季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、月観察のコツや便利なグッズ、観察用機材など、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介しています。
月観察のポイント
見える時刻や方角を確認する
「月は毎日見えている」と思っている方もいるかもしれませんが、見やすい時刻に見やすい高さにあることは、実はそんなに多くありません。 事前に何時ごろどの方角に見えるか確かめておきましょう。
おおざっぱに言うと、
- 三日月(新月の数日後)は、夕方の西の空
- 上弦の月(半月)は、夕方~深夜に南から南西の空
- 満月は夕方に東の空、深夜に空の高いところ、明け方に西の空
- 下弦の月(半月)は、深夜~明け方に南東から南の空
となります。
さまざまな機材で楽しむ
月は肉眼でもよく見える天体なので、とくに機材が必要というわけではありません。しかし双眼鏡や天体望遠鏡があれば、楽しみ方が広がります。
- 肉眼では、地上の風景との取り合わせや、惑星や星との接近を楽しむのがよいでしょう
- 双眼鏡は、月の模様を観察したり、惑星や星との接近(とくに距離が近いもの)を観察したりするのに適しています
- 天体望遠鏡は、クレーターなどの地形を観察するのに適しています
倍率によって見える範囲が異なるので、さまざまな見え方を楽しめます
とくに、天体望遠鏡でクレーターを観察するときには、満月のときよりも月が欠けているときのほうが適しています。欠け際のところには太陽の光が横から当たっているので、クレーターが立体的に見えるからです。
逆に満月に近いときには、大きなクレーターから四方にのびる光条(レイ)や、月の海の部分(暗いところ)が見やすくなります。
星を見るときに月明かりはないほうがうれしいものですが、月そのものも魅力的な天体です。
- 三日月と金星の接近を見てリラックス
- 満月の光を浴びてリフレッシュ
- 月面地図を片手にクレーター探検
など、自分なりの月の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。
星空観察グッズのポイント
星空観察をする際、ただ気軽に夜空を眺めるだけなら特別なグッズは不要ですが、少し本格的に観察するなら、さまざまなグッズがあると便利です。
防寒着
春や秋など、日中は暖かい時季でも、夜になると気温はぐっと下がります。夏でも高原などで星空観察をする場合は、涼しいというよりは肌寒さを感じるほどの気温になることもあります。風があれば、さらに寒く感じられます。防寒対策は「念には念を入れて」行いましょう。重ね着をする(上下とも、靴下も)、マフラーや手袋などで肌の露出を抑えるといったことを心がけましょう。どうせ暗いのですから見た目など気にせず、しっかりと着てください。携帯カイロもあると役立ちます。
明かり
星空を眺めるときには、なるべく月明かりや人工の光の影響を受けないようにすることが大切ですが、一方で何も明かりがないと、物を探したり星図を参照したり、緊急時に安全を確保したりするのに困ってしまいます。小型のペンライトなど、何か明かりを用意しておきましょう。携帯電話の画面を明かりとして使うこともできます。
まぶしすぎると目がくらんでしまいますので、ハンカチなどで覆って減光するとよいでしょう。赤い光は目に優しい(暗さに慣れた目に影響を与えにくい)ので、できれば赤い布やセロハン、真っ赤な待受画面などを用意しておくとよいのですが、そこまでしなくても、光の量を落とすだけでもかなり違います。「観察中は暗く、片付けや緊急時には明るく」できるのが理想です。
筆記用具
観察した天体の感想や簡単なスケッチを残すのに、筆記用具を用意しておきましょう。見慣れた星空や天体も、空の透明度や使う機材、自分の体調や気持ちによって見え方が大きく変わります。その記録を残しておくのは「単純に空を眺める」以上の楽しみをもたらしてくれるはずです。
また、火球(ひじょうに明るい流れ星)などの突発現象が起きたとき、データをとるのにも便利です。こういった記録は時として、学術的にも価値の高いものになることがあります。
星図、データなど
ニコン星空案内では見どころの天文現象やオススメの天体を紹介していますが、「もっと暗い星や月のクレーターの名前を知りたい」「最近発見された新天体の情報を得たい」などさらに先へ進みたい場合には、星座早見盤や星図、科学雑誌やウェブサイト、各種電子ツールやソフトウェアなど、星空に関するさまざまな情報源やデータがあります。これらの情報源を活用してください。「知識の宇宙を探索する」のも、面白いものですよ。
その他
方位を知るためのコンパス、エネルギーを補給するための夜食、楽な体勢で観察するための折りたたみ椅子やグラウンドシートなどなど、他にも便利なグッズがあります。より快適に、より面白く星空観察を楽しむために、機材や観察場所だけでなくこういったグッズにも気を配ってみてはいかがでしょうか。
詳細はEnjoyニコン星空案内で
提供元:ニコンイメージングジャパン、AstroArts