大学の2年生のときに手に入れた登山用の時計はプロトレックです。それまでは1,000円ぐらいの安価で時間だけわかるような時計をしていました。憧れも募って手に入れてからは約10年使い続けています。
僕の時計「プロトレック」の傷と思い出
見ての通り、傷だらけで、大学山岳部の際の様々な山行で雑に使ってしまった証です。(笑)今頃になって保護シールを貼っていますが、もちろん手遅れな状態です。
傷の主な原因はクライミングです。時計を大事にしている人は、ギアラックに時計を付けたり、細引きに時計をつけて首からぶら下げるような対策をとっていますが、若気の至りといえばよいのか、このような方法を気付いたときには傷が満載でした。
僕はフリークライミングというより、登山中のクライミングというのが好きで、楽しんでいます。クライミング中にズボンのベルトループに時計を括り付けておいて登るということが多く、そうするとクラックやチムニーなどで、時計を岩場にガリッとやってしまうような繰り返しで傷がついてしまいました。
時計をプロトレックにした理由
僕はずぼらな性格なので、登山では心配する要素を極力減らしたいのです。だから時計を選ぶときには、メンテナンスフリーであること、丈夫であること、最低限必要な機能が備わっていることを重視して、結果プロトレックを選びました。
メンテナンスフリーというのは、電池交換が必要でないことです。これはソーラー電池が搭載されていることなのですが、時計を選ぶ際の必須条件にしました。
登山をしている最中に電池がなくなるという可能性があるのは避けたいですね。そもそも山の中でギアの心配をしなくてはいけないというのは、登山道具としてはマイナスポイントだと思うのです。
丈夫であることは冒頭でお話したような使い方をしていても、このように今でも現役で使えていることからタフな時計といえると思います。何かの拍子に地面に落としてしまったこともあるし、時計に気を使わずに山の中で楽しく時間を過ごせるのは素晴らしいことだと思います。
時計に求める機能 天気の変化
必要な機能としてよく使うのは高度計と気圧とコンパスです。高度計でおおよその位置の確認、気圧で天気の確認、コンパスはプレートコンパスを忘れてしまったときにと、エマジェンシー的要素が濃い使い方です。
天気の変化は気圧の変化によっておおよその未来を予測できます。気圧の情報が勝手にプロトレックにたまっていきます。この気圧が右肩下がりで変化していると、顕著に天気が悪くなります。この気圧が右肩上がりに変化していると、悪天候が去っているのだなあと視認でき、これが見事にあたります。
学生の頃は、今とは違って沢山の自分の時間があって、1週間以上山に入ることもできました。そうすると天気が悪いと無理に移動せずに、その場で停滞して、天気の回復が見込まれたら翌日の移動に備えるというような判断がプロトレックを使って対応することができます。
学生OBになって考えている登山の位置づけ
今はOBとしてコーチという立場で指導目的のために学生たちと登山を行います。天気については知識を高めるためにも、天気図をとって情報を蓄えるようなことも行います。今では後輩に天気図をとらせて指導しています。
こういう学生との登山時間はとても大事な時間として捉えています。というのも、僕が学生だった頃にも、今の僕のように、教えてくれる先輩がいて、その教えによって僕に登山スキルが身につき、危険が必ず付きまとう登山において楽しい時間を今過ごせているのは有難いことだと感謝しています。その恩返しをしているような気持ちで一緒に後輩たちと登山ができるのは、楽しいひとときであり、貴重な経験だと考えています。
指導する立場でいると、必然的に登山仲間は増えていきます。未来一緒に山に登る仲間を教育しているような心持なので、大学生で山岳部に入部したことは良かったと感じています。
時計に求める機能 コンパス
コンパスはプレートコンパスを基本は持っていっています。だけど以前、冬の甲斐駒ケ岳に一人で登った際に、頂上についた時には既に日暮れ近くになってしまったときがあったのです。それに加えてプレートコンパスを忘れてしまって、プロトレックのコンパスを活用しました。
時計のコンパスだから見づらい、使いづらいということはなく、液晶画面が二層になっていて見やすい作りになっています。既に10年も愛用しつづけているプロトレックなので、使い方、見方が自分に染み付いているので、新しいものに買い換えようという気持ちが起きないのです。