初めての登山で一番悩んだのがベースレイヤーだった。悩んだらプロに聞こう!そう考えて、高校生の頃から好きで通っていた神保町のさかいやスポーツに訪れ、ショップ店員の方に相談をして、メリノウール素材のベースレイヤーを購入することに決めた。
ベースレイヤーにおおよそ1万円という金額を払うのに躊躇したことを覚えている。そして、相談の中で多くの知識を得て、メリノウールを購入して良かったと身にしみて思う場面が山の中で沢山あった。
スマートウールとは
メリノウールを使用したソックス・アンダーウェアを創業から一貫して届け続けるメリノカンパニー。それまでの「ウールといえばちくちくする」というイメージを覆した快適な着心地で、今や登山にはなくてはならないほどの存在感を放っています。ソックスにおいては豊富なカラーバリエーションも魅力です。
おすすめポイント
- スリムフィット=比較的細めのシルエット
- コアスパンテクノロジーにより31%耐久性が向上
- ラグランスリーブ=バックパックのベルトの当たる肩から縫い目を排除
- フラットロックシーム=縫い目の段差を最小限に
商品概要
ブランド | スマートウール |
商品名 | メリノ150ベースレイヤーショートスリーブ |
商品説明 | 薄手で3シーズンの着用に適したショートスリーブタイプのベースレイヤー。メリノウール特有のソフトな着心地に、ナイロンの耐久性をプラスしています。 |
価格 | ¥9,130(税込) |
重量 | 133g(Mサイズ) |
生地重量 | 150g/m2 |
素材 | ウール50%、ポリエステル35%、ヘンプ15% |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★☆ |
軽量性 | ★★★★☆ |
コンパクト性 | ★★★☆☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
メリノウールと化繊の違い
さかいやスポーツのウェア館にいたスタッフの方は、話しやすいおっとりとした性格で、登山をする人って優しいんだなあ~なんて合点して、2時間ほど束縛して沢山の質問を投げかけてしまった。登山の装備って奥が深い、知らないことが山ほどあると感じたのは、この時からだ。
彼は登山では一年中ベースレイヤーにメリノウールを取り入れるという。そのメリットは僕の感情を刺激する多くのことが詰め込まれていた。その中でも感動したのは、汗をかいても寒くなりづらいという点だろう。
化繊ウェアは乾きやすいというメリットがあるけれど、その分乾いていく過程で体の熱も一緒に奪っていくという。僕が行こうとしている山が八ヶ岳であることを話すと「稜線に出ると風が強く、運動量も減るのでメリノウールのほうが安心ですね」という事だった。
樹林帯が続き、更には運動量も変わらずの山行であれば、化繊のほうが快適なのかもしれない。
また「3泊4日の山小屋泊という山行ならば防臭効果も期待できますよ」という。山ではお風呂もなく、着替えも基本的には荷物になるので持っていかない。そうすると気になるのは匂い。メリノウールがもつ複雑な繊維の構造によって、着用中は匂い分子を中和し、後では洗濯によって完全に除去できるという。今では登山経験も重なり、登山中で出会う「臭い」というストレスは大分緩和されたけれど、はじめのうちは慣れるまでに時間がかかった。
そんなストレスを少しでも軽減してくれたのはメリノウールを着用していたからだったのかもしれない。
ベースレイヤーにロングスリーブを取り入れる理由
こうしてベースレイヤーにはメリノウールのウェア、という気持ちはほぼ固まった。しかし事はそんなに単純ではなかった。「Tシャツ、ロングスリーブだったらロングスリーブをおすすめします」という。都心の気温が30度前後の季節にロングスリーブは暑いでしょう?というのが素直な僕の気持ちだった。
しかし彼は言う「山の上は甘くない」と。
山の上では地上と異なり寒冷であり、強風であり、紫外線が強い。さらには強度な運動を強いられる。天気だってガラリと変わる。色々な状況を考えて装備を選ぶ中、ベースレイヤーがメリノウールでロングスリーブであることのメリットは大きいという。
大きな点は紫外線対策だという。メリノウールは他の繊維で作られた素材と比較しても、高いレベルで紫外線保護を安定して提供してくれるというのは、あまり知られていない。
そして紫外線を浴びることで身体に熱が生じ疲れやすくなる。また多くの水分を奪い取り、非常に危険な状態に陥る可能性が高いということも、あまり知られていない。
今ではテンカラを楽しむ身だが、広い渓では肌を露出しないほうが涼しくて快適だ。ブユや蜂に刺される心配も少ない。そんな多面的な考えができると、快適な登山を実行でき、心や身体に余裕ができて、リスク回避に繋がることも容易に想像できる。
スマートウールが好きな理由
1つのアイテムで信頼を得ると、きっと他のアイテムも素晴らしいのだろうと安心感をえる。スマートウールというブランドも、そんな出会い方だった。それはスマートウールのハイクミディアムクルーというソックスがあまりにも心地よい登山を与えてくれ、それからの僕はウールウェアはスマートウールを手にとることが多い。ちなみにアイスブレーカーの生地感とデザインも好きで、この2ブランドのメーカーでメリノウールアイテムを吟味することが多い。
スマートウール150という生地厚は、僕にとって程よく風を通してくれ、快適に3シーズンの登山を楽しませてくれる。行動量が多いファストハイクでは、スマートウール150の上に薄手のウインドブレーカーを羽織って行動するのが定番だ。
寒い時期の2,000メートルちょいの日帰り登山ではスマートウール150をベースレイヤーにして、アウターにフリースを着てハイクアップがちょうどいい。稜線に出たらハードシェルを羽織るというのが定番だ。
どのようなウェアを取り入れるかはパーソナルな考えに基づいているので安易ではない。暑がり、寒がり、汗っかき…自分がどんな身体の持ち主かを考えて、何を着用するのがベストかを考えるのが正解に近づける第一歩だと思う。
今ではオールシーズンで、スマートウールのTシャツもアーバンスタイルに取りいれている。