様々なアクティビティで試してみたくなるテントはMSRのハバツアー。今までのテントにあるようでなかった特徴ある作りで、テント泊登山からファストハイク、バイクパッキング、カヌーやカヤックでの水辺の旅から、渓流での野営など様々なアクティビティでテント生活を楽しめるギミックが盛り沢山です。今回はそんなMSRのハバツアーの魅力を紹介します。
●MSRハバツアーの特徴
MSRのハバツアーはヨーロッパのみで展開予定だったツーリングテントで、それが本国での求める声もありレギュラー展開された背景があります。ヨーロッパではバイクパッキングが盛んで、MSRハバツアーは、そんなバイクパッカー向けに喜ばれる機能を盛り込んだテントといえます。
何よりもの特徴は、その前室の広さでしょう。ハバツアー1という一人用モデルにおいてのインナーのフロア面積が1.95m²に対して、前室面積が2.32m²というから、その広さは想像つくと思います。前室前方にはフロアが張られているので、この上にサドルバッグやヘルメットなどの装備品を置けば雨などが降っても泥で汚れる心配がありません。
この前室の広さを登山で活用すると、とにかくテント内の生活が非常に快適になります。バックパックや登山靴、様々な道具を前室のフロアに置いておけるし、テント場で雨風が強くなってしまっても、仲間数人と前室を使って小宴会を楽しめます。
また1人用テントでありながら、もう1人が前室を使って泊まることもできます。2人でテントの中に居るんだけど、別フロアで泊まっているような状態を体験できるのは、登山用テントとしては初なんじゃないでしょうか?
●MSRハバツアーをシェルターとして使ってみる
内部を覗いてみると、インナーテントはMSRには珍しい吊り下げ式となっています。このアウターのフライに連結されたフックを外して使えば広いシェルターになります。
シェルターにすることで、全体の面積が広がり、3人が横になることも少し窮屈ですが、可能です。野営時には超軽量のテントを使っていましたが、MSRのハバツアーを使えば、仲間それぞれがテントを持参する必要なく、装備を分担して奥深い渓流に移動することができます。
これをファストパッキングとして考えれば、1人がポール、1人がアウターフライと分けて持ち歩くような山旅も楽しめます。
宿泊時はフロアレスになるので、雨が降らないことを前提に考える必要がありますが、ワクワクするような体験が出来そうで、色々な山旅プランを考えたくなります。
●MSRハバツアーの機能性
MSRのテントを使った人であれば、基本スペックはほぼ変わらないので、理解しやすいと思いますが、特徴的なところをあげると、フライに施された新しいコーティング技術が挙げられます。
“XTREME SHIELD™WATER PROOFCOATING”と呼ばれるコーティングは湿気や熱、高湿度条件に対して高い耐久性を持ち、通常のコーディングに比べ3倍長持ちします。テントの買い替え時が、加水分解によるベタつきとして考えるならば、長い時期使用ができ、コストパフォーマンスにも優れているといえるとおもいます。
インナーテント内部には就寝時に、時計やスマホ、ヘッドランプといった小物を入れておけるメッシュポケットが備わっており、「あれ?どこいった?」というストレスからも解放されます。
またテントの組み立てから、撤収までも非常にラクチンで、慣れてしまえば、ものの5分ほどで、組み立て、もしくは撤収が可能です。これは山の中では非常に重要なポイントだと思います。しかも吊り下げ式なので雨が降っていてもインナーを濡らすことなく設営ができます。
撤収した後のパッキングも容易で、本体を綺麗に畳まなくともスムーズに収納ができるので、手が悴んだ時などは助かります。
MSRハバツアーはこれからの僕の山旅の相棒として、想像力を掻き立てられるギアの1つとなりました。