バックカントリー3種の神器、まずはビーコンです。
僕が持っているビーコンはマムートのエレメントバリーボックスというものです。 世界的にマストな道具なんですが、日本でマストとされてから10年ぐらい経過したんですかね、それまでは持っていない人も沢山いました。

バックカントリーガイドをスタートして、今年で13シーズンやってるんですが、最初の頃は皆持っていなかったですね。ツアーの方々にはレンタルが多かったです。
なんでかというと値段が高いんです、これ1つで4万ぐらいなんです。当時で6万ぐらいだったかな。

ビーコンが広まるまでの経緯

ビーコンって使うか、使わないか解らない道具なんですね。実際のシチュエーションで僕は使ったことがないです。97年頃に買ったんですけど、実際に雪崩の事故現場に遭遇して、これを使って埋まってる人を探すシチュエーションに出会ったことがないので、買ったきり使ったことがないんですよね。練習はいくらでもしますけど。

だけどそういったものだから、実際に自分たちの仲間だったりが目の前で雪崩の事故におきてみないと必要性を感じないものの1つなのかもしれないですね。だから普及するまでにすごく時間がかかったんだと思います。

ビーコン普及の裏側

大きな節目として、2007年に青森の八甲田山で雪崩の事故がおきたんです。八甲田山って、日本全国でみても常駐型バックカントリーガイドっていうのが存在する山としては、一番古い部類に入ると思うんです。そこが雪崩事故を起こしてビーコンを付けてなかったという話になった時に、「まずいんじゃないか」という話になったんですね。

2007年ぐらいってバックカントリーガイドも全国的に増えた時期なんです。バックカントリーが雑誌の中でも見ることが多くなってきて。
タイミング的に「私をスキーに連れてって」といったスキーブームがあった80年代、そのころ一大ブームだった時の人たちが今だにスキーを続けてて、そういう人たちが30代に突入して、「スキー、スノーボードやってるけど、ゲレンデ飽きちゃったな」って感じて、こういう人たちがパウダーにどんどん移行していったんですね。それと同時にガイドも増えていって、需要と供給がどんどん膨らんでいったんです。バックカントリーブームみたいになったんですね。

雪崩事故とビーコン

その時期に、メジャーな山で雪崩事故が起きた。「これはつけなくちゃいけない」となった時に、皆がやっと意識し始めたという流れですね。雪崩ネットワークという日本の雪崩協会、そこが講習会を開いていて受講者が爆発的に増えて満員御礼が今も続いてますね。

今は日本も世界標準に近づけてます。世界標準ってどこで作ってるかというと、カナダやニュージランドの雪崩協会というのがあって、日本はそこの考え方を持ってきてますね。いづれにしても先進国とよばれている国では、ビーコンを持っている事はあたりまえなんです。それが日本ではなかなか入らなかった。沢山の犠牲者がいる中で普及につながり、10年ぐらいかかったんですね。

世界各国同じ流れがあると思うんです。パウダーを滑るって言うことが世界中で見直されてきて、それと同時にものが売れて、だから道具も進化し、もっとお手軽なものになっていく。ビーコンもどんどん開発費が出てきたんじゃないですかね。

進化するビーコン

マムート エレメント バリーボックス

一番最初はアナログで音の大きさを聞き分けながら、「近づいているのか、離れているのか」と考える必要があった為に、ものすごく練習が必要だったんです。今出ているものは、初めてビーコンを手にする人でも、その場で使いこなせるものまで進化してるんですよね。それらはデジタル化されて、モニター表示で矢印が出て「こっちですよ」って導いてくれます。そうして近づけば、「あと何メーターですよ」って出る。「あっ、ここだ」っていうところで、ゾンデ棒を刺してあげれば、そこに人が埋まっているかが解る。助けるスピードもアップしてきています。

ここまでビーコンが進化してきて「練習しなくても使えるんだ」っていう感覚に近づければ「じゃあ、持っておこう」という気にもなるんじゃないかと思いますし、ようやく機能もそういう次元になったと感じてます。

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