今回紹介するウェアは、ポーラテックのパワーエアを使用したフーディニのPower Air Houdi。ポーラテックのエコ・エンジニアリングから生まれた優れた機能を保持するパワーエアという素材の魅力と共に、アウトドアアクティビティでの着心地の良さをレビューしてみよう。
おすすめポイント
- サスティナブルな素材を採用した作り
- 保温と通気のバランスに長けている
- 行動着にも保温着にもなる
- ミドルレイヤーにもアウターにも使用できる
商品概要
ブランド | HOUDINI |
商品名 | Power Air Houdi |
商品説明 | POLARTEC と共同開発されたファブリックは全く新しい発想の構造であり、環境へのインパクトを最小限に抑える最先端の次世代技術です。 |
価格 | ¥30,800(税込) |
重量 | 706g |
素材 | Polartec® Power Air |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★☆ |
重量 | ★★★☆☆ |
フィット感 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★☆☆ |
ポーラテックのエコ・エンジニアリング
ポーラテックといえばポリエステルフリースを世界に送り出したメーカーとして広く名が知られている。ポーラテック社は、アウトドアで活躍する高機能素材を開発する一方で、環境問題にも真摯に向き合い力を入れている。
今地球がどんなにひどい状況に置かれているか、ニュースで目にする機会が多くなったし、実際に旅をすると驚くような光景を目にすることもしばしばだ。だから不必要なものを購入することを控えたし、環境に優しいとはどういうことなのかも努めて情報を仕入れるようにしている。
ポーラテックのエコ・エンジニアリングは、原料の選定段階でエコロジカルなものを基準としている。解りやすいところでいうとペットボトルからリサイクルしたポリエステルを活用していることなどだろう。
またブルーサイン認証を受けているのもポーラテックの特徴の1つだろう。このブルーサインは非常に厳しい基準が設けられており、製造工場の土地や水にインパクトを決して与えないこと、工場の外に細かな糸などを出さないこと、染色工程で使用した水はきれいにして排出すること、煙やチリなどを外に出さないことなど、管理徹底が原則だ。
このエコ・エンジニアリングによって生まれた素材がポーラテックのパワーエアで、昨今問題視されている、マイクロファイバーによる川や海の汚染を減らすことを目指して考案されている。
ポーラテックのパワーエア
素材をつぶさに眺めてみると、グリッド上になっており、グリッドの中に繊維が入った作りとなっている。この小さな長方形の中に空気を溜め込み保温するという仕組みだ。
開発のヒントになったのが、僕たちがよく目にするプチプチ(梱包時に使用する緩衝材)だというから、おもしろい。たしかにプチプチの緩衝材を体幹に巻くと非常に暖かく、僕の父親世代の登山家が活用していたというのをどこかで聞いたことがある。
ケバ落ちの原因となる繊維がグリッドの中に閉じ込めているから、マイクロファイバーがウェアから抜け落ちづらくなっている。
フーディニのPower Air Houdiの凄さ
フーディニのPower Air Houdiは、ポーラテックのパワーエアをいち早く取り入れたウェアで、厳冬期から夏場と幅広く活用できる1枚となっている。
ミドルウェアという側面から紹介すると、パワーエアは空気をウェアの内部に溜め込みデッドエアを作ることで保温を行う。フーディニのPower Houdiとほぼ同じシルエットで、ストレッチ性にも優れているため、体に程よくフィットした作りとなっている。
このため、溜めた熱が外に逃げづらく、ハードな動きにもウェアが追随するため、いつまでも温かく厳冬期などではミドルウェアとして非常に頼もしい1枚となる。Power Air Houdiの下にメリノウール製のロングスリーブを着用することが多いのだけれど、ポカポカと暖かさを感じることができるのは、非常に気持ちが良い。
ミドルウェアとしてのPower Air Houdiは、外側が起毛していないので、袖通しも楽でウェアの脱ぎ着がラクなのも特徴的だろう。稜線で風が強い場所などでは重宝する。
アウターとしての機能性も素晴らしく、フリースと比較すると防風性が高いのが特徴だ。Power Air HoudiはPower Houdi同様に着心地の良さは逸品で、ストレッチ性の高さ、体に馴染むようなフィット感によって、着用していることを忘れてしまう。だからなるべくウェアの上からシェルなどを羽織りたくないのだ。シェルを羽織ると、シャカシャカと音がなるのも気になる。
Power Air Houdiは防風性によって1枚で事足りるシーンが多く、低山での休憩時、山小屋の中でのアウター、3シーズンにおけるテント場での防寒着、行動着兼パジャマとしても使える。
体の中に閉じ込めた熱が外に逃げるということが非常に少ないのも、このPower Air Houdiの特徴だ。フッティングの良いフードとサムホール。首周りを包み込む高めの襟。非常によく考えられており、この作りはPower Houdiから受け継がれている。
パネルによる熱の排出をウリにしたウェアも多くあるけれど、一発でオーバーヒートを防いでくれるダブルジッパーは、汗っかきな僕には嬉しい。フリースに代わる新世代のミッドレイヤーという位置づけで、これからの季節重宝すること間違いなしだ。