は土砂降りの雨予報。この頃にはすっかり旅先での珍しいお天気にウキウキすらしている単純な脳みそ。元々雨の音を聞きながら室内にいるのが大好きな性分なのでむしろめっちゃ楽しいのでは?テラスがあるカフェで作業をしよう!と約束していた。
再びひなこちゃん作「九州の歩き方」を開く。カフェについてまとめられているページがあって相変わらず先回りされている。カフェぼいぼいというところが良さそうだと先に起きたジュンが調べておいてくれた。行くぜカフェぼいぼい。

カフェぼいぼいは大分方面(ってか大分)なのではっきり言って昨日は大分方面で宿泊した方が無駄なく過ごせた気はするが、まあ旅行ってそれ自体が前提無駄な行為で暇つぶしであるため(暴論)、また私たちには体感的に無限に時間があるため、全然気にすることなく昨日の道を戻っていく。自分たち的には問題はないが、全くおすすめできないプランニングになっていることはいち発信者としての申し訳なさはある。
カフェぼいぼいはキャンプ場の隣にあるログハウス風のカフェで、ひっろーいキャンプ場を一望できる場所にテラス席があって、尚且つ空いていた。カウンター席のように山並みとキャンプ場を眺めながら、ピザとカレーを注文。カレーは絶対に半分でいいはずでジュンにどうするか聞かれたのに「カレーってどんなに食べても量おんなじじゃない?」という訳のわからない返事をして一人一皿注文。ここまで読んだらわかると思うが、当然量が多すぎて二人して「ウプ」となった。ピザは信じられないくらい熱かった。

正直ここまできたら土砂降りを期待していたのだけど、天気は回復していたようで土砂降りには程遠い雨がさわさわとキャンプ場の草を濡らす。肌寒さを感じながら、二人で今年の夏の予定を完成させた。ジュンとどこに行こうかと先の予定の話をしている時、私はいちばん幸せかもしれない。JPの緑色で埋まった自分のスケジュールを見ると、死なない理由がたくさんできているようで安心する。「ハードスケジュールだねぇ」と自分たちでツッコミながら、「もう少し現実的なプランにする?」とどちらも言わない。二人とも寝ないと使い物にならなくなる体質なのに「まあ最悪寝なければいけるっしょ」って心のどこかで思ってるのが最高に頭が悪くて青春って感じがする。なんでも青春で片付けて美談にしようとするなよ。
こうしてジュンと全国旅することで私はこうしてNoteを書き、その時の人生にピンを刺す。何も考えずに生きてなかったんだよ、って未来の自分に伝えたいだけなんだ。忘れていく恐怖が言語化する恐怖を上回った時に、文章を書くようにしています。

13 | 万年山

ということで、7月5日に世界が終わりさえしなければ、私たちは楽しい夏を迎えられることが確定した。ちなみに7月5日の予定表には、私は「大予言」と書いているのにジュンは「日本終わる」って書いてて、なんか直接的なところがめちゃくちゃエモい。日本が終わる日はジュンと一緒にトランプやりながら過ごす予定。死ぬ間際までトランプしてたら呪縛霊になったとしてもずっと二人でトランプできてんじゃないの。

カフェぼいぼいであんなにお腹いっぱいになったのに夕方が近づいてきて死ぬほどお腹が空いてきた。今日夕飯で行きたいお店は決まっていて、レストラン青山っていうこれもひなこサイトにあったお店。チキン南蛮を食べるのだ。ぼいぼいと近いと思っていたらさらに30分かかる場所で「え〜?」となった。山以外のリサーチ甘すぎるだろ。
でももうチキン南蛮の口になってしまっているのと、旅行はそもそも暇つぶし(以下略)なので全然向かう。そしたら、これも事前にひなこサイトで教えてもらった「万年山」という場所が近かったからついでに行くことにした。「万年山(はねやま)」と読むらしい。うそん。

万年山に着いた時にはそこそこな時間になっていたけど、しっかり伸びた昼に後押しされてミヤマキリシマまで散歩することにした。めちゃくちゃコンクリの道なので危険箇所全くなし。曇っているので視界もなし。

