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日本出国!ニュージーランドのロングトレイル「テアラロア」3,000㎞の大縦走が今始まる。

日本出国!ニュージーランドのロングトレイル「テアラロア」3,000㎞の大縦走が今始まる。

2.日本出国→Cape Reinga(ケープレインガ)編

エア・ニュージーランドを使った。最高だった。

こんにちわ。たかくら(@takakura3twi)です。

今回は、日本出国編。テアラロアのトレイルヘッドであるCape Reingaまでの行動記録です。

関西国際空港→ニュージーランドのAuckland(オークランド)国際空港→Cape Reingaまでどう行ったか。参考になりましたら幸いです。行程録は、Tipsをはさみながら、紀行文テイストでお届けします。

日本出国準備

とその前に。日本を出る前の準備について。

「日本を発って長期間帰らないゾ」と決めたとき、色々とやることがあります。私自身、なにをすべきかわからず、下調べに大きな時間がかかったのを覚えています。過去の日記を見返しますと、やったことは以下の通りです。参考になりましたら幸いです。

Tips 日本出国までにしたこと

  • 歯の健康確認 オヤシラズを全て抜いた
  • クレジットカードの勉強および作成 複数枚作った
  • 渡航書類の準備 ビザや残高証明を手に入れた
  • 諸書類のコピーおよびデータ化 紛失に備えて
  • スマートフォンの国内契約解除 渡航月末にOCNを解約
  • 住居の退去申請 家を退去した
  • 海外旅行保険への加入 ユニケアに加入
  • YHAカードの作成 mont-bell×YHAの提携がベスト
  • 国外転出届 住民票を抜いた
  • 国際免許証発行 門真までいかなければならないのが意味不明
  • 航空券の購入 片道を買った。¥78,590也。
  • 英語の勉強
  • 両親、兄はじめ親族と会う

歯のトラブルは絶対に避けられるように常にメンテナンスを。

ultra light tooth brush
ウルトラライト・トゥース・ブラシ。常に健康第一。誤飲に注意。旅に関わらず歯の健康はとても大事。携行性をあげることで、いつでもどこでもすばやく歯磨きに取り掛かることができる。

海外旅行保険は絶対ですし、国外転出届で住民票を抜き、「1月1日時点で日本に住んでいないという状況を作る」のも節税になると思われます。12月に南半球に飛べば季節は逆転、夏。旅の適期です。

ポイントは、いざ何か起きたときに、旅の資金が流出してしまわないように予防したということです。

さぁ準備が整ったら出国です。
ニュージーランドに入国する手立てはいくつかあるのですが、

ベストはシンプルに、Air New Zealandの直行便

これは、間違いないと思います。Air New Zealndは世界的にも有名な航空会社で、サービスクオリティの高さでも有名。ベストエアラインとして何度も選ばれており、世界No.1とも言われています。実際に乗ってみて、そのユーモア溢れる機内ビデオから様々なホスピタリティまで、確かに、完璧でした。機内食のアレルギーチェックもスムーズでした。(ぼくはピーナッツアレルギーでピーナッツ食べるとヤバい。)

繰り返します。Air New Zealandの直行便をおすすめします。直行便で11時間のフライトです。

〜Tips〜 Air New Zealandのメルマガ登録をしておきましょう。Air New Zealandのメルマガ登録をしておくと、航空便のセール情報がいち早く手に入ります。限られた席数になるので、ニュージーランドに興味のある方は登録しておくとすばやく動けます。時々プロモーションコードのお知らせもあります。コレを入力すると割引される、というものです。おすすめ。

ニュージーランド入国

※ここから当時の日記ベース

関西国際空港で見送りしてもらった後、一人になって急に不安になった。突然並ぶハイブランドの店。円も縁もなさすぎるのでそそくさと搭乗ゲートまで向かう。不安。

「いよいよかー。マジにニュージーランドに行くんだなー。」

自分で全て計画しておいて実感がそれまでわかなかったが、流石に飛行機に乗って、周りのお客さんも国際色豊かになってくるとリアルな感じが出てくる。エア・ニュージーランドのおもしろ機内ビデオを楽しみつつ離陸。『MEG ザ・モンスター』というサメ映画はじめジェイソン・ステイサム作品中心に充実の映画ラインナップを楽しんでいると案外あっという間に赤道を越え、ニュージーランドの近くまで来た。飛行機速。

