作り手が楽しんだ作品というものは、使い手を楽しませてくれる。感動は伝播し、話題にのぼる。僕がこいつと出会ったのも、登山仲間との、とある飲みの席で話題にのぼったのが最初。そのときは確か「登山を始めた頃から今までずっと使いつづけている山道具って何?」というような話題だった。僕はペツルのイーライトって答えたと思う。僕以外の2人の仲間はウィルドゥ フォールダーカップと答えた。それが僕とこいつとの出会いの始まり。
ウィルドゥとは
Wild Outdoorからその名がとられた機能的カトラリーブランド。1979年にキャンパーたちの道具をより軽量で機能的かつ優れたデザインのものにしたいと考え、スウェーデン軍のキャプテンであったJan Andersson氏とビジョンを共有し商品開発がスタート。スウェーデンの過酷な気象条件でも使用でき、環境負荷を抑えつつも高いクオリティを確保するために地元スウェーデンののBorasに工場を設立し、最初の製品としてコンパクトに折りたたむことができる樹脂製カップ、”フォールダー カップ”を誕生させた。以来、長年の経験と革新的なアイディアを組み合わせて商品開発と製造を続けているスウェーデンのブランド。
ウィルドゥ フォールダーカップはウィルドゥが誕生するきっかけなった製品で、35年以上前の開発当初から今も変わらないデザインで世界中に愛されている折り畳み式カップだ。
おすすめポイント
- コンパクトになり、スタッキングができて持ち歩きやすい
- 取っ手があり耐熱温度125度の暑い飲み物も扱える
- サイズはビッグがあり、今回紹介するのはスモールサイズ
- メスティンなどのクッカーに綺麗に収まる
商品概要
ブランド | ウィルドゥ |
商品名 | フォールダーカップ |
商品説明 | カップに内側のツマミ部分を引き上げると、折りたたまれていたカップの縁が立ち上がります |
価格 | ¥660(税込) |
本体重量 | 25g |
容量 | 225ml(満タン) |
サイズ | 9.4cm×7.2cm×2.9cm(折り畳み時) |
素材 | TPE(BPAフリー) |
耐熱温度 | 100℃ |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★★ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★★ |
コンパクト性 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
ウィルドゥ フォールダーカップの賢さ
登山を始めた頃は、教科書通りに装備を集め、教科書通りのスタイルで登山を楽しんだ。日を重ねるにつれて、不必要なものは去り、オーバースペックと思われるものは、より削ぎ落とされ、軽量化されコンパクトになった。
このプロセスは僕の登山仲間みんなに共通したもので、捨てられずに残った道具や、買い換えられずに使い続けられている道具は、それなりに語れるよさがあり、ウィルドゥ フォールダーカップもその仲間だった。
ウィルドゥ フォールダーカップの魅力。一言で話すのならば一石二鳥で、とにかく軽くコンパクトというところだろうか。能ある鷹は爪を隠すというが、まさしくそんな言葉が相応しい、見た目とは裏腹に、多機能に使える山道具なのである。
一石二鳥が「あったら良いね」のレベルではなく「あると大変助かる」というレベルのものだから、さらにウィルドゥ フォールダーカップの価値を向上させているのだろう。
その1つはカップとしての機能。畳まれた状態からパカっと耐熱温度は125度というカップに早変わりする。容量は200CCで28グラムという軽さ。粉末スープによく持ち歩くクノールのカップスープや、じっくりコトコトシリーズのスープなど一人前150CCで一袋という商品たちとの愛称は抜群だ。
もう1つは計量カップとして使えるところ。カップは真ん中で折りたためるようになっているので、半分で100CCということになる。尾西のアルファ米で220〜250CCが必要。米1合が180CCで、この米を炊くのに必要な水の量は200CC(無洗米や、洗い米によって若干異なる)。こういう情報を知っているだけで、食事の準備は格段に早くなる。そしてウィルドゥ フォールダーカップが目分量から救ってくれ、結果美味しい食事にありつける。
ウィルドゥ フォールダーカップを自宅の晩酌時間に使うと、何故か山の中でお酒を楽しんでいるような錯覚に陥る。出来過ぎた言葉かもしれないけど、これからもきっとウィルドゥ フォールダーカップとたくさんの思い出をつくっていくのだろう。