霧がすごくて、先がみえないし不穏な感じではある。ジュンが遠くにある木を「なんか巨人みたい」っていうから怖くなった。今巨人に来られたらマジで逃げられない。立体機動装置つけてる日なんてないからいつでも逃げられないんだけど。
ここにミヤマキリシマが咲いてるよんと地図に書いてある場所まで来たけど、霧すぎて何も見えない。わーんと言っていたら、真っ白い霧の中に待って、あそこだけうっすらピンクに色づいてないか?よく見たら道があったから近づいてみたら霧も晴れ始め、そこはミヤマキリシマの群生だった。わーすごい!これだよこれ!
正直周りは霧だし柵の中に生えてるので九州に来る時に見たかった景色ではないけど、こうして出会えたこと自体がそれだけで嬉しかった。
目的を達成してるんるんで車に戻る。まだ当たりは全然明るい。

ということでこの後レストラン青山でチキン南蛮を食べるのだが、ここのチキン南蛮がもう本当に美味しくて、私は明日から「好きな食べ物はチキン南蛮です」って言うことに決めた。一口食べるごとに新鮮に美味しいご飯久しぶりに食べたな。
店を出た後に広い駐車場をスキップしてしまって、その後隣のローソンにもそのままスキップして向かってしまったので、本当に美味しいご飯はアルコールなんてなくても人をこんなにご機嫌にさせる力があるのだなと知った。

14 | 雨の最終日

翌日、最終日は阿蘇山へ。帰りの飛行機の時間を気にしたくないので、朝5時に出発して登山口に向かう。阿蘇のコースも悩んだが、ひなこサイトの情報を参考にして仙酔峡ってとこから入ることにした。仙酔峡っていい名前だな。
阿蘇までの道は、ここまで見てきた九州の景色からするとメチャクチャに栄えていた。コンビニが5件くらいあってびっくり。そしてそんな街並みを横目に山道へ入っていくが、街から5分でここに着くの?って思う壮大な景色にまたもびっくり。これが家の裏にある人生ってどんな世界線なんだよ。
仙酔峡に近づくと魔人ブウの家みたいな変な建物があって「うわー見るからに仙酔峡って感じだわ」って言ってたらその建物は通過点だったので「いやお前じゃないんかーい!!!」と全力ツッコんだ。

流石に6時前なのでめちゃくちゃ空いている。寒いね、歩いてたら暖かくなるかな。
はじめのコースがめちゃくちゃ急登で一気に600くらい上がるのだけど、辛いと思いながらもガスが濃くて思考が閉じるので案外楽に登れた。後ろを振り返ると真っ白で、本来見えているはずの火山の雄大さは、見えても足元から数百メートル。雄大というか壁が白い。たまに切れたガスの隙間から街が見えるが、街から5分のところを登っているのでまあ近いである。

ジュンは景色が見えないことを残念そうにしていたが(まあ普通そう)、私はもうすっかりこの旅の中でもう全部これでいいモードになっていたので、もう全部がこれでよかった。景色が見えた方がわかりやすく「わー!」って騒げるけど、見えないなら見えないで自分を重心に思考が巡るし、どうしたって雨男の父さんと出かけた幼少期の登山の景色が重なるから、両親のことを考えたりできる。別に楽しそうにはしてなかったと思うけど、あの時も私は楽しかった。
阿蘇山の景色は写真で見る限りすんごくすんばらしくて、本当は超好みな山なんだろうなぁと思うからここは死ぬまでには見に来たいなと思う。昔、ジュンに那須岳に連れて行ってもらって「この山何が楽しいの?」ってくらいガスってたことがあたた。その2年後に行った那須岳が超絶晴れてて超気持ちのいい天気で、那須岳のこと大好きになった。このガスの分、次に来た時の阿蘇山は絶対に晴れてるってなんか信じられるし、それが信じられるように今日をまた生きていこうと思うよ。

15 | 雨降りすぎだろ

とはいえ登っている時はそんな具合にローテンションながらもご機嫌だったんだけど、高岳への分岐通過した後の稜線(なのか?何も見えなさすぎてよくわからない)は久々に悪天候すぎて面白くなってしまった。霧雨みたいなのも降り出したからレインを着てフードも被る。フードの余った布で風が遊んでバタバタバタと激しく顔を打ちつける。なんかもうおかしくて声出して笑っちゃった。何がおかしかったのかというとうまくいえないんだけど、多分色々まとめると「休みの日に九州来て早起きしてこんな思いしてる人生ってなんなんだろう」って言うおかしさなんじゃないかと思いました。