国際線色溢れる機内食を食べていると日本のことが恋しくなり(もう?)なぜか納豆が食べたくなった。大阪の石橋駅近くの乾燥食材専門店で買ってあった「ドライ納豆」をポケットに入れていたので、ポリポリと食べる。飛行機がオークランドの上空を飛び始め、着陸の準備段階に入る。飛行時間11時間。“この11時間でこんなに足元乱れることある?”ってくらいモノが散乱してたのを片付けながら(ラッキーなことに隣に人がいなかったのだ)、納豆のことばかり考えていた。旨味の効いた出汁醤油と粘り気のある納豆が食べたいのと、このポケットに入っている「ドライ納豆」、入国審査官に尋問されたらなんて説明したらいいんだ、と不安が高まってきた頃が、ニュージーランド時間午前11時。着陸。

〜Tips〜ニュージーランドの持ち物検査はめちゃ厳しいので、飛行機の中で渡される入国審査カードには嘘偽りなく自己申告すること。なにか聞かれたら正直に答えること。もしも申告せずに持ち込み制限されているものがみつかったら400ドルの即時罰金が課される。カップ麺に入っている卵の加工品まで制限されているので、下調べは本当に大切です。

「マジに着いた。」

飛行機を降りる時、日本人のキャビンアテンダントさんがいらしたので、尋ねた。

「納豆って英語でなんていうんですか?」

「Fermented soy beansです。」

「(なんでこの子こんなこと聞くんだろう、このタイミングで。。?)」という表情をぼくは見逃さなかった、が気にならなかった。ドライ納豆をしこたまもっていたので、これを入国審査官に見つかったときなんと説明したらよいかわからなかったから、結構マジに焦っていたのだ。

なるべく優しそうな顔の入国審査官の列に並んで「ぼくは全くの無害ですよ感」を出しながら、いくつか質疑応答。頑張って英語で答えると“フーン”みたいなリアクションで無表情で判子ドンドン。

納豆は杞憂に終わった。

さぁ荷物の回収。道具の検疫。これもまた、ニュージーランド、厳しいんです。年間通してニュージーランドにいる予定なので、主にトレイルで使った40Lのバックパックと冬季荷物60Lのバックパック2つをピックアップし、入国手続きを進める。

ぼ、ぼ、没収?!すべてのギアが別室行きとなる

biosecurity
バイオセキュリティのゲート。ギアの掃除ができていて問題がなければこの扉から荷物を受け取ることができる。

ニュージーランドの生態系は繊細なバランスの上に成り立っている。外来種の脅威を避けるため、厳しい目でチェックされる。

〜Tips〜 ニュージーランドに来るすべてのアウトドアマンに伝えたいのは、ギアを清潔にして入国しようということ。人によってはテントが消毒液漬けにされてびちゃびちゃのまま返却されることもあるんだとか?!怖!そんなことを踏まえて、ニュージーランド入国の際は、新品のギアで揃えるか、しっかりと掃除をして準備することをおすすめします。ぼくは靴とバックパックはじめ多くのギアを新しいのにしました。

誰一人知り合いのいないオークランドに到着。

ギアがびしょ濡れにならないか、不安な気持ちで、スマホもいじれないし所在なく待っていると、肩トントン。

「たかくらさんですか?」

誰一人知り合いのいないオークランド。のはずだったんですが。なんとinstagramでコメントのやりとりをして知り合っていたノナカタイセイくんが迎えにきてくれていた!現地でフィッシングガイドとして働いている彼はたまたまこの日、空港に用事があって、「そういえば今日はたかくらさんが来る日だ」と思い出してくれたんだそう。

「必ずギアが別室行きになると思っていました。ここで待っていれば必ず会えると思っていました。」

ニュージーランドでのアウトドアについて色々とアドバイスをもらいながら、空港で現地SIM[vodafone]の契約を済ませて、通信が可能となる。タイセイくんの車に載せてもらい、燃料(ぼくはJetboilユーザーなのでガス缶を買う必要があった、飛行機では運べない、ニュージーランドのガス缶は値が張るので燃費の良いJetboilは経済的にも助かった)やライター、水の消毒タブレットを手に入れ、オークランドエリア、ポンソンビーの安宿へ。

