今回はCOROSから2025年8月20日に発表された登山やハイキングや自転車、釣りなど様々なアクティビティで使用できるGPSウォッチ「NOMAD」についてレビューをしていきます。
今回紹介するCOROSのNOMADは操作がしやすいだけでなく、フル充電で使用できるバッテリー容量の凄さ、軽量でつけ心地の良い操作性に優れたデザイン、登山で必要な高度や気圧は当然備えながら、自分がいる場所とこれから向かう場所の視認、コース離脱によるアラート、その他様々な自分管理機能を備え、販売価格が5万円以下というコスパに優れた登山用時計です。
今回はまず初めにスペックを紹介し、特徴的なデザイン、そして登山における使用感と楽しみ方について紹介をしていきます。
COROS「NOMAD」のスペック
- 税込価格:¥49,940
- サイズ:47.8x47.8x14.8mm
- 重量:61g(シリコンバンド装着時)、49g(ナイロンバンド装着時)
- ディスプレイサイズ:1.3型(解像度:260x260)
- ディスプレイ種類:点灯型メモリーLCD
- 防水性能:5ATM(水深50mに相当する静止した水の圧力に耐える性能を持つ防水機能)
- 使用温度:-20°C~50°C
- バッテリ容量:50時間(全システムオン)、34時間(二周波オン)、22日間(日常使用&睡眠トラッキング)
- フル充電時間:2時間未満
- 内蔵メモリ:32GB(アクティビティメモリ:1200時間)
- 衛星システム:GPS(米国)·GLONASS(ロシア)·BeiDou(中国)·Galileo(欧州)·みちびき(日本)
※相互に連携することで、測位精度や安定性が向上し、より広範囲・高精度な位置情報サービスの提供が期待できるとされている - センサー:光学式心拍計、気圧高度計、加速度センサー、ジャイロセンサー、コンパス、体温計、光学式パルス、ECGセンサー
このようにスペックを見てみると、様々な機能が備わったGPSウォッチであることがわかると思います。

COROS「NOMAD」の最も特徴的なスペックとしてバッテリー容量があると思います。COROSという時計を世の中に知らしめたと言っても過言ではないその長いバッテリー容量は、日常使いでなんと22日間、登山使用でGPS機能などを全てオンにした状態でも連続で50時間使用することができます。

登山用時計としてだけでなく、トレーニングプランを作成して自分を管理したり、運動後のリカバリー状況を確認したり、心拍数やストレス状態を得ることができたり、睡眠状況や、体重管理など、時計をするだけで様々な活用が可能です。
COROSウォッチが単体で体温を計測する機能はありませんが、外部の「COREセンサー」と連携することで、深部体温と皮膚温度のデータを取得し、COROSデバイス上に表示できます。
CORE体温センサーはBluetoothでペアリングし、ワークアウト中の暑熱負荷(HSI)や暑熱ゾーンなども確認できるため、COROS ウォッチと組み合わせて体温データを利用します。
これらの情報は全てCOROSのスマートフォンアプリで確認することができます。
COROS「NOMAD」の特徴的なデザイン

重量61g、47.8mmのサイズ、14.8mmの時計の厚みはアウトドア向け時計としての無骨でワイルドな力強い印象のあるデザインです。それだけでなく重さはシリコンバンド装着時で61gと非常に軽く、重さを感じさせません。