普通に一刻も早く山から去りたいので同じ道は辿らずに最短距離で仙酔峡を目指す。途中ガスりながらも色々と面白い景色はあった気がするし、川みたいなのもあって後半の方がジュンは景色を楽しんでいたようだったが、私はこの景色にすっかり飽きてしまい「もう飽きた」と正直にジュンに言ったら笑っていた。優しいね。
もう少し我慢して歩いていたら、残り1.7キロのところで雑に舗装された道に出た。「もうダラダラ歩こうぜぇ」とジュンが言ってくれたので、コアラのマーチとミーノとアーモンドフィッシュを入れたゴープを取り出す。ダラダラ歩くことの演出を歩き食べによって叶える作戦だったので、空になるまで食べていた。

少しガスが抜けると仙酔峡の駐車場まで上からはっきり見える。ふと周りを見ると火山の山肌がずっと面白い。溶岩が固まったことでしかなり得ない地形が、今まで見たどの山よりも火山を感じて面白いが、そういうのも全部晴れてから言ってくんない?っていう思いを阿蘇山に持っている。
会社に阿蘇くんって子がいるから、とりあえず次会った時に文句だけは言おうかな。

ちなみにミヤマキリシマは阿蘇山の方がちゃんと咲いていて、火山の山肌にちょこちょこと落ちてる可愛いピンクのアンマッチ感が独自の世界観でいいな、っていうことの入り口はちゃんと体感したし、近くに咲いているミヤマキリシマはこの3日間見た中で一番可愛かった。まあそれも一旦晴れてから言ってくれる?とは思っている。

16 | 旅締め

この後にこちらもひなこBotおすすめの「道の駅阿蘇」に行ったら道の駅なのに本当の駅の近くにある珍しい立地で、そして今まで行った道の駅の中で一番充実したていた。ご飯が美味しそうすぎてこの後熊本ラーメンを食べなきゃいけないという自分で立てた予定を恨むほど。今この瞬間に買って帰りたいお弁当がめちゃくちゃあるのだが、、、。
全てが魅力的に見える中で相当自制しながら買い物を済ませた。流石に阿蘇の赤牛が食べたくなったので、混ぜご飯のセットとして持ち帰ることにする。平日に食べるんだ。楽しみだなぁ。

空港を飛び越えて、ひなこBotの熊本ラーメンと温泉に行っても、朝早かったのでまだ14時。早々にレンタカーを返して、熊本空港で居眠りしながら飛行機の時間を待った。レンタカーを返したのでやっとビールが飲める。少し飲んだら旅の疲れがどっと表に出て、コップ一杯で使い物にならない大人になった。でも大丈夫、搭乗まではまた、死ぬほど暇があるので。

正直熊本から家までの帰路は長く相当しんどいが、旅の余韻でなんとか乗り切る。もうスイッチが切れているので話しても話さなくてもいいことだけ口から出しながら残りのエネルギーを振り絞って満員電車に揺られ、あっさりと帰宅した。家に帰ってから洗濯物を回して干すところまでやったので私って相当高尚な人間だと思う。

今回の旅で、幸せだと感じる瞬間が明確にあったことが、自分の人生を丸々肯定できるような大きな価値だと思った。帰る時にはすっかり仕事のことなんて忘れ、帰りの飛行機では事前にDLした音楽を聴きながら羽田まで眠りについた。頭の中では走馬灯が流れていたと思う。

女に生まれて東京に暮らして令和に生きていると、いろんな現代の呪いに自我を乗っ取られながら生きることも簡単にできちゃう中で、私が私に戻って来れる時間の使い方を知ってるってことが大事なことなんだ。そんでそれを日常に揉まれても忘れないで生きられたら、それが私が人として目指す完全形態なんだけど、いつかそうなれるだろうって30代を迎えて確信できるよ。
私は自分から溢れる言葉の出力が人より多くて、ノリと嘘も含めていろんなことを発しているけど、ただひとつ確かなことは、一緒に旅をしてくれる人がいるからこうして健康に生きているんだよってこと。てなわけで今日もジュンとの出会いに神様感謝です。

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