こんにちわ。たかくら(@takakura3twi)です。
今回は『ニュージーランド縦断3,000㎞ テアラロア ロングトレイルの食卓』と題しまして、ニュージーランドのアウトドアを楽しむときに参考にしていただける食糧事情をお伝えします。
このテーマ、実は、私にとってトレイルを歩き始める前の最大の疑問でした。
医食同源と言いますから、食は本当に大切です。とにかく健康を維持することが最重要ですので、食をおろそかにはできません。まだまだ私も勉強中ですが、ロングトレイルに出る前には関連書籍を読んで、実際に日本の山で作って栄養学の勉強をしました。
〜メモ〜 トレイル上で出会ったハイカーの中には、ストーブも燃料も持たずに、調理済みパウチ(レトルトカレーのような)で毎食を済ます猛者がいました。水でクスクスやオーツをふやかして食べるだけのストイックなハイカーもいるそうです。毎食冷たい食事。私はそこまでストイックになれなかった(というよりは不健康だと思ってしまいます)ので、ストーブもガス缶も持っていました。ハイカー仲間で、鉄分不足で前のめりに倒れて鼻骨骨折した友人がいます。2,700㎞歩いて鼻骨骨折してリタイア。ツラすぎます。健康管理は安全管理でもあると思います。
ロングトレイルに適した食糧情報は普段の山行にも応用できると思いますので参考になれば幸いです。
水が大切!
食糧についてお伝えする前に、超重要な水について。
水は重いです。なるべく背負いたくないけど飲まないわけにはいかない。つまり背負わないわけにはいかない。
ということで、歩き出す前に汲めるところで汲んでおいて、なくなりかけたら現地調達です。計画編でも書きましたが、アプリGuthookには水のポイントが載っているのでコレを参考にすることで軽量化につなげることができます。軽さは正義!
〜Tips〜 ニュージーランドの水道水は飲める。
トレイルに入ると基本的には雨水が頼りです。安全度で信頼できる順に、
- ハットの屋根に降った新鮮な雨を集める
- ハットの雨水タンクに溜まった雨水を使わせてもらう
- 山から流れてくる川から汲む
- 流れが細い、あるいは緩やかな川から汲む
- 湖から汲む
- 牧場が近くにあるときは・・・気をつけよう!なるべく避ける。
という感じになります。トレイル上で現地調達した水は必ず浄水していました。おかげで一度も腹痛に悩まされることなくニュージーランドでアウトドアし続けることができています。リスク編で書きますが、ジアルジア(ジャーディア、Giardia)症という、とてもお腹が痛くなる症状を避けるために面倒臭がらずに浄水することをおすすめします。これにかかるとしばらく動けなくなるので大打撃。出会ったハイカーのうち8割以上がSawyer miniを使っていました。そのコンパクト性がULハイカーに評価されています。
ほかにステリペン、カタダイン、アクアタブなどを使う方法があります。私はソーヤーを五ヶ月間使った後にクイーンズタウンで紛失してしまいました(泣)。相当浄水したので諦めて買い替え。現在はカタダインを使っています。カタダインはソーヤーよりも浄水スピードが速いのが特徴です。80NZD也。
〜Tips〜 ニュージーランドではアウトドアギアが日本よりも高額です。なるべく紛失しないように気をつけましょう。
ちなみにモノ選びのTipsとして、水を2L持ち歩くなら、2Lのウォーターバッグよりも1Lのウォーターバッグを2つ持ったほうが穴開きリスク対策になります。2Lの水の塊というのはパッキングする上でも厄介です。パッキングについては装備の項で書きます。
ロングトレイルに適切な食糧の選び方。4つのポイント。
「健康第一!健康に良い食材を!」といっても、バックパックの中に入れられる食糧には限界があります。ロングトレイルに適した食糧を選ぶ4つのポイントはこんな感じ。
- 軽量コンパクトであること
- 粒状であること
- 高栄養価であること
- ゴミが少ないこと
ということで、よく使った食材は以下のようなものです。
- キヌア
- クスクス
- オーツ
- ブラン
- チアシード
- ドライ納豆
- 海苔
- 韃靼そば茶
- 切り干し大根
- ごま
- きなこ
- えだまめ
- パスタ
- 米
食欲増進に、
- チリパウダー
- ガーリックパウダー
- 山椒
〜メモ〜 ガラムマサラを主としたスパイス類は食欲増進にはもちろん、飽きのこないバリエーションづくりにも有効です。
高密度で大きなエネルギーを得られるものでは、
- チョコレート
- はちみつ
- ビタミン剤
- プロテイン
- ツナ袋
- ラップ(ナンのようなイメージ)
〜メモ〜 特にニュージーランドのどの商店でも手に入れることのできるオレオは重宝しました。Kilian Jornetも大好きな高効率食品。安価でエネルギーにしやすい。
旨味がほしい時は、
- しいたけ(乾燥しいたけ、どんこ)
- カツオの本枯節
- 昆布茶
高密度でないものは、砕いてパッキングしやすくします。
