どのブランドにも名品と呼ばれるものが存在する。それはまるで、「人間、誰にも負けない良いところが必ず1つはある。」という考えと同じようでおもしろい。
パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトは僕にとって絶対手放せない名品という冠をかぶり、堂々とクローゼットの定位置に置かれている。そうは言っても、晩秋から初春にかけて活用回数は増し、洗っては着ての繰り返しの為、クローゼットに置かれる事すら少ないというのが実情だ。そんなパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトと僕の付き合い方を紹介したいと思う。
おすすめポイント
- 保温と透湿性のバランスに長けてる
- バラクラバのようにフードを使える
- ジッパーを全開にすることで、涼しい風を取り込むことができる
- 小さくたためてコンパクトに持ち歩ける
商品概要
ブランド | パタゴニア |
商品名 | キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック・フーディ |
商品説明 | 寒冷な状況で保温性と通気性を提供するロフトのあるベースレイヤー |
価格 | ¥ 15,950(税込) |
重量 | 218g |
素材 | ポーラテック・パワー・グリッド |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★★ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★★ |
フィット感 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
登山で汗をかかないということ
パタゴニアのキャプリーンシリーズはベースレイヤーでカテゴライズされている。いわゆる肌に直接触れるアイテムなのだが、ここに気を使うのは山好きの鉄則だと考えている。
特に冬場はデリケートになる。体を暖かく保つだけならば考えはシンプルなのだけれど、汗をかくことを視野に入れると途端に考えが複雑になるのだ。
今でこそ「アウトドアフィールドでどれだけ汗をかかないように行動するかが非常に重要」と聞かされても「その通り!」と即答できるけど、登山を始めたばかりのころは、「それってどういう事?」とすっきりしなかった。
こんなシーンを想像して欲しい。登りはじめは身体は暖まっておらず寒い。だけど山を登っていると身体は暖かくなる。この時に汗をかいて稜線にでると、傾斜は緩やかになり途端に運動量が減る。周りに木々は少なく、冷たい風は容赦なく体を叩く。こんなシーンでベースレイヤーが汗で濡れていると、乾きと共に身体の熱も奪っていく。
想像するだけで汗ってアウトドアでは怖い存在であることがわかる。だからレイヤリングは大事って言われている。
パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトの機能美
前置きが長くなったけど、パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトは、とにかく汗をかかないことを最重要課題と考えて設計されたウェアなんじゃないか?と思えるほどに痒いところに手が届いた機能美が随所に施されている。
樹林帯を登っている最中に暑くなれば、腕をまくりジッパーを開ければ冷たい風が直接肌に触れる。休憩時にはジッパーを閉めて、親指にループをかければ風から身を守ってくれる。フードはバラクラバのように頭を丸ごと包み込んでくれるから、耳も首周りも暖かく保たれる。
そしてパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトの最大の特徴はポーラテックのパワーグリッドを採用しているところ。グリッド状の生地は凹凸があり、肌に密着する部分から汗を吸い取り、離れている部分から余分な熱を放出する。暖かいけど適度に涼しく、何度着用していても「不思議な機能」という気持ちは拭いきれない。
日常着ている肌着と似たような作りであれば想像は容易だ。でも上半身の半分ぐらいがジッパーで、フードがあって、裏地が凹凸の生地で作られたパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトは、着心地の想像が難しく、購入までに期間を要したのも事実だ。税込16,200円はベースレイヤーとして考えると非常に高価だ。でも、着てみて活用し続けている今はこう思う。
もう1枚色違いで所有しても損はしないなあ、と。