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アルトラ オリンパス275 HILO レビュー|長期縦走・登山で使えるマックスクッション

アルトラ オリンパス275 HILO レビュー|長期縦走・登山で使えるマックスクッション


2025年から2026年にかけての山行において、僕が最も過酷なフィールドで履き込んできたのが、ALTRA(アルトラ)として初めてBOAフィットシステムを採用した「TIMP 5 BOA」でした。

足全体を均一に包み込むホールド感と、トレイルからの情報を繊細にキャッチできる足裏感覚は非常に秀逸で、数々の山行を支えてくれました。しかし、度重なるロングトレイルや岩稜帯の歩行を経て、アウトソールのブロックは摩耗してグリップ力を失い、サイドのソール材にめくれが生じるなど、シューズとしての寿命を迎えたと思っています。

そこで今回、過酷な長期縦走登山やファストパッキングを支える次期主力フットウェアとして新たに導入したのが、ALTRAの最新作「OLYMPUS 275 HILO(オリンパス 275 ハイロー)」です。

「OLYMPUS 275」の系譜と進化モデル「HILO」の立ち位置

自然な走りと歩行を追求するフットウェアブランド「ALTRA」において、マックスクッションカテゴリーの象徴として君臨してきたのが「OLYMPUS」シリーズです。昨年登場した「OLYMPUS 275」は、豊かなクッション性と抜群の安定感を誇るOLYMPUSのソールユニットを踏襲しつつ、より過酷でテクニカルなトレイル環境を制するために先進的なマテリアルを組み込んだ特別な派生モデルでした。

その完成されたプラットフォームをベースに、ミッドソールの刷新とアウトソールのトラクション性能強化によって、走破性と軽快さをさらに引き上げた最新作が、2026年7月24日発売の『OLYMPUS 275 HILO』です。

モデル名に冠された「HILO(ハイロー)」という名称には、Hi(登り・上り)とLo(下り・降り)の双方において妥協のない走破性を発揮するという意味合いが込められています。標高差の大きい山岳地形や、変化に富んだテクニカルな路面を力強く駆け上がり、安定して駆け下りるためのトータルバランスが追求されています。

特徴1:ゼロドロップ設計と「Original Foot Shape™」が引き出す足本来の機能

ALTRAのアイデンティティである「ゼロドロップ(0mmドロップ)」は、つま先と踵の接地面の高低差をゼロにした完全フラットな構造です。一般的なヒールドロップの高いシューズは踵着地を促しがちですが、ゼロドロップは裸足に近い自然な骨格アライメント(姿勢)へと導き、足裏全体を使ったスムーズな荷重移動とバランスの取れた歩行姿勢を実現します。アキレス腱やふくらはぎの筋肉が自然に収縮・弛緩を繰り返すため、連日荷物を背負って歩く長期縦走においても、特定の筋肉や関節への過度な負担の偏りを和らげてくれます。

さらに、足型にはALTRAのラスト(木型)の中で最もゆとりのある「Original FootShape™」を採用しています。

つま先部分(トゥボックス)が足本来の形状に合わせて広くとられており、足指を圧迫することなく自然に広げることができます。重い荷物を背負って長時間歩き続けると、血流の変化やアーチの沈み込みによって足幅は徐々に広がりますが、Originalラストであれば窮屈さを感じることなく、足指でしっかりと大地を捉え、足裏本来のクッション機能や蹴り出しの安定性をフルに活用できます。

「TIMP 5 BOA」が最も広い「オリジナル」と最も狭い「スリム」の中間に位置し、適度なゆとりと高いホールド感を両立してStandard FootShape™ Fitだったので、シューズの中で足がブレないか心配だったのですが、シューレースの調整で問題なくパフォーマンス高く歩くことができました。

フィッティングに関する重要な注意点

ただし、足の形状や骨格、歩き方の癖には個人差があります。足幅が細身の方や甲が薄い方が履いた場合、このワイドなトゥボックスによってシューズ内部で前足部が左右に遊んでしまい、ホールド感が甘く感じられたり、下り坂で足が前方にズレて爪先を痛めたり、歩行パフォーマンスが低下してしまう可能性があります。足型との相性や好みが分かれる部分でもあるため、購入や導入にあたってはインソールの選定やソックスの厚みを含め、自身の足の形状と照らし合わせて慎重に選ぶことが推奨されます。

僕はちなみにスーパーフィートのインソールを愛用しています。

特徴2:15%軽く、10%やわらかく進化した「Altra EGO™ MAX」と33mmスタックハイト

シューズの走行性能・歩行性能を大きく左右する心臓部であるミッドソールには、従来のEVAフォームに代わり、新世代フォーム「Altra EGO™ MAX」が搭載されました。

前モデル比で15%の軽量化と10%の柔軟性向上を達成しており、反発性と弾力性に富んだ足あたりを実現しています。ALTRAのトレイルカテゴリーにおいて最も厚みのある33mmのスタックハイトを持つマックスクッションシューズであり、のちに登場予定の「OLYMPUS 7」と共通の次世代ソールユニットとなっています。

