ファストハイク・テンカラなど、トレイルや林道ランを交えながら楽しむアクティビティの場合、装備の機能より、装備の軽さを重視するようになります。そうすると扱う装備によっては創意工夫が必要になり、それもまた1つのアクティビティのように楽しんでいます。今回はそんな軽量装備重視のアクティビティの相棒として活躍しているヘリテイジ クロスオーバー ドームfを紹介します。
ヘリテイジ クロスオーバー ドームfとは
ヘリテイジはカモシカスポーツというアウトドアショップ初のテント「エスパーステント」の企画開発を引き継ぎ、1997年に長野県安曇野にて日々テント開発を行っています。
クロスオーバー ドームfは、ヘリテイジの中ではテントという部類には属さずエマージェンシードームという位置づけです。クロスオーバードームfは1人用で、その他に2~3人用のクロスオーバードームが販売されています。
おすすめポイント
- 本体、ポール、スタッフバッグ込みで600gと軽量
- 設営が早く、慣れれば2分で完成
- シングルウォールによる結露対策が必要だがベンチレーションがあり結露防止につながっている
- 前室がないので荷物は全部中に入れる必要あり。
- オプションのモスキートネットでベンチレーションを塞ぐと虫の侵入を防ぐことが出来る
商品概要
ブランド | ヘリテイジ |
商品名 | クロスオーバー ドームf |
商品説明 | 1人用のエマージェンシードーム |
価格 | ¥36,300(税込) |
重量 | 600g(本体、ポール、スタッフバッグ込 乾燥時平均) |
耐水圧 | 850mm |
室内サイズ | 200×75センチ |
収納サイズ | 16×8.5センチ・ポール38センチ |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★☆☆☆ |
軽量性 | ★★★★★ |
コンパクト性 | ★★★★★ |
設営・撤収時間 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★☆☆ |
ヘリテイジのクロスオーバー ドームfはテントではなくツエルトとテントの間ぐらいの位置づけとして僕は認識して使っています。最低限の強度とプロテクションしか備えていないので、使う季節や場所で、起きえることを想定しながら創意工夫が必要です。
長さは200センチ、幅が75センチで、短辺に入り口が備えられています。素材は15デニールのナイロンリップストップで耐水圧は1,000mmです。
重量は本体、ポール、スタッフバッグ込みで600グラム。本体は500mlのペットボトルほどの大きさで持ち運ぶことが可能です。畳むと大きさは16センチ×8.5センチ×8.5センチほどの筒のような形になり、小さなザックで装備類を持ち運ぶ際には、非常に有効です。
ベンチレーターが天井部分に近い箇所に左右2箇所設置されています。入り口のジッパーを上手に併用することで、テント内の通気性を確保することができます。しかしながら前室はないので、ジッパーを空けていると、もしもの雨の際には直接雨水が中に侵入します。シューズなどもビニールに入れるなどして、クロスオーバー ドームfの中に入れる必要があります。
シングルウォールなので結露と上手に付き合う必要もあります。これは季節や気温、場所などによってどこまで気を使う必要があるのかを考えています。
自立式でスピーディーに設営可能
ヘリテイジのクロスオーバー ドームfの最大の特徴はツエルトなのに自立式という点だと思います。ツエルトと同じくらいのプロテクションで、テントのような楽な設営が可能というのが特徴です。
設営方法は「スリーブ式」といってポールを通す筒状の生地が本体に縫い付けられているので、ポールをここに通して自立させます。各ポールスリーブの片末端は袋状になっているので、一方行からポールを差し込むだけでポールのセットが完了し、セット後に手元でテントの張り具合を調整する事が可能です。袋状のコーナーと逆の角は、V字状の固定用ソケットになっており、ここにポールの先端を差し込むだけで自立します。
スピーディーに設営ができ、撤収もできるので、ツエルトを使い慣れていない人にも扱いやすいです。
入り口部分のジッパーは逆L字型に大きく開きます。ジッパーは横と縦とで分かれていて、縦のジッパーはダブルジッパーになっています。これによって、下から開ければ出入りに使え、上から開ければベンチレーターになるというギミックになっています。
ヘリテイジ クロスオーバー ドームfの雨・結露対策
上述のように軽量であり、コンパクト。また自立式で設営も簡単。まるでテントのような使い方ができますが、テントと同じような使い方をしていると痛い目にあうので、注意が必要です。ここがポイントで、注意を重ねて装備と上手な付き合い方が出来ると、知識が増えて山力が身に付くと思っています。
何事も装備に頼りすぎるのではなく、装備の特徴を把握して、創意工夫で快適な過ごし方を模索するのが楽しいところでもあります。
注意点と僕なりの解決策を紹介していきます。まず1つは結露です。結露が少ないときもあれば、多いときもありますが、結露によってクロスオーバー ドームf内が濡れるということを前提に就寝するようにしています。
濡れては困るものは防水ザックに入れたり、ザックの中に仕舞ったり、シュラフの中に隠したりしています。そしてシュラフは出来れば化繊や撥水ダウンを使用したものを使います。ダウンシュラフでも問題はなく、SOLのエスケープライトヴィヴィをシュフラフの外側に覆うようにしてシュラフを守ります。これは化繊や撥水ダウンを使用したシュラフでも一緒です。
次に前室がないことです。雨が降った際の食事や、出入りの際の雨の侵入、また外に置いておきたい装備の置き場など気を使うことは様々です。これが一番困りものですが、1つはタープとの併用です。シートゥサミットのエスケーピストは270グラムと軽いので、これを併用することで、かなり広い有意義な前室を作ることができます。
もう1つは傘の利用です。樹林帯の多い場所では傘を持ち歩くことが多く、愛用品にユーロシルムの傘があります。出入りの際に使うと雨の侵入を防ぐことができます。
ただ基本は雨が降らない可能性が高いときのみに使う、また雨が降ったとしても、ちょっとぐらい濡れても構わないという心構えが基本です。レインウェアは必ず持っていくので、スピーディーに行動して難を凌ぐことが多いです。
低山でのキャンプや夏場に楽しむ野営など使用するシーンは様々です。こういう尖ったアイテムを1つ持っておくと、遊びの幅が広がり楽しめます。
グランドシート・浸水対策
ヘリテイジ クロスオーバー ドームfにはグランドシートがありません。僕はデュポンのタイベックを使用しています。防水、透湿性に優れており、しかも軽量という優秀な素材です。
耐水圧が850mmなので小雨~中雨程度の圧力がかかると雨漏りの可能性が高まるということを考えると、グランドシートも大事ですが、ヘリテイジ クロスオーバー ドームfをたてる場所が大事だと思います。水捌けがよく乾いた場所を探して設営を行うようにします。これは夜雨が降ったときのことも考えて、水捌けが良い場所というのがどんな場所なのかを把握しておくことが重要です。