- ラーメン(ミーゴレン)
- ポテトチップス
- コーンフレーク
この辺りのものは調味の完成度が高いので重宝します。
和のテイストがほしい時は、
- お茶漬けの素
- 梅干し
- 顆粒だし
- わさび
野菜が不足するとビタミンのみならず食物繊維が不足し、大便が固くなります。大便が固くなると肛門に良くないので、食物繊維も必要に応じて摂取しました。
- イサゴール(以前肛門科で紹介してもらった便の軟化を促す植物由来の粉末)
〜メモ〜 ロングトレイル中は肌と髪、便の調子を日々観察していました。ちなみに爪に縦線が入り始めるとビタミンCが不足している証拠です。トレイル上では不足しがちなビタミンの代表。
ニュージーランドで手に入れることのできるアウトドア用ドライフードでは、バックカントリークイジンシリーズがあります。2人前入って10.25NZD〜。高い商店で14NZD。
ロングトレイルの栄養学
ロングトレイル中に特に不足しがちな栄養は、鉄分とビタミンCです。鉄分が不足すると明らかにフラフラしてきます。このフラフラは厄介です。致命的な怪我につながる要因ですので、鉄分不足には特に注意しましょう。次に、ビタミンC。コレが不足すると肌や髪、爪の状態が悪化します。せっかく景色のいいところに来て自撮りしても「肌最悪、、」みたいなことにもなりかねません。
筋肉を酷使し続けるのでたんぱく質もあるとよいです。プロテインやゆで卵を摂取していました。トリプルクラウンのハイカーと3人会ったのですが、共通してゆで卵を食べていたのは印象的でした。
トレイルから抜けて安宿のキッチンが使えるときに、鉄分を取るためにガッツリ食べていました。貝もいいです。ニュージーランドの貝は美味しいです。
ニュージーランドの進んだ食の事情
私は重度のピーナッツアレルギーで、ピーナッツを食べるとアナフィラキシーショックで窒息します。これは山の民としてはなかなか大きな問題!なぜなら海外の山々では皆信じられないほどピーナッツバターを食べたりなめたりしているからです!ずーっと舐めてます!
ピーナッツは脂質を中心に優れた食材のようです。皆食べていました。私もアレルギーじゃなかったら食べてたんだろうか・・・?
テアラロア上でできた「現地調達」
トレイル上でできた現地調達ですが、水だけでなく、いくらか食べ物をゲットすることができました。
道を歩いていると突然生肉をもらうこともありました。
嗜好品も大切
ストイックに無駄なものを一切持たずに歩く究極のULハイカーもいますが、私はそこまでストイックになり(れ)ませんでした。ストイックになりすぎると逆にストレスが溜まってよくないと考えています。楽しむために、嗜好品も大切だと考えています。アウトドアを楽しむ人はこれらを美味しく飲めるように知識と技術を習得すると幸せになれます。
- コーヒー
- チャイ
- 韃靼そば茶
〜Tips〜 ニュージーランドにはフラットホワイトというカフェメニューがあるのですが、コレをなかなか忠実に再現できる粉末があります。お湯を注ぐだけでフラットホワイトが楽しめるというものです。おすすめ。
想像にたやすい惨劇「納豆のパッキング」
納豆。ほんとに優れた食品です。ニュージーランドでも納豆を買うことができます。ドライ納豆が切れてしまってからは納豆の禁断症状に苛まれ、ひたすら町に出る度に「ふぁーめんてっどそいびーんずは、どこで買えますか?」を聞いてまわっていました。納豆はアジア食品店の冷凍庫にあります。レジに持っていくと店員さんが「それってどうやって食べるんだい?」というくらいニュージーランドではマイナーな食品です。3〜4パックで4〜5NZD。高級品!この納豆のパッキングは数回想像に容易い惨劇に繋がりましたので以下ツイートの通りのパッキングがベストなスタイルと言えます。
納豆はアウトドアに適した優れた食品です。藁納豆であれば藁の部分を焚き付けにできるので一石二鳥!
日本から持ってくるべきもの
日本から持ってくるべきもの、今日本から持ってくればよかったなァと思うものは、
- ゆかり
- ひじき
- ふりかけ
- ドライ納豆
- うまかっちゃん
辺りです。軽くて、ご飯に合うものはホント素晴らしいです。ほかにもおすすめがございましたら、たかくら3(@takakura3twi)までアドバイスくださいまし!!
体調管理は食から。食は、アウトドアの楽しみの一つでもあります。これからも研究を続けていこうと思っています。
この記事のまとめを英語で!
~すぐに役立つ!~\TeAraroa English/
●Healthy first, fashion second.
●Diet is one of the most important keys on the trail.
●After meal, brush your teeth.
本記事はここで終わりです。
ご質問はたかくら(@takakura3twi)まで、どうぞ。
読んでいただき、ありがとうございます。