タイセイくんとの出会いはニュージーランド入国後、すぐに人の優しさ、暖かさに触れた印象的な出来事だった。トレイル後にフライフィッシング釣行を約束して、一旦別れた。

安宿では同年代多国籍の友人がたくさんできた。ニュージーランドの水道水は基本的に飲める、ということをここで初めて知る。

11時間の空の旅、時差3時間。疲労はあまり感じなかったが、大きな環境の変化なので、両親に連絡をいれて、この日は荷物の整理整頓をして、寝た。ロングトレイル後に使うものは、友人であり、昨年TA南島を歩いた現地在住のワコさん宅に発送して預けさせてもらった。

Auckland→Cape Reinga

翌日。やはり、食べたくなったので、fermented soy beansを探しにオークランドの市内を散策。実はこの段階ではまだ、どうやってトレイルヘッドのCape Reingaに行こうか、まだ決めかねていた。観光バスに乗って、降りて歩き出すか、ヒッチハイクで北上を続けるか。

〜メモ〜 ヒッチハイクにはリスクが伴います。これを承知の上で申し上げると、ヒッチハイクは面白かったです。が、Cape Reingaまで行く方法として安全かつ確実におすすめできるのは観光バスの片道下車です。ヒッチハイクを前提にする旅は是非があります。ネガティブな意見としては人の善意に甘える、つけこむ行為であるという見方と様々なリスクがつきまとうということです。先日もニュージーランドでヒッチハイクをしていた青年がリンチされた事件が報じられました。残念なことです。一方で、ヒッチハイクには思いがけない出会いや独特の面白さがあります。旅がより面白くなるとも思います。ヒッチハイクで乗せてくれる人は過去にヒッチハイクをしていたことがある人である場合が多いです。乗せてもらったら、乗せてあげようという気持ちになるのだそうです。そういう優しさのつながりみたいなものを体感できます。

観光案内所でニュージーランド全土の広域地図を手に入れ、じっくり見る。

「Paihia(パイヒア)まで北上したら、その後北に向かう道はシンプルだし、乗せてもらえそうだな。」

paihia
Paihiaはここ。

心を決めた。Paihiaまでバスに乗って、そこからはヒッチハイクしよう。色んな予約をスマートに手続きしてもらえるisite(ニュージーランドのどの町にもあるインフォメーションセンター、頼りになる)でPaihia行きのバス予約を行う。

どの町にもあるインフォメーションセンター。町の見どころに精通したスタッフが常駐。予約の手際も良い。テアラロアを歩いているとしばしば水の残量がピンチになるのですが、空のボトルを差し出すと水をいただけることも。親切。

ニュージーランドの公道は郊外に出ると公道でも時速100㎞制限となる。グネグネでアップダウンもあるところが多い。酔いやすい自分には結構きつかった。

AucklandからPaihia行きのバス。InterCity社のバスを利用した。

バスで隣に座った方は顎にガッツリタトゥーの入ったマオリの方。やたらおしゃべりで、バスで寝たかったのに全然眠らせてもらえなかった。英語も独特で聞き取りが厳しく酔いが2倍になる。

Paihiaでバスから降りたところにあるカフェでひと休憩。食糧、水が入っていないので、バックパックに余裕がある。まだ白い。サーマレストのマットを85cmに切って円柱状に入れてパッキングしている。

車酔いでヘロヘロでPaihia着。この町で具体的な買い物を始めた。この時は、町の大きめのスーパーで買ったほうが色々と安く、田舎の商店は物価がものごっつ高い、ということさえ知らなかった。

〜Tips〜 ニュージーランドにある大手のスーパーマーケットはNew WorldかCountdownかPAK’nSAVE。それぞれのスーパーの印象は、イカリスーパーと成城石井感があるのがNew World、イオンみたいな感じがCountdown、業務スーパーがPAK’nSAVE。TAハイカーは皆PAK’nSAVEが大好き。

旅の流れとしては、「次の補給はどこで可能か」を考えてその日数分の食料を準備し、パッキングする、歩く、消費する、町に着く、というのを繰り返す形になる。

〜Tips〜 18/19シーズンのテアラロア3,000㎞中で最もリサプライの間が長かった区間は南島のRichmond山脈。毎年ルート変更があるのですが、おそらくこの区間が毎年一番長いことになると思われます。天候と体力次第ですが、7泊8日〜9泊10日の行程となるのが一般的です。この目安はバックパックの容量決定の参考になるかと思います。私は40Lのバックパックを使いました。詳しくは装備の項で。

