LEKIはポールの専門メーカーであり、ポールにおける考え方というのが、機能性だけでなく使うユーザーの安全を常に視野に入れて作っているというのが特徴なブランドで、安心して使ってます。
LEKIトレッキングポールの作り
シャフトの作りにおいて、一番作りやすいのはアルミを板状にしてそれを筒状にする処理の方法なんですが、LEKIの場合は円柱のアルミの棒に圧力をかけて筒にしているんです。これは安全面を考慮した作りになっていて、ロックシステムの都合上、スクリュー式で中から圧力をかけてとめる構造なんですが、中からの圧力が強くなればなるほどシャフトが割れてしまう可能性があるんです。それを改善させるために、高い技術を要する円柱を筒にするという技法に切り替えたという歴史があります。
LEKIトレッキングポールのロックシステム
使っているのはロックシステムが2種類組み合わせたSPD2サーモライトASで、上部はレバー式で止めるスピードロック2システムで、下部は回して止めるスーパーロックシステムと上下でロックシステムを変えているハイブリット型のトレッキングポールです。
LEKIロックシステムの種類
まず上部のスピードロックはレバー式でスライドが容易にできるシステムで、親指の力だけでロックできます。ロックの硬さは現場でも調整出来るようにダイヤル式になっています。自分の力加減で微調整ができるので、現場で仲間に貸したりするようなシチュエーションに便利です。またテコの原理を使っているので、軽い力で止められる上に、しっかりとロックしてくれます。
このスピード2ロックシステムはシャフトをつぶして止める方式ではなく溝を切った別パーツによってシャフトを全体的に止める構造のため、シャフトの歪みや変形が起きないんです。
下部はスクリュー式のスーパーロックになっているんですが、まわす事でプラグの部分が広がっていく、それによってロックされるんです。またスーパーロックのほうには見えてはいないんですけど、アンチショック機能がついているんです。
LEKIのポール機能「アンチショック」
このアンチショックは、地面にポールをついた時にサスペンションと同じように沈み込みが発生するんです。これによって衝撃を吸収してくれる働きがあります。このように2つのロックシステムを1つのトレッキングポールの中で採用しているのがこの商品の特性です。
例えば登山のスタート時に長さを全長110cmに合わせたとします。斜面を一定方向で上がっていく訳ではないので、斜度に合わせて長さを調整した方がよりポールの機能を発揮させると共に、歩行を楽にしてくれます。その時に両方ともスクリューだと直ぐに調整できない。こういったトレッキングポールを使用しているほとんどの人は、一度調整したら後は長さを変える事が面倒なのでそのまま歩行を続けるんです。
でもこのスピードロックがあるおかげで、場所に応じて瞬時に長さを調整できるんです。下のスーパーロック側を一定の長さに調整しておけば、微調整はスピードロックの方で常にできます。こういうところがこのハイブリットのトレッキングポールの良さなんです。
LEKIグリップとポールの素材
グリップはEVAという素材で、ラバーなどの素材に比べるとしっくり感が違います。EVAは適度なクッション性があって、素手で握っても汗で滑らず乾きも早くて、結果安全に使うことができます。グリップの形にも特徴があって、エルゴングリップという卵形の形状なんです。
通常の握り方以外に、ヘッド部分を握るなど状況に応じて握り方を変えても常に握りやすい、LEKI独特なフォルム形状をしています。さらに、このグリップの大きさは、海外のままだと少し大ぶりになっちゃうんですが、ちゃんと日本仕様になっていて日本人の手の大きさでも握りやすいグリップサイズに変更されています。全長も海外仕様は140センチ以上あったりしますが、日本人の背丈に合わせて130センチという違いを持たせています。
LEKIトレッキングポールの素材の違い
素材の違いですが、僕はアルミがいいと感じてます。アルミは粘度があるのでパキッと折れず、しなやかなシャフトなんです。必ずしも真っ直ぐにトレッキングポールを突けるわけではないので、シャフトに負荷がかかった場合、アルミシャフトは、その時にしなりが発生するんですね。しなりは振動を緩和するという視点をLEKIは大事にしていて、手首への負担を軽減してくれると感じてます。その代わり、必要以上の負荷がシャフトにかかってしまうと曲がってしまいますけどね。
でもその場合は、突き方に問題があります。本来トレッキングポールは歩行をサポートする補助具ですから。体重をかけるような支え杖とは使う意味合いが違いますしね。
ちなみに、アルミシャフトは曲がりますが、カーボンの場合は、割り箸と同じようにパキッと折れる特性があります。だけどアルミより軽い。それぞれの素材のメリットとデメリットを知識として蓄えた上で、どちらのポールにしようかと考えて頂くのがよいと思います。