ニュージーランドの面白さの1つに、雄大な自然と住宅地が隣接していることが挙げられるだろう。ファンガレイはそんな環境を解りやすく体験できる街の1つ。日本で調べてもファンガレイという街に関する情報は少ない。それが功を奏してか、期待もなく出かけたから、非常に感動が多いローカル旅を体感できた。その1つにファンガレイフォールズがある。
ファンガレイフォールズの素晴らしさ
地元のお爺ちゃんが駐車場を案内している。家族連れの僕たちを見て優しく声をかけてきた。「ここははじめて?」と子どもたちに声をかける。ぽか~んとする子どもたち。「はじめて」と僕が応えると「それじゃあ簡単に案内してあげよう」とニコニコしながら地図を示しながらおすすめコースを教えてくれた。
「滝も素晴らしいけど、森がとても素敵だからじっくり見て楽しんでおいで」とおすすめコースを知った僕たちは森の中へと足を進める。途中隣接する素敵な家から、読書を楽しんでいるダンディーなお爺ちゃんが手を振ってくる。なんとも優雅な時間がここにはあり、ニュージーランドに住む方々が優しい理由を垣間みることができた気がした。
ファンガレイフォールズの森
ニュージーランドは、おおよそ1,000年前は無人島だった。国土は森林に覆われ、そこにマオリ族が移住してきたという歴史をもつ。マオリ族が移住して約800年が経過した西暦1,700年後半に西洋人が初めてニュージーランドにやってきた。その後1,850年から僅か70年ほどでイギリス人の手によって、殆どの森林を伐採し、耕地や牧場に変えた。そのため洪水、土地の崩壊が相次ぎ、1,920年頃から天然林の保護と人工造林が推進され、今に至る。
原始の森は現在も所々に残っており、北島のワイポウア森林保護区などはカウリの森という名で有名だ。ファンガレイフォールズの森は人工造林によって作られた森という綺麗な装いではあったが、日本では見ることのできないシダ植物や針葉樹の生き生きとした森の景色に感動する。
ファンガレイフォールズの滝
滝を囲むようにトレイルがある。滝を上からのぞむような位置に駐車場があり、スタート・ゴール地点となっている。森をくぐってトレイルを歩くことで、滝の下に降りてくる。だから下ってから上るという周遊コースで、その距離は1キロほど。
これが最短コースで、他にも「A. H. リード・メモリアル・カウリー・パーク」という少し離れた公園に足を伸ばせば往復で10キロほどの距離で森林浴を楽しめる。
森を抜けると滝を下から眺める開けた場所に出る。この場所がなんとも美しく、滝のしぶきと、色鮮やかな緑と、岩肌の厳しさが1つの絵のように目の前に迫る。こういう自然がローカルなエリアの住宅がひしめく中にポツンと守られたように存在する。
次はファンガレイフォールズのすぐ横にあるパリハカの丘を紹介する。