Cape Reingaまで行ってしまうと何も買うことはできないのと、この時点では不慣れで何が売ってるのかさえ知らなかったので、とりあえずCape Reinga〜Ahiparaまで4日分、ひたすらNinety Mile Beachを南下する分の食料と万が一に備えての予備の食糧を購入。計画と知識は軽量化に貢献するので自分の無計画さと予習のなさに呆れてしまう。

テアラロアSOBO。地図左側の赤矢印のビーチをひたすら南下。3,000㎞の道のりは最北端Cape ReingaからAhiparaまで歩くことから始まる。縮尺に注目。

当時のレシート記録を見ると、袋のツナがあることも知らなかったのでツナ缶(重い)を買っていた。呆れてしまう。

・・

いよいよ北上開始。PaihiaからCape Reingaまで距離あるので、2日くらいかかるかもなぁなんてことを考えつつヒッチハイク適地に移動。実は一度だけ日本でヒッチハイクしたことがある。3年ほど前に大峰奥駈を歩いたときに、膝を痛めて前鬼にエスケープしたときだ。この時は一台目で止まってくれた。

果たしてニュージーランドでうまく行くだろうか?不安。リンチされないだろうか。人生で二回目のヒッチハイク。ニュージーランドの田舎道で親指を立てる。「ぶうん。ピタ。」一台目で止まってくれた。ニュージーランド最初のヒッチハイクはスムーズだった。ニュージーランド人のJosh。

その後は、

Paihia

 →Kerikeri ニュージーランド人のJosh

 →Kaeo インド人のGopi

 →Totara North ニュージーランド人のJeff

 →Awanui手前 ニュージーランド人のColin

 →Awanui ニュージーランド人のAlan&Graeme

 →Cape Reingaまで20㎞の分岐点 ニュージーランド人のはちみつおじさん

 →Cape Reinga ベルギー人のカップル

と乗り継がせていただいた。恩返しできるように、facebookやinstagramなど情報交換をした。皆優しい目をした柔らかい感じの人だった。

〜メモ〜 Cape Reingaは遠いので、これくらい乗り継がないといけない。後にほかのTAハイカーに聞いたら大体5回以上は乗り継いでトレイルヘッドに辿り着いたとのことです。やはり確実で安全なのは観光バスの片道下車です。

ちなみに、はちみつおじさんは、強烈だった。乗せてあげる代わりに少し手伝って、とのことで蜂の巣箱の運搬やらを手伝った。これから歩き出すことを話すと色々と激励の品をくれた。

養蜂家のはちみつおじさん。自家菜園の野菜や生肉、しゃぶる用の蜂の巣、そしてマヌカハニーまでもらってしまった。

と、色んな人との出会いやサポートを受けて、Cape Reinga着。正直トレイルヘッドに着いただけで少し感動した。キレイな空気とタスマン海しかない。青空も超きれい。

キレイな空気とタスマン海と灯台と標識以外何もない。夏のニュージーランドは日が長く、20時を越えても明るい。このスタート地点でポールにタッチした時間は、17時35分。これからBluffに向かう。

ニュージーランド時間、

12月15日、17時35分。

ここからぼくの夢の5ヶ月間が始まる。

一人。

周囲には誰もいない。

トレイルを歩き始めた。

蜂の巣と、サーロインステーキ(生肉)と、スペアリブ(生)3本と、大量の朝採れ泥付き生野菜と奇妙な色をした細長い綿飴とマヌカハニーを持って。

first
TAマーク。
ナインティマイルビーチを南下していく。
ul?
はちみつおじさんが別れ際にくれたうまのはなむけセット。初日のテント泊は思いがけず豪勢な料理で満腹になった。

テアラロアは、人との出会い。人の優しさに触れる旅!

この記事のまとめを英語で!

\ TeAraroaアウトドアEnglish /

●Natto is good for health.

●Honey is good for health.

●Brushing your teeth is good for health.

本記事はここで終わりです。

ご質問はたかくら(@takakura3twi)まで、どうぞ。

次 2-1.800km Cape Reinga→Hamilton

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ニュージーランド南島はクライストチャーチで留学エージェントを立ち上げラジオプロデューサーとしても活躍しているNaokoさんに記事にしていただきました。こちらもご覧ください。

https://twitter.com/naokonz/status/1133307804624642048?s=19

ここまでスクロールしてくれてありがとうございます。おまけ

https://twitter.com/takakura3twi/status/1139050615781199874?s=19
短すぎたので6cmがベストかも。
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