バックパックに何を求めるか?人によってその思いは様々だと思います。僕が山の中へ共にするバックパックに求めるものは、背負っている最中の快適性、背負い心地の良さ、そして苦楽を長く共にできる『使い続けられる道具』であるということです。
僕が今年の山用に選んだバックパックはドイターのフューチュラプロ。今年大きくモデルチェンジがなされた、この素晴らしいバックパックの秘密を紹介します。
ドイターのバックパック-フューチュラの快適性
『登山は大変・登山は疲れる』そんな印象をもつ人は少なくないと思います。それでも登山が好きなのは頂上に着いたときの達成感という言葉をよく耳にします。
僕にとっての登山は、頂上への道中も楽しみの1つで、だからこそ快適性は重視し、それを叶えてくれるバックパックの存在は大きいです。
『快適性』
汗っかきな僕はバックパックを度々地面におろしては、背中にたまった汗を乾かすために、Tシャツをパタパタと涼しい風を取り入れていました。そして山仲間に教えられたのです。
『ザックを一度おろしてしまうと、改めて背負う際に重さを感じて辛さが増すよ』
その時、彼が背負っていたザックがドイターのバックパック。僕はそこではじめて、ドイターのバックパックの特徴を知ったのです。
ドイターのフューチュラプロの快適性能を語るよりも、ドイターというブランドが何を最も大事にしているかをお話する方が、皆さんにその良さが伝わるのではと思います。
ドイターは世界で初めてエアコンフォートという背面通気システムを開発したメーカーであることを知っている人は少ないと思います。簡単に言うとバックパックの背面が背中に接しない構造であり、さらにザックの重量が身体から離れても、背負い心地の良さは損なわない作りになっていて、ザックの細かな点を見ていくと、熟練された技術が用いられていることがわかります。
ドイターのバックパック『フューチュラ』は、この背面システムを、今までのモデルから更に改善を重ねて、より快適に山歩きを楽しめるようになりました。
まずはメッシュパネルですが、新モデルでは網目を大きくして通気性を高めています。さらにメッシュパネルに特殊なコーティングを施し、なんと汗が染みこまない。だからメッシュパネルがびちょびちょにならずに、ずっと快適な状態を保ってくれます。コーティング技術はアドバンテージがあり、以前から継続されています。
ドイターのバックパック-フューチュラの背負い心地の良さ
バックパックの荷重は腰と肩に分担されますが、僕は腰荷重がしっかりできるバックパックを選んでます。肩が痛いと上半身が前屈みになってしまって、結果足の筋肉に頼って登山をすることになり、体力消耗が激しくなると感じています。
ドイターのバックパック-フューチュラは、腰荷重がとにかく素晴らしく、肩が痛くなるようなことが格段に減りました。ヒップフィンの作りをみると大きく3つの特徴が見いだせるんですが、その1つ目として挙げられるのは、複数パッドを一体化させたワンピース構造です。このヒップフィンは、腰骨を上から包むようにおさえて、行動中にバックパックのずれを防いでくれます。
2つ目は、ヒップフィンの付け根が内部でつながり、体の動きに追従してフレキシブルに動いてくれるところです。この付け根の部分が背面の中央寄りに配置されているので、立体的に腰を包みこんでくれるんです。
3つ目は、荷重を支える部分に少し多めのパッドを配していることで、全体の重量を抑えつつ効果的に、腰荷重の機能を高めてくれているという点です。
ここまでヒップフィン部分の特徴を紹介してきましたが、新型のフューチュラではショルダーストラップの取り付けにも変化が見られました。新型フューチュラではバックパックのボディーにショルダーストラップが直結しています。これにより、ザックの重量が増えても安定感が損なわれず、登山中の体の動きにも追従してくれます。
ドイターのバックパックを使い続けたくなる機能美
ドイターがバックパックを作り続けて120年という歴史が流れているわけですが、細かな点を見ていくと、登山好きの目線で考えられている特徴が多くあります。僕はワンデイハイク、山小屋泊、ウルトラライトな装備で縦走を楽しむときのバックパックとして、ドイターのフューチュラプロ36をセレクトします。装備類が日進月歩でコンパクト化されていく中、30~40リッターのバックパックの出番が益々多くなってきたと感じています。
ドイターフューチュラシリーズには、小さいサイズ、大きなサイズのバックパックも展開があり、これから説明するのは中間のサイズ域のバックパックに備わった特徴となっています。
メインコンパーメントは上部の雨蓋を空けてアクセスし、2気室によって装備を分けることもできれば、ジッパー開閉式で1気室にして使う事もできるようになっています。
ヒップフィンの両サイドにはちょっと大きめのポケットが備わっているので、カメラやスマホ、行動食などすぐに取り出したいものを入れておけます。
フロントパネルにはメッシュのポケットがあるので、タオルや地図、ウィンドブレーカーなど取り出す回数が多いアイテムを忍ばせておけます。
バックパックの底部にはレインカバーが内蔵されています。バックパックとつながっているので無くす心配もなければ、バックパックが濡れないようにカバーを施す時間が大幅に軽減されます。
サイドのメッシュポケットには1リットルのナルゲンボトルがぴったりと収まる大きさで、これが500ミリリットルのペットボトルになってもフィットして落ちないようにストレッチ性の素材が採用されています。
雨蓋のポケットは小さなものでも出し入れしやすい奥行のポケットが備わっています。財布やヘッドライトなどの小物を入れておくのに適しています。
ドイターのバックパックの素晴らしさ、フューチュラプロの特徴を紹介してきましたが、一度背負ったらその良さを実感できると思います。