僕が知っている限りでもっとも軽量で、優れたパフォーマンスを発揮してくれるシュラフはシートゥサミットのスパークSp1です。
色々なものを削ぎ落とし過ぎて『寒くて眠れない』なんていうミスを起こさないように、保温機能を犠牲にせず、暖かい時期の山行を快適に過ごせる範囲で、最軽量のシュラフを検討していきついたのが、シートゥサミット スパークSp1です。
おすすめポイント
- スパークは軽量コンパクトを徹底追求しつつ保温性を高めたシリーズ
- 気候に適合しつつ最軽量という設計思想をしっかりと反映
- ファストハイクやアドベンチャーレースに適した軽量モデル
- 重量を最小限に抑え、ダウンの移動を抑える縫いつぶしタイプのバッフルを採用
- 軽量化のためハーフ長のジッパーとシングルスライダーを採用
商品概要
ブランド | シートゥーサミット |
商品名 | スパークSp1 |
商品説明 | スパークは軽量コンパクトを徹底追求しつつ保温性を高めたシリーズ。ウルトラライトなライナーとして、また軽さを生かして厳冬期のエクスペディション用として幅広く活躍します。たとえ使用シーンが大きく違っても「気候に適合しつつ最軽量」という設計思想をしっかりと反映します。 |
価格 | ¥32,890(税込) |
重量 | 350g(レギュラー) |
中綿 | 850+フィルパワー ウルトラドライプレミアムグースダウン |
温度域 | コンフォート温度=9度(摂氏) リミット温度=5度(摂氏) エクストリーム温度=-9度(摂氏) |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★★ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★★ |
重量対の保温力 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
スペック1:シュラフ重量
シートゥサミット スパークにはSp0、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4と5種類あって商品名にある数字が多くなるにつれダウン量が多くなり、保温性に優れたモデルとなります。
Sp1はシュラフ重量がレギュラーで350gで、ダウン重量は180gです。
スペック2:温度域について
シートゥサミットSP1の温度域は以下の記述があります。
- コンフォート温度=9度(摂氏)
- リミット温度=5度(摂氏)
- エクストリーム温度=-9度(摂氏)
上記は「EN13537」なので、ヨーロピアン・ノームでの記述です。EN(ヨーロピアンノーム)とは、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアンスタンダードとも呼ばれます。
スリーピングバックに関する温度表記についてはEN13537で算出が 定義されています。今までは各メーカーが独自の方法で算出されていた使用温度となっていましたが、これを同一基準で示したものがEN13537=ヨーロピアン・ノームです。検査は認定された第三者機関が 行う公平なもので、各メーカーの独自基準に基づく使用温度表示とは一線を画すものといえます。
その上でコンフォート・リミット・エクストリームをどのように解釈すべきか以下で確認できます。
コンフォート温度
一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域とされています。 一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいので約5°C程度高く使用温度を算出しています。
リミット温度
一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域とされます。これよりも低い温度は、リスクのある温度域となります。
エクストリーム温度
一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度域とされます。体は震えを起こすことで熱をつくりだそうとし、基礎代謝量が増えます。なお、この温度域で使用すると低体温症になる恐れがあり、非常に危険です。
温度の感じ方は人それぞれです。寒さには耐性があり、経験豊富な方は別として慣れない方や、寒さに不安がある方はコンフォート温度での使用にするべきだと思います。
シートゥーサミットのシュラフの比較記事は以下でチェックできますので、温度域の差をチェックしてみてください。
スペック3:コンパクト性能
収納サイズは1.5リットルほどで非常にコンパクトになります。これだけコンパクトになるので、軽量なテントと組み合わせれば、それこそ30リッターぐらいのザックで縦走も可能です。
大きさでいうとナルゲンボトル1リットルほどの大きさです。自宅で保管するときにストレージバッグに入れるのですが、自宅収納が大きいのがデメリットぐらいです。
スペック4:撥水ダウンの良さ
化繊は水濡れに強くタフに使えますが、シートゥサミット スパーク1は撥水ダウンを使用しているので、化繊のように使用することができます。またメンテナンスも容易で、非常に扱いやすい点も魅力となっています。
化繊とダウンを比較すると、少し昔の化繊はロフトダウンして少しづつロフトが減っていくというデメリットがあり、そういう意味で、化繊のメリットとダウンのメリットをしっかりと踏襲した良さが、シートゥサミットのスパークシリーズにはあります。上手にメンテナンスをし続けることで、保温力が落ちることがありません。
中綿には850+フィルパワーのダウンを使用しているので、180グラムというダウン重量にしては膨らみが素晴らしく、この軽さにして、この暖かさ!という驚きを感じます。
寒い時の使い方
ファストハイクになると移動距離も長くなるし、ある程度の期間は山の中に籠ることになるので、心配なのが雨です。雨に弱いダウンは何かと心配なので化繊ものが理想なのですが、シートゥサミット スパークSp1のシュラフはウルトラドライダウンを使用しているので、雨にも強いです。
夏の北アルプスのテント泊をしたとき、寒冷な日で、夜中5度ぐらいになるときがありますが、非常に快適に就寝できました。体に沿ったマミー型なので、余計な空間がなく、保温性が高い印象です。
春や秋の寒い時期には、ダウンジャケットとダウンパンツを履いてシュラフに潜り込んだり、コクーンのマミーライナーを体にまとった状態でシュラフに潜り込んだりと、追加の装備を使用すれば、寒い時期でも使用する事ができます。