お気に入りのウェアやタオルを洗濯したはずなのに、なぜか匂いが落ちなかったり、黄ばみが発生したりすることはないでしょうか。実はその原因の多くは、汚れが落ちていないからだけでなく、「洗剤そのものが衣類に残って蓄積していること」にあります。
大切なアウトドアウェアやメリノウールの機能を損なわずに、長く使い続けるための正しい洗濯知識と、失敗しない手洗いの手順を分かりやすく解説します。
1. 一般的な洗剤の仕組みと「洗剤残り」の実態
衣服につく皮脂などの油の汚れというのは、水だけでは落とせません。そのため、洗剤を使って汚れを浮かすというのが洗剤の役割です。
このような洗剤には「界面活性剤何%」と書かれているかと思いますが、この界面活性剤というのは、大体「油」から作られる成分でできています。


たとえば、お皿に付着したマニキュアを洗剤につけて落とすと、綺麗に剥離(はくり)させることができます。


しかし、これと同じことは洗剤を使わず「油」を使っても剥離できます。つまり、洗濯時に洗剤を入れるという行為は、見方を変えれば「衣類に油を入れている」という行為と非常に近いのです。

このように油で浮かせた汚れというのは、実は一般的な洗濯ではうまくすすぎ落とせていません。つるつるのお皿を洗った際にも、実はきちんと洗剤がすすげておらず、成分が残ってしまう実態を見ていただくとお分かりいただけます。
衣服に洗剤が残り、この洗剤がどんどん蓄積していくからこそ、衣服やタオル、さらには洗濯槽そのものが汚れていき、結果として匂いや黄ばみ、生地のベタつきを引き起こしてしまうのです。
2. 汚れを固めずに水へ溶かす、山旅の「Great Wash」のメリット

山旅が販売しているアウトドア専用洗剤「Great Wash」は、汚れを剥離させるのではなく、細かく「分散(水の中にバラバラに溶かし込むこと)」させて汚れを落とします。



このように汚れを分散させると何が良いのかというと、浮かした汚れが簡単なすすぎで綺麗に落ちていくようになります。
一般的な洗濯機プログラムとGreat Washを使う際の違い
一般的な洗濯機のプログラムは、以下のような流れで合計4回の注水が行われます。
一般的なプログラム:洗い1回 + すすぎ2回 + 柔軟剤を入れる(=注水は計4回)
これに対し、Great Washを使うと、洗剤が汚れをしっかり水に分散させてくれるため、驚くほど簡単なすすぎで汚れが落ちます。そのため、以下のようにプログラムを短縮できます。
Great Washのプログラム:洗い1回 + すすぎ1回(=注水は計2回で終了)
さらに、Great Washを使えば柔軟剤を入れる必要もありません。
すすぎの回数を減らすことが、ウェアの長持ちにつながる

耐水度は洗濯回数が多くなるほど数値が下がっています。これはゴアテックスの構造によるもので洗剤によって劣化することではなく洗濯で生地が摩耗されるため劣化していると考えられる。はっ水度は洗濯5回目までは洗濯前の4を維持、10回以上の場合は3になったがレインコートの基準は家庭用品品質表示法では2級以上が条件となっており条件はクリアされている。透湿性は洗濯回数によってばらつきはあるが、ほど維持されていると考えられる。
実は、洗濯で行う「すすぎの回数」が増えるほど、衣類が物理的に痛められてしまうことが知られています。特にゴアテックスをはじめとするレインウェアの撥水加工などは、すすぎをたくさん行うことで生地が擦れ、機能が落ちてしまいます。
ゴアテックスウェアのテストにおいても、洗濯回数が多くなるほど耐水度の数値が下がっていますが、これは洗剤による化学的な劣化ではなく、洗濯で生地が摩耗しているためと考えられます。
したがって、Great Washを使ってすすぎを1回に済ませることができるというのは、大切なアウトドアウェアの擦れを抑え、長く使い続けることができることにもつながるわけです。
3. 柔軟剤が不要になる理由とダウンの仕上がり
ここで少し話はそれますが、柔軟剤を使う本当の理由を知っていますか?
柔軟剤という言葉の通り「生地を柔らかくするため」と思いがちですが、実はそれは違っていて、「静電気を起こさないために使用する」というのが本当の理由です。
しかし、柔軟剤にもやはり多くの界面活性剤(油分)が入っています。この柔軟剤をしっかりとすすいで落とさないと、今度はその洗剤残り自体が衣類へのダメージや、アウトドアウェアの機能低下につながってしまいます。


Great Washを使えば柔軟剤が必要ないと言えるのは、エビデンス(試験データ)によって「静電気が起きない」ということが証明できているからです。
一般洗剤を使ってダウンジャケットを洗った際と、Great Washを使って洗った際の「ダウンの静電気の立ち方」を比較テストした動画があります。両者の違いを見ていただくと、静電気が抑えられていることがよく分かります。

