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安達太良山 / 2025年を振り返る

安達太良山 / 2025年を振り返る

1.忘年

正直に話すと今年はしんどい一年だったように思う。
今の会社に転職して2年、趣味の活動を始めて4年。どちらにも流石に慣れてきて、能動的になったり逆に予定に振り回されいていたり。
渦中にいるときには大変だったし毎日私なりに精一杯生きていたつもりだが、こうして振り返ると格好悪くじたばたしていた一年だったように思う。
一年という区切りにこうして助けられ、なんとなくリセットできそうな気持ちになれるので暦の存在には本当に感謝している。毎日の連続のはずの日々に名前をつけ、こういう一年だったとまとめることでまた明日から生きる糧を得るのだ。

もう少し遡って2024年が終わる時のことを思い出すと、趣味である「山歩きJP」の活動、つまり登山を基軸とした創作活動に時間を費やしすぎているという総括をしていた。
無茶な山の予定を立てて体調を崩すなど、自己管理の甘さを反省した。毎週をベースにしていた山登りを隔週に変え、山以外の活動も精力的にやっていこうと決めて始まった2025年。YAMAPの振り返りログで蓋を開けてみれば、昨年よりも登頂した山の記録は伸びていた。はて?

なんだかんだ、今年もたくさん山に行くことができた。
そして得たものがたくさんあった。

バタバタと12月に入った。夏とともに一年のサビ、大トロが終わったことを実感し、9月の時点で2025年の締めくくりに向けて気持ちの準備をしてきたはずだったのに、気がついたらもう年末だ。(サビと大トロが並ぶのってなんだか変な例えですね)
日々をカウントダウンする勢いで丁寧に生き急いだ夏が過ぎ、日照時間に比例して短くなっていく体感時間。下半期を雑に生き過ぎているのだろうか。

今年は早々に準備を始められたと思っていた会社の忘年会は、幹事として計画していたコンテンツが2回白紙になるなどをしているうちに、気づいたら前日を迎えていた。
スケジュールを見返すときちんと生きてはいたみたいだが、とにかくあっけなく終わったように感じるのは、夏に詰め込んでいた山の予定が激減したことと因果を結ばざるを得ないのか。

2.登り納め

天気に恵まれなかったなどもあって、寒くなってからなんとなく山に行く回数が減った。12月には大好きなお笑いコンテンツが盛り上がることなどもあり、後手に回って遠ざかっていく山足。どこでどう登り納めをするか、特に決めずに宙ぶらりんのまま年末休みに入ってしまった。

「JPでの登り納めがしたい」とジュンに言われたのは今年も残すところ10日となったところだった。2025年の登り納めをうやむやに考えていた私は、そうだよなと思う。行かない意思決定をしていたわけではなく、ただ日々に揉まれている間に山の予定を立て損ねてしまっていた。

どうせ行くなら雪山がいいだろうということで、向かう先はずっと行ってみたかった冬の安達太良山。今年最後の登山が東北の山となったのは、理由はないけどとにかくなんかいい。

↑これは3年前の夏の安達太良山

3.雪山

ロープウェイが閉じている安達太良山は人が少なく、3年前の夏に登ったときに歩いた庭のような登山道はほとんど雪に埋まっていた。
雪山から見る空はいつでも宇宙のように群青なのだと思っていたのだけれど、今日の安達太良山の空はあまりにもパステルブルーで、そして遠くの景色は霞んでいた。まるで春のようだ。
登っている最中はとにかく日差しが暖かく、脱げるところまで脱いで薄着になった。体の中から熱が放出され、雪山の外気で冷やされる。寒暖差で私の周りに積乱雲できるんじゃないの。

本当に春のような気候だ。自然と気持ちが前向きになる。
一緒に歩いているジュンは、「今日ここに来られてよかった」と本当に嬉しそうにしている。しばらく山に行けていなかったせいで、山に行きたい気持ちが爆発してしまっていたらしい。そのせいで一昨日は北横岳、昨日は硫黄岳に行き、明日は日光をトレイルランするんだとか。
なんでこんなに馬力があるのか訳がわからない。この人のこと、本当に変な人なんだと思って接するようにしてる。
私も今日、ここに来られてよかった。

