世界自然遺産への観光は富士山、知床についで3度目になる。海外では初となるミルフォード・サウンド。もし山を満喫するプランであれば、テアナウから船にのり、ミルフォードトラックの起点へと向かい、50キロほど歩いてトラック終点のサンドフライ・ポイントへ、そこからミルフォード・サウンドに渡る船に乗船し・・というミルフォードトラックを歩きながらが自然を満喫するプランがおすすめだろう。

世界自然遺産ミルフォード・サウンドへ

このプランは次、ニュージーランドへ旅する機会にとっておくとして、今回は車でミルフォード・サウンドへ向かい、Southern Discoveriesという船でミルフォード・サウンドを楽しむことにする。

本日はミルフォード・サウンドを午前中満喫して、そこからクイーンズタウンに戻り、更に先にあるギブストンという町で宿泊する。移動距離は360キロほど。

天気は朝からなんと雪。最初はパラパラだったが、ミルフォードサウンドに近づくに連れてドンドン降ってくる。「この車ってスタッドレス履いてない」と気づき、ミルフォードサウンドに到着できない不安が一同つのる。このまま雪が止まなければ、到着したところで、帰りが危ぶまれる。

朝早くの出発だったこともあり、前にも後ろにも車はなく「こんな天気の中、ミルフォードサウンドに向かう無謀な輩は、我々だけなんじゃないか」とさえ思えてきたのだった。

すると前方から車が、更に車が、そして雪から雨へと…。おお神様~と胸をなでおろす。

目の前は霧と雲とで景色が遮られていたが、徐々に視界が広がり、僕たちが今どのような世界の中に居るのかがわかるようになる。

聳える山は目の前にあり、樹林帯もなく、むき出しになった岩稜帯に貼りつく雪は、雄大な景色を彩っていた。そして、車が通れる道と山が非常に近くにあることで、感動は増した。

Homer Tunnelという一方通行のトンネルに差し掛かると、ミルフォードサウンドまでのカウントダウンがはじまる。ここからおおよそ20分程度という見積もりだ。

ミルフォードサウンドのクルーズ

ミルフォードサウンドには多くの車があり、この近くにある宿泊施設に泊まっている組だろう。パーキングに車を停めて、小雨の中、徒歩10分。目的のクルーズ会社の窓口へと向かう。

日本から事前にウェブ予約をしていたので車中、乗船の心配はなかった。更に窓口には日本人のスタッフの方が説明をしてくれたので、ありがたかった。

僕たちが乗船する船は小さく、滝に近づき自然を満喫できるというのがウリのクルーズ。ミルフォードサウンドを船で楽しんだ後は、水中展望台へもいける。結論から言うと、英語のヒアリングが出来れば水中展望台は面白いものだったのかもしれない。何を話しているのかわからないと、結構地味な水中展望台だと感じた。「でもわざわざ、ここまで来たのだから」と楽しめることは一通り経験しておきたい。

いざ乗船すると、冷たい風が肌を差す。ミルフォードサウンドはフィヨルド、いわゆる氷河による侵食作用によって形成された地形だ。サウンドは英語で入り江なのだけど、入り江は川の水の氾濫によってできた地形をさし、フィヨルドとは異なる。なのに「サウンド」と名づけられたのは、発見当時の人の地理・言葉の知識がなかったがためということだから、歴史というのは面白くもあり、皮肉でもある。

ミルフォードサウンドが織り成す景色

ミルフォード・サウンドは、1年の3分の2は雨が降るという。僕らが訪れたこの日も雨で、これによってカスケードと呼ばれる一時的な滝が形成されるという。至る所に滝が見え、この滝を求めて船は進む。

天気と自然形成の関係は面白い。ここミルフォードサウンドは、この雨の頻度によって崖の土壌がゆるみ、木々が上部から次々と倒れ落ちてくるという。これによっ岩肌がむき出しになり景色を彩っているのだ。だけど多雨で多くの鳥によって持ち込まれる種子などにより、森林の回復が世界の他地域よりも数倍早いと言われている。

船上では英語でミルフォードサウンドの紹介がされている。その殆どは解らないのだけれど、事前の下調べによって、単語を聞き取り、「あ~滝のことを話しているなあ」とかはわかった。

どうも雨天時には数千もの滝が見られるようなのだけど、僕たちが見れた滝は数本で、雨の弱さを感じる。快晴時には滝はほとんどなく、恒久的に見ることのできる滝は2本ということだから奥が深い。

生態系もミルフォードサウンドならではで、オットセイ・ペンギン・イルカのほか、クジラやシャチの目撃もあるようだ。僕たちはオットセイをみることができた。

日本ではきっと「危険」という言葉で片付けて、決して行わないような遊びを体験させてくれた。それは船首にグラスを置き滝の水をグラスに入れるというもの。その滝の水を皆に振舞ってくれる。

上から流れ落ちる滝は、風によって途中で霧になる。これを下から眺める体験が出来たのは面白かった。

船内では暖かなコーヒーや紅茶が飲め、軽食も購入できる。寒くなれば船内のボックス席でゆっくりと休憩も可能だ。

世界自然遺産というのは美しい景色だからではなく、自然がおりなす現象、そこから生まれる生態系。小さなルーティンと大きなルーティンが長い年月を経て今に至り、簡単に目で見て確かめることが出来ない事柄や自然が多くあるのだと改めて感じた。

岩山の内部には銅や金が埋まっており、これを求めて訪れる人も多かったという。こういった人々から自然を守るという考えもあっての世界自然遺産登録なのかもしれない。

ミルフォードサウンドまでの道のりで楽しめるスポット

こうして、ミルフォードサウンドを満喫した僕らは、天気も回復傾向だったので、帰り途中で楽しめるスポットに立ち寄ることに。The Chasm Viewing Bridge、Mirror Lakes、Eglinton Flats。

立ち寄るごとに天気は悪化し、ミラーレイクはミラーにはなっておらず、エリントンフラットは雨が強すぎてそそくさと写真撮影だけ済ませ先を急ぐような塩梅。

雨による雄大な滝は楽しかったのだけれど、晴れていれば、トレッキングなども楽しめるスポットが多くあり、消化不良で先を急ぐこととなった。

天気はその後も晴れることはなくギブストンまでの道のりも景色を楽しめるようなものではなかった。

次回はギブストンでワイナリー巡り、そしてテカポへと足を伸ばす。

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