そして非常にシンプルなインターフェースで、扱いやすいのも特徴です。右下にあるダイヤルではないボタンを長押しするとメニューが出てきます。中には心拍数の確認、オキシメーターと言って、身体が高地の標高にどれぐらい適応しているかを知るために血中酸素飽和度SpO2の測定、ウォッチフェイスの変更、時計のインターフェースの設定やボタンの設定などが可能です。
右上にあるダイヤルを時計が表示されている状態から回すと、当日の消費カロリーやリカバリー状態、ストレス状態、現在地の天気、日没と日の出の時間の確認、気圧の確認などが可能です。
ダイヤルを押すとアクティビティメニューが出現し、アクティビティをセレクトし開始ボタンを押すとリアルタイムで心拍数の確認や標高、またナビゲーションを設定している場合はGPSによる現在地の確認、ルート上を外れた場合のアラートを行ってくれます。これは初めての山を歩くとき、登山道がない場所を歩く時に非常に有効で、遭難のリスクを大幅に軽減してくれます。
登山における使用感と楽しみ方
はじめに僕が行っている初期設定について紹介をします。
おすすめの初期設定

1つ目がデジタルダイヤルの位置変更です。右下のメニューボタンをクリックして設定画面に移動します。その中のメニューにあるシステムをクリックすると「デジタルダイヤル」というメニューが表示されます。このメニューの中にあるダイヤル位置を画面右側から画面左側に変更します。こうすることで手首を曲げた時に、意図せず時計のボタンを押して勝手に動作してしまうことを防ぐことができます。

次にウォッチフェイスです。ウォッチフェイスは残念ながら標高がずっと表示されているものが少なくもっと色々なウォッチフェイスから選びたかったのですが、現在僕が選んでいるのはMOUNTAINLOGというウォッチフェイスです。これはデフォルトで標高が表示されているので登山中に便利です。



次に緊急連絡先の登録です。スマートフォンアプリのプロフィールから緊急連絡というメニューをクリックし緊急連絡をオンにします。そして緊急連絡先を追加した上で、ダイヤル・バックボタンを7秒間長押しすると登録したアドレスにメールで通知が発信されます。
緊急連絡先に通知を送信するには、スマートフォンが通信できる状態でないといけません。
初めての山で遭難回避が可能

COROSの時計はYAMAPなどで作ったルートファイル(GPXファイル)を読み込んで、実際に登山をする時にルート案内をしてくれます。



ルートファイルの読み込み方はとても簡単で、YAMAPを例にとると、スマホで登山計画を作成したら、作成した登山計画ページにあるGPXデータの「エクスポート」というボタンを押し、それをCOROSのアプリに送ります。



送ったらCOROSにルートデータが読み込まれ、その後にウォッチに送るボタンを押せば、時計にデータが飛びます。

このルートで登山をする時は、ダイヤルボタンを押して登山を選び、ナビゲーションボタンから、今同期したルートを選択します。その後コース開始というボタンを押せば、時計がルート案内をしてくれます。
登山中は時計を見ながらコース上を歩けているか確認をすることができます。

コース開始ボタンを押す前に「離脱アラート」をオンにすると、ルートから外れた時に時計がアラートを出してくれます。これによって道迷いの心配がなくなり、さらにコースが外れたタイミングでアラートを出してくれるので、大きく間違ってまた戻らなければいけないというタイムロスがなくなります。

離脱アラートの下にターンバイターンというメニューがあり、これをオンにすると目的地までのルートを矢印で段階的に案内してくれます。ユーザーは、現在地から目的地までの進むべき方向指示を、各分岐点で逐次に受け取ることができます。
これは例えば登山道がたくさんあり、分岐点も多い山域で役立ちます。
山の軌跡をまるで動画のように楽しめる

山を登り終わった後は、COROSのアプリを使って山の思い出を共有することができます。登山中に撮影した写真は位置情報も含んでおり、GPSトラックに後から追加することができます。
だから例えば、この場所でキノコが取れたとか、この場所の眺めがすごく良かったとか、好きなポイントがあれば写真を撮り、後から見返すことができます。
そして3Dマップフライオーバーと呼ばれる、まるで自分自身がドローンに撮影されていたかのような、俯瞰した軌跡を撮影した写真や、その時録音しておいた音声ピンなどと一緒に確認することができ、さらにはそれをインスタグラムなどで共有することもできます。
どこでどのような景色を堪能できたのかというのがチェックできるのがとても面白いです。