短期の雪山登山やバックカントリースキーを想定した4シーズン用テントとして、軽量性と移住性のバランスが素晴らしいMSRのテントアクセス2を紹介します。
おすすめポイント
- 居住性を高めていると同時に積雪にも絶えうるデザイン
- 外気の侵入を防いだメッシュの量
- 両サイドに入口と前室があり2人用に使いやすいつくり
- 入り口横のテントポールがあることで、壁が垂直に立ち上がり、テント内の空間が広い
商品概要
ブランド | MSR |
商品名 | アクセス2 |
商品説明 | 短期の雪山登山やバックカントリースキー/スノーボードでの使用を想定した、軽量なオールシーズンモデルです。ポールは弾力性が高く、破損のトラブルを大幅に軽減したイーストン社のサイクロンポール。メインポールと交差する台形型のポールによって、十分な居住スペースと強風や積雪に耐える高い剛性を確保しています。 |
価格 | ¥85,000(税別) |
定員 | 2 |
ドアの数 | 2 |
最小重量 (フライ/本体/ポール) | 1640g |
総重量 | 1860g |
フロア面積 | 2.69m² |
前室面積 | 1.62m² |
室内最大高 | 107cm |
収納サイズ | 46×15cm |
自立 | ◯ |
ガイコードポイント | 10 |
フライ材質 | 20D リップストップナイロン 耐水圧1,200mm エクストリームシールドポリウレタン&シリコンコーティング |
ポール材質 | イーストンサイクロン |
キャノピー材質 | 20D リップストップナイロン、10D ポリエステルマイクロメッシュ |
フロア材質 | 30D リップストップナイロン 耐水圧3,000mm エクストリームシールドポリウレタン&DWR コーティング |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★☆☆ |
コンパクト性 | ★★★☆☆ |
設営・撤収時間 | ★★★☆☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
4シーズン用のテントの安心感
冬場の寒さを想定した作りのテントというと、外気温から身を守るというイメージが強いと思うのですが、それ以外に、強風や降雪にも耐える耐久性の高さが、なんといっても魅力的です。
僕は北アルプスや南アルプス、はたまた八ヶ岳などの森林限界以上のテント場で寝泊まりする事が好きで、年中出かけるのですが、想定していなかった強風に見舞われたり、横殴りの豪雨に見舞われることは多くあります。そんな時に軽量に重きをおいたテントだと、『吹き飛ばされるんじゃないか?』と心配で寝るに寝れなかったこともしばしばあります。
MSRのアクセス2を使うようになって、その安心感は素晴らしいものがあります。先日蝶ヶ岳のテント場で夕方から物凄い風が吹いて、周りの人たちがテントのガイラインを調整しなおしたりと結構あたふたしているなか、僕のMSRのアクセス2はド~ンと構えてビクともしませんでした。
冬になれば、冬期登山からバックカントリースキー、スノーボードのベースキャンプなどでも使え、この安心感を1年中を通して体感できるのは、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
4シーズン用テントと3シーズン用テントの大きな違いとしては、インナーテントのメッシュ部分の面積の違い、フライシートでインナーテントをしっかりとカバーする作りの違いなどによって、外気の侵入を防いだ作りとなっているのが特徴です。
そうするとどうしても重量が嵩んで、1人用のテントでも2キロ台のテントというのが通常ですが、MSRのアクセス2は2人用テントにも関わらず総重量が1,860グラムと、驚異的な軽さを誇ります。寒い事が予想される登山では、防寒着やシュラフなどによって重量が嵩みがちで、更にテントの重さも悩みの1つでしたが、この軽さによって1年中快適な登山を楽しむ事ができます。
2人用のテントなので、数人で登山をする時に同じテントで寝泊まりをして、装備を分担すれば更に装備重量を軽く抑える事もできます。
MSRアクセス2の軽さの秘密
従来の4シーズンテントは厳冬期の強風と降雪に対しフレーム構造で対抗しました。
このアクセス2はフレームの粘りと耐久性を高くし、構造をシンプルにしたために3シーズンテント並みの重量に抑えることができたようです。
MSRアクセス2に採用されているサイクロンポールを詳しく調べてみると、カーボンに近い素材のようですが、カーボンよりかは多少重みがある分、粘りがあって耐久性が高いようです。強風にテントが晒されても、この粘りによって程よく風を逃がしているだと思います。
またアルミのような曲がり癖が付かないので、ポールを組み立てるとき、撤収するときにもストレスフリーで、長く愛用し続けられる良さがあります。
このサイクロンポールが開発されたことで、MSRは久しぶりに4シーズンテントをリリースすることができたという事で、ポールの存在意義と、MSRのこだわりを感じます。
このイーストン社のサイクロンポールを2本使ったMSRアクセス2の移住空間を次に紹介します。
MSRアクセス2の移住空間の良さ
設営方法は非常に簡単で、インナーテントを設営場所に広げて4角をペグ打ちして固定します。
メインポールを組み立てて、インナーテントの4隅にあるリングにポールの末端を差し込みます。中心にもコの字型のポールを差し込みます。
上記の撮影時はコの字型のポールがメインポールの上にきてしまっていますが、メインポールを4角に付けたあと、インナーテントを吊り下げ、本体中央のメインポールとインナーの間にコの字型のポールを通して設営を行います。これは メインポールが両Y字でセンターが1本で支えているので、コの字が柱替わりとなり、積雪など上から掛かる力を支える為のようです。
次にインナーテントに付いているフックをポールに引っ掛けていきます。この時点で驚くのは中心にあるコの字型のポールによるインナーテントの立ち方で、これを採用していることで入口の壁が垂直になっているのがわかります。居住性を高めていると同時に積雪にも絶えうるデザインとなっているんです。
最後にフライシートを上からバサッとかけて、同じくポールの末端にフライシートのリングをかけて完成です。最後に風に煽られて飛ばされないように、ガイラインを使って、テントに張りを持たせます。
コの字型のポールによって移住性を高めた作りは、外側の見た目よりも中に入ると非常に広く、はじめてテントの中に入ると驚くと思います。
胡坐をかいて座っても頭が当たらず、快適に過ごせます。外が寒くて、テント内で食事をとったりするようなシチュエーションには最高です。
また上の写真のように、入り口横のテントポールがあることで、壁が垂直に立ち上がっています。これによって冬、テント内で過ごしても(凍った)結露が衣類につきづらく、気を使う必要が少ないのも魅力的です。
更に素晴らしいのが両サイドに入口と前室があるところです。2人でテントの中で過ごしていても、前室を使って、それぞれで煮炊きが出来たり、トイレでの出入りや外の状況を確認したいときなどにも、相手に気を使う事なく、自分のペースで時間を過ごすことができます。
僕は星を見る事がすきなので、夜中にテントから顔をだして夜空を見上げるのが1つの楽しみなのですが、そういう時にはマイペースに、この時間を楽しめます。
また夏場には出入り口を開いたままにして寝転んでいると非常に気持ちがいいです。両方の出入り口を解放すれば、涼しい風がテント内を吹き抜けて快適です。
常に革新的なテクノロジーで開発を続け、拘りあるアイテムを発表し続けるMSR。このアクセス2をインプレッションするにあたり、ブランドの名前「Mountain Safety Research」が示すとおり、使うシチュエーションと人間をとことんリサーチし弛まぬ努力を続けていることをまざまざと感じさせられました。