また、Great Washを使ってダウン製品を洗ったときの「ダウンのふんわり度」についても、以下のような優れたテスト結果が出ています。
測定項目 | 洗濯後の数値変化と意味合い |
圧縮仕事量 | 数値が上昇:ダウンがふんわりしているため、心地よく圧縮されやすくなっています。 |
圧縮レジデンス | 数値が上昇:ダウンがふんわりしていることから、元の形に戻る「回復力」が高まっています。 |
荷重時の厚み | 軽い荷重では数値が上がり、重い荷重では下回る:洗濯後はダウンに豊かなふんわり感があるため、軽い荷重のときには沈み込みが少なく、重い荷重をかけたときにはしっかりと沈み込みます。 |
4. メリノウールウェアの正しい洗濯方法
デリケートなメリノウールを洗う際は、洗面所やたらいなどを使って「手洗い」をするのが最も良いと考えています。
Great Washは非常にすすぎやすい成分でできています。動画で1回目のすすぎの状況を見ていただくと分かるように、ほとんど泡が立たないため、泡切れの悪い洗剤のように何度もすすぐ必要がなく、ウール繊維への負担を最小限に抑えられます。
【手順】
服を裏返す
生地表面の摩擦や毛玉(ピリング)の発生を防ぐため、あらかじめウェアを裏返しておきます。
ぬるま湯に洗剤をしっかり混ぜる


洗面所に栓をして、38度くらいのぬるま湯を貯めます。お湯を貯める前にGreat Washを1〜2プッシュ入れ、事前にお湯と洗剤をよく混ぜ合わせて泡を立てておきます(泡が少なければ1プッシュ足します)。ここで洗剤とお湯をしっかり混ぜ合わせることがポイントです。
優しく押し洗いをする


ウェアを綺麗に畳み、泡立ったお湯の中にゆっくりと浸けます。上から下へ優しく手のひらで押すように洗います。
※絶対にやってはいけない注意点
ウールを捻ったり、ゴシゴシと擦り合わせたりしてはいけません。ウール表面にある「クリンプ(繊維の縮れ)」と呼ばれる殻のような構造が損なわれ、フェルト化して調子が悪くなります。だからこそ、生地をなるべく動かさないように洗うのが正解です。
つけ置き(10〜15分)

数回優しく押し洗いをした後は、そのまま10〜15分間浸けておきます。時間が経ったらお湯を抜いて捨てます。
すすぎ・つけすすぎ


再度洗面所に綺麗な水を貯めます。洗った時と同じように優しく「押しすすぎ」をした後、さらに10〜15分間「つけすすぎ」をします。
短い脱水(30秒)

水を抜いた後、ウェアを痛めないように洗濯機に移し、30秒ほどの短い時間で軽く脱水をかけます。
乾燥・干し方
脱水が終わった後の、まだ濡れている状態での対応が非常に大事です。脱水後に強く絞りすぎると深いシワになり、繊維を痛めることになるため、なるべく絞らないというのが大事です。


もし少し縮みが気になるようであれば、この濡れた状態で優しく少し伸ばしてあげると良いです。最後に、首元を伸ばさないようハンガーを下(裾)から通してかけて終了です。
5. アウトドアウェアに「アルカリ性洗剤」を使ってはいけない理由
市販の頑固な汚れ用洗剤には「弱アルカリ性」のものが多いですが、メリノウールやダウン、レインウェアといったアウトドアウェアには絶対に使用を避けるべきです。
メリノウール・ダウンへの影響
ウールやシルク、あるいはダウン(羽毛)といった天然の動物性繊維は、人間の髪の毛と同じ「タンパク質」でできています。アルカリ性の成分にはタンパク質を溶解・変質させる性質があるため、アルカリ性洗剤で洗ってしまうと、繊維が細く弱くなり、メリノウール本来の優れた調湿機能や柔らかい肌触りが失われてしまいます。また、ダウンにおいては羽毛が痩せてしまい、元々持っている天然の油分が奪われることで、ふんわりとしたボリュームや保温性が戻らなくなってしまいます。レインウェア(ゴアテックス等)への影響
レインウェアの表面には、水を弾くための「撥水コーティング」が施されています。また、生地の裏側には防水透湿性を担保するメンブレン(膜)や、縫い目を保護するシームテープが貼られています。アルカリ性洗剤はこれらのコーティングや、パーツを貼り合わせている接着剤(樹脂成分)を急激に劣化させ、撥水力の低下やシームテープの剥がれを引き起こす直接的な原因になります。
大切な山の道具の機能を損なわずに長く使い続けるために、成分が残りにくく、繊維に優しい中性の「Great Wash」でのケアをおすすめします。
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