TIMP 5との比較から見るクッション性と歩行感覚の違い

これまで愛用してきたTIMP 5は、ソールに適度なダイレクト感があり、足裏でトレイルの凹凸や岩の形状を細かく感じ取りながら「地面を掴んで歩く・走る」感覚に非常に長けていました。

これに対してOLYMPUS 275 HILOは、33mmの極厚クッションによって、尖った岩や硬い林道からの突き上げ、繰り返される着地衝撃をフォーム全体が包み込むように吸収・分散してくれます。ダイレクトな路面情報の伝達という点ではTIMP 5に軍配が上がりますが、テント泊装備などの重い荷物を背負った長期縦走においては、地面の硬さや衝撃が足裏へ直接伝わらないことが最大の強みとなります。足裏の疲労感や痛みを大幅に軽減し、何十キロにも及ぶ行程の後半でも軽快な足運びを持続させることができます。

特徴3:Vibram® Megagrip with Traction Lug™による強力な路面トラクション

アウトソールには、濡れた滑りやすい岩場や木の根、乾燥した砂利道など、日本の変化に富んだ山岳環境で絶大な信頼を得ている「Vibram® Megagrip」を採用しています。

さらに今作では、ラグ(突起)の側面に微細な溝と段差を施した「TractionLug™」テクノロジーを新搭載しました。ラグ自体の表面積を拡張することで、従来のラグパターンと比較してトラクション効率とブレーキ性能が格段に向上しています。泥濘地や滑りやすい急斜面、ザレた下り坂でもしっかりと土を捉え、スリップによる体力の消耗や転倒のリスクを抑制。重いザックを背負った状態での下りでも、足元に確かな安心感をもたらします。

今回はレビューのためにあえて滑りやすい急坂を選んで上り下りを繰り返してみましたが、ほんと全然すべらないんです。流石にラグの側面になにも触れないような、濡れた木の上では滑りましたが、歩いていて安心しながら足運びが可能だな、と思いながら登山していたのを思い出します。

特徴4:MATRYX®高耐久アッパーと小石を防ぐスクリースリーブ

長期の山岳縦走では、アッパーの引き裂き強度や耐摩耗性がギアの信頼性に直結します。OLYMPUS 275 HILOのアッパーには、高機能テキスタイルである「MATRYX®(マトリックス)」ワンピースウーブンアッパーが採用されています。高強度なポリアミド(ナイロン)繊維とアラミド繊維(ケブラー等と同等の高強度繊維)を高密度に織り込むことで、驚異的な引き裂き強度と耐摩耗性を実現。岩稜帯での擦れや木の枝の引っ掛けに対しても優れた耐久性を誇りながら、通気性と軽量性を高い次元でキープしています。

また、履き口部分には小石や砂、落ち葉などの異物がシューズ内部へ侵入するのを防ぐ「スクリースリーブ(ビルトインゲイター構造)」を搭載。ゲイターを別途装着せずとも小石の混入を防ぐことができ、登山中に何度も足を止めて異物を取り出すストレスから解放されます。

だからTIMP 5 BOAではアルトラで別売りをしているゲイターの装着が容易に行える独自のゲイター装着システムである「GaiterTrap(ゲイタートラップ)」が搭載されていますが、オリンパス 275 ハイローには省かれています。ゲイターの必要なしということが、この特徴からもよくわかります。

プロダクトスペック

項目

スペック詳細

製品名

ALTRA OLYMPUS 275 HILO(アルトラ オリンパス 275 ハイロー)

価格

¥31,900(税込)

重量

メンズ:298g(US10.5 / 28.5cm)


ウィメンズ:249g(US8.5 / 25.5cm)

ミッドソール

Altra EGO™ MAX(15%軽量化、10%柔軟性向上)

アウトソール

Vibram® Megagrip with TractionLug™

スタックハイト

33mm(0mmドロップ / ゼロドロップ)

アッパー素材

MATRYX® one-piece woven upper

ラスト(足型)

Original FootShape™(最もワイドな設計)

機能装備

スクリースリーブ(小石・異物侵入防止履き口)

総括:長期縦走登山における実用ギアとしての評価

ALTRA「OLYMPUS 275 HILO」は、単にスピードを競うトレイルランニングの枠を超え、何日も山中を歩き続けるロングハイキングやテント泊縦走登山において、そのポテンシャルを存分に発揮するシューズです。

  • 足指を締め付けず、本来のアーチ機能を生かす「Original FootShape™」と「ゼロドロップ」

  • 重装備の荷重と路面からの突き上げを優しく受け止める33mm厚の「Altra EGO™ MAX」

  • 不整地や濡れた路面で確実な制動力と推進力を生む「Vibram® Megagrip with TractionLug™」

  • 岩場の擦れに屈しない「MATRYX®」アッパーと、異物混入を防ぐ「スクリースリーブ」

足型への相性を丁寧に見極める必要はあるものの、過酷なフィールドで足裏を守り抜き、最後まで軽快なステップを維持するための確かな性能を備えた、信頼性の高い山岳フットウェアと言えます。

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