雪に埋まった木々の間を歩いている時から、ぴゅうぴゅうと高い音で風が鳴っているので、日本中のイルカがこっち向くかと思った。森林限界が訪れたらものすごく寒そうだと想像し、新しく買ったアークのレインウェアを車に忘れてきたことを後悔する。
前から歩いてくる人たちがみんなレインウェアを着ていて不安な気持ちになるが、ジュンが「寒かったら貸せる服たくさんあるから大丈夫だよ」と私の心配を先回りして安心させてくる。山頂が近づくとやはり風が直接体にあたるけれど、地面の岩たちを「クッキーアンドクリームみたいで美味しそう」とか言っている余裕があった。

4.山頂の先へ

山頂から少し歩けば爆裂火口が見えるのだと思っていたけど、実際には記憶のもう少し先まで歩かなければならなかった。ここに向かうまでの道が、とても険しかった。
実際に危険箇所が数回あることもあるけれど、というより風がものすごく強くて攻撃的だ。足元の雪たちは、この風に形作られて見たことのない変な形状になっていた。

めちゃくちゃ寒いが、まだダウンは出してないし余力はある。誰も人がいなくて、前を見ても後ろを見ても絵になっている。写真に撮って残したいが、手が冷たくてそれどころではないな。ただ吸い込まれるように、「あの景色」を目指すのだ。私たちは冬の福島に、アレを見にきたのだから。

実際に歩いていた時間は15分ほどだと思うが、この山行の大サビ(またワサビの話してる)は間違いなくここで、なんだか夢の中にいるようなふわふわした感覚で歩いていた。でも下山した後もはっきり景色が思い出せる。
実際に到着した爆裂火口は、夏に見たそれが白く染まっていただけなのだが、風がものすごく強いことも相まってか、とんでもない濃密なオーラを放っていた。ピトーの登場シーンでゴンがオーラに気圧されていたが、まあそんな感じ。あんな紫でもないけれど。
寒いのもあるが、一瞬だけ見てとても満足した。ジュンは畏怖の念を感じたと言っていた。なるほど、念能力ね。

風に阻まれ見た景色を脳裏に持ち帰り、惰性のような下山は清々しい気持ちで来年の目標をジュンに聞く。私は日頃から振り返りを大事にしているタイプだけど、誰にでもこれを聞くことが馴染む年末年始が好きだよ。

5.今年をまとめたい

下山して、2025年の登山が全て終了した。今年登れた山について振り返ってみる。
今年は全国各地いろんなところに訪れた。三重のイベント、南伊豆ロングトレイル、九州への遠征登山、家族旅行の佐渡ヶ島、お盆の四国旅行、白馬三山山小屋泊、彼氏との沖縄旅行、秋の東北遠征、和歌山県高野山の旅。そして数々の日帰り登山たち。
こうして羅列してみると、一年の出来事とは思えないくらいいろんな場所に行っている。なんかすごいじゃん私、って気持ちになってきた。

移動した距離はもしかしたらこの4年で一番なのかもしれないが、実はあんまり山に泊まるという経験ができなかった一年だった。
山の上に宿泊できたのは、二泊三日の白馬三山縦走登山のみ。色々と計画をしていたけれど、天候で断念せざるを得なかったのだから仕方ない。
テント泊もできていないし、来年は絶対にもっと山での宿泊を実現しよう、と意気込んで来年の登山の予定をこれでもかとたくさん立てた。10月まで埋まった予定表を眺めて、死ねない理由がたくさんできたようで安心する。
Work Hard , Play Hard でいくんだ人生。会社でもそう教わった。

自分が結婚して子供を産むまでは、自分の人生の主役は自分であると信じてる。ジュンと一緒に、一生分の主役をやり尽くすぞという意気込みで生きるのだ。

それにしても、白馬三山の山旅は、人生に刻まれる旅だったな。
正直に生きていることへのご褒美と思えるような山行が、今年もたくさんあった。

傲慢でお調子者の私と関わってくれるみなさん今年もどうもありがとう。
新しい年を迎えたらなんでもできるっていう夢心地な気分だけど、それもきっと間違ってはいないはずだ。
安達太良山の上の空がほんとの空で、山にいるときも街にいるときも、正直さだけが私のいいところなので。

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