僕はスントのアドバイザリースタッフ兼スントマイスターという立場で、サロモン スント ici club 神田店にて接客させてもらっています。今回はそんな立場から、スントで人気のスパルタンという時計の魅力、よくお問合せ頂く内容についての対処方法など、お伝えしていきたいと思います。
スマートウォッチスントのスパルタンシリーズの使い分け
スントスパルタンのトレーナーもスポーツも、ランニング以外に様々なアクティビティで活用することができますが、いづれも光学式心拍計測が時計の裏側に備わっていて、チェストストラップ式の心拍センサーを使用することなく、心拍数データを確認することができるのが特徴です。
トレイルランニング、トレーニングのためのロードランニングをする方にとっても、スントスパルタンのトレーナーとスポーツは非常に使いやすく、僕もこの時計のファンのひとりです。トレーナーがボタンなのに対してスポーツはタッチパネル+ボタンという操作の違いがあり、更にフェイスサイズが、トレーナーは小さく、スポーツは大きいです。
この違いによって、画面が大きく、見やすいスントスパルタンのスポーツは、トレイルランニングのレースなどのイベントで使用し、スポーツはトレーニングの為のロードランニングや、私立高校で陸上部のコーチをしているので、その際に使うタイム計測に活用しているという違いがあります。
画面が大きいことで、画面を相手に見せやすく、タッチパネルであることで、誤ってボタンを押してしまうような事が少ないのが、スントスパルタンのスポーツの魅力の1つだと思います。
ケースとベルトをつなぐ部分についてですが、トレーナーは若干腕から浮きがちなんです。これが気になる人とそうでないひとがいると思いますが、もし気になったらスパルタン・スポーツをおすすめします(上の写真参照)。スポーツは腕のフィット感もよく、ベルトがドライバーなどを使用しなくとも簡単に変更ができるので、好きな色を選べるんです。色々とカスタマイズしておしゃれを楽しむことができます。
進化したスマートウォッチスントのスパルタンシリーズ
スントのアンビットを愛用している人から、よく声が挙がっていたうちの1つに、バッテリー時間を長持ちさせるためにGPS精度をより簡単に変更できるようにしたい、という要望があったんです。
それがスパルタンのモデルから簡単に変更できるようになりました。スタートする前にGPSの接続時間をその場で変更することができます。今まではGPSの接続時間を変更する為には、パソコンに接続して、設定画面に入って変更するしか手段がなかったんです。
走る距離が短ければ、精度を上げて細かく計測することができるし、長い距離であれば、精度を下げたいなどの対応が柔軟になりました。方法はスタートする前に、オプションという画面があるのでそこから中に入っていくと、GPS精度という設定メニューが現れるので、そこから「最高」→「良い」→「OK」という順番で精度が落ちていくんですが、変更ができます。
タッチパネルで操作ができるスパルタンスポーツは、トレーナーに比べるとバッテリー持続時間は短くなるのですが、最高の精度でスパルタンスポーツが8時間、トレーナーが10時間です。
精度についての違いですが、スパルタンスポーツを例にとって説明すると、最高については1秒間隔でログを取得し、約8時間。良いは5~10秒間隔で、約16時間。OKが1分間隔で、約30時間バッテリーがもちます。
GPSのアンテナは2本内臓されていて、過去のモデルに比べるとより正確に、ログの取得が可能になりました。
これは知らない方が多いのですが、トレーニング中にもGPS精度が変更できるんです。更にトレーニング中は計測数値がフェイスに表示されているので、現在時刻や、バッテリー残量が見づらいのですが、これも簡単にチェックすることができるんです。
方法は、走っている最中にフェイスを軽くタッチするんです。そうするとスントのロゴの上部に現在時刻とバッテリー残量が表示されます。
バッテリー残量を表示させて、思った以上にバッテリーが少なくなっていたら、GPSの接続時間を変えればいいのですが、その方法は右側の真ん中のボタンを長押ししてオプションからGPS精度を変更するだけです。
スパルタントレーナーであれば、左上のボタンを長押しすることで、スパルタンスポーツと同じ変更が可能になっています。
Bluetoothでスマホと連携できるスマートウォッチスントスパルタン
スント専用アプリMovescountによって、パソコンをいちいち立ち上げなくとも、スマホとスントスパルタンさえあれば、Bluetoothによって、情報の連携が可能です。この手軽さは非常に魅力で、日常使いがしやすいです。
スマホに連携させることで、時計ではみることのできない、リッチでグラフィカルな情報を閲覧することができ、さらに過去のデータと照らし合わせて、パーソナル情報を知ることができます。
速度、心拍数、高度…と、ありとあらゆる情報から、自分が必要とするものだけをピックアップして閲覧することで、例えば、自分がどのタイミングでペースが上がったのか?もしくは下がったのか?をみることができ、その情報を時間軸、場所などと掛け合わせて確認できるので、googleマップ上のこの場所とか、スタートして30分後とか、10キロ地点とか、解りやすい視点でチェックできます。
僕は意義あるトレーニングを目指したいので、パーソナルな情報を蓄積して、短距離が得意とか、せいぜい15キロぐらいが集中できる距離とかを、例えば心拍数などをチェックして知るようにしています。
スマートウォッチスントから得たデータの解釈の仕方
心拍数から読み解く
例えば心拍数をみて、毎回50分あたりから上がりはじめているとします、そうするとこのタイミングで補給をとるようにしようと心掛けることができます。
エネルギー切れを起こす、その前に補給をとって未然に防ぐよう心掛けておくことで、レースであれば途中退場とか、練習中でも動けなくなって困るとか、そういったリスクを回避することができます。エネルギー切れって起こってしまうと、色々と身体のトラブルが起きると思うんです。
自分の心拍数があがるタイミングは知っているので、40~1時間の間には1回必ず補給はとるようにするとか、ルールを設けています。普段からスントの時計を使って、データを蓄積しておけば、後から見返すこともできるので、自分の身体の理解を深めることが出来ます。こういうのって、感覚に頼りがちなんですが、数値化して明確化することで、誤った情報を正すことも可能になってきます。
EPOCから読み解く
EPOCは身体の中の酸素量を計る為にチェックしています。ランをスタートしてゴールするまで、身体の中の酸素がどのように消費したかを教えてくれます。
例えば150mlの酸素を消費しているんだなということがわかれば、それだけ酸素を取り込み、回復を促す必要があります。数値の上がり方によって、今日の疲れをどのようにとるかを考えるきっかけになります。
休ませておかないと、身体がだるいままだったり、頭がくらくらして集中力がかけたり、その状態でランニングを再開してしまうと怪我の原因にもつながります。
休む時間は年齢にも影響するので、時計を最初に使用する際には、年齢を含んだパーソナルな情報を入力します。これによって、時計側にも表示されますが、回復時間はこれだけ必要という目安時間が表示されます。
ケイデンスから読み解く
ケイデンスというのは歩幅です。時計にカウンターが内臓されているので、腕を振ったタイミングで自分の歩幅を計測してくれます。これは時計を使い始める際に時計に入力した身長の情報も考慮して、歩幅を計測してくれます。
例えばトレーニングでロードランニングを走っているとして、歩幅がばらばらだと身体は疲れやすくなります。いわゆる疲れやすい走り方をしているか、否かをチェックすることができます。10キロを走っていて5キロ地点で歩幅がブレはじめたら、5キロからは疲れやすい走り方をしている可能性があり、それによって、回復時間も遅くなれば、怪我の原因にもなります。
こういう情報をチェックすることで、意味あるトレーニング=集中できる走りを心掛けることができ、自分が集中できる時間はどれくらいで、それはおおよそ何キロぐらいなのか?を知ることができます。これを繰り返し、少しづつ距離を伸ばしていく事で、強い身体が形成されると考えています。
トレーニングにおいては、1か月どれくらい走るとか、そういったノルマは設けないようにしています。ノルマがあると走らなくちゃいけないという気持ちになるのが怖いと感じています。走らなくちゃいけないという考えで走ると、身体を壊さないかな?って考えちゃうので、あまり決めないようにしています。
なので、走りたいときに走って、最終的にこれだけ今月は走ることが出来たんだな、っていう程度にしています。
ランニング中のスマートウォッチスントの使い方
ランニング中は心拍をチェックするようにしています。車と一緒で、エンジンの回転数が早いとガソリンの消耗が早いのと同じで、人間も心拍数が早ければ、エネルギーの消耗が早くなってしまいます。だから消耗をある程度抑えて走ることを心掛けることで、エネルギー消耗の防止、怪我や故障の防止につながると思います。
この心拍の上がり、下がりは数値をみて判断しなくとも、非常に解りやすいメーターがあって、心拍が上がると赤レンジ、下がると青レンジというように、瞬時に状況を把握しやすい作りとなっています。赤ければペースを1つ落として様子を見て、消耗に気をつければ、長い時間楽しくランニングができます。
トレーニングの場合は心拍を上げて走ることで鍛えるという側面もあると思いますが、そういうときにもメーターのようなインターフェースで視認できるのは使いやすいです。
スマートウォッチスントで理解できた僕の情報
高尾山、筑波山、地元の千葉にある里山と、行く山は、好きな山は色々あります。いづでも人通りが少なく、登山客の皆さんに迷惑がかからないように心掛けています。人が少ない山でも、凄く眺めが良いポイントがあったりと、そういう出会いを楽しんでいて、1日で楽しむ距離は12~3キロほどです。
長い距離を走ると、それだけ負担がかかって、回復をするのにそれだけ時間を要します。長い距離を走るということを目的にせず、集中してランニングをするという事を目的にすると僕の場合は、10キロちょっとがベストです。
集中が欠けてランニングを続けていると、足の負担が大きくなったり、それによって疲れの溜まり方が偏って、その蓄積によって故障につながるので、集中してランニングができる距離や時間やタイミングなどを知ることは大事で、僕はそれをスントによって収集しました。
スントのデータをみると、3~4時間ぐらいしか自分の体がもたないことを知ることができて、長距離より短距離のほうが僕の場合は楽しめるんだと心得ています。もちろん逆の方もいると思います。
スマートウォッチスントが故障?と思ったら試して欲しいこと
スントスパルタンのトレーナー、スポーツは冒頭にも挙げたように、ボタン操作、タッチスクリーン操作という違いがあります。これを使い続けているとスマホと同じで、時々画面が固まってしまうことがあるんです。もしくは非常に鈍かったりして故障した!と感じられるような症状がでることがあります。
その場合に、一度電源をきって、その後起動すると直ることがあります。時計の修理を出して、確認してみたら再起動するだけで直ったっていう事例もあるので、一度おかしいと感じたら再起動を試してください。
この時計は電源を切るという状態は、イコール、バッテリーがなくなるということなので、電源を落とすというのではなく、再起動をするという手段になります。
いづれの時計も右上のボタンを15~20秒押し続けます。そうしてボタンを話すと、一回電源が切れて画面が真っ黒になります。その後、ちょっと時間が経つと、画面が表示されます。これで使ってみると直ることがあるので、覚えておくとよいと思います。