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100マイル向けトレラン 『山屋光司の練習方法』

100マイル向けトレラン 『山屋光司の練習方法』

練習には人それぞれのパーソナリティーがあって合う合わないがあると思います。だから「これが正解」っていう練習法はないと思うんです。だから自分がやっていることを決して人に薦めないし聞かれたら話はするんですけど、「これが正攻法ですよ」とは言えないですね。その人の性格からも続けられる練習として「はまる」or「はまらない」があると思うので、試しにやってみながら自分なりにあった練習法を見つけるのが大事だと思います。

ウルトラトレイルに照準をあてた練習

ウルトラトレイルの練習方法

僕が行っているトレランの練習は、ウルトラトレイルに照準をあてたもので、練習では波を作ることが凄く大事だと考えて行っています。

スピード走でガッと追い込むのは波の中でいう「山」の練習で、この練習をした翌日は「谷」の練習をします。「谷」の練習では「山」の練習でたまった疲労を抜きながら一定の負荷をかける練習で、運動効率を高めて代謝のよい体を作ります。

追い込むことだけを毎日やっていると絶対故障してしまうから、そこの見極めがすごく大事です。僕が大会で結果が出たときの練習では、波を作って「谷」で疲労抜きをしっかり行って効率のよい「山」の練習を中心にやっていたんです。

トレラン練習の1週間の流れ

ウルトラトレイルの練習方法

1週間の流れでおさらいしてみると、大体僕は土日に追い込むんですね。だから月曜日は必然と「谷」の練習で、帰宅ランやトレットミルでウォーキングなどを行って、フォームチェックを兼ねた軽負荷の練習をします。

その翌日は「山」の練習で、例えばトレットミルで最高傾斜を設定して自分の出来る限りの最高のスピードで30分追い込むとか、荒川沿いの直線ロードでインターバルを挟みながらのスピード練習を取り入れるなどといった練習を行います。

谷と山を取り入れたトレラン練習

ウルトラトレイルの練習方法

その翌日はまた「谷」の練習、その翌日は「山」の練習というように波を作ります。こういう1日おきのタームの中で「山」の練習をした時に疲労の抜け具合をみて、「谷」を2日にする場合もあります。それは体と会話をしながらです。

「谷」の練習で行っている帰宅ランって負荷は高くないんですけど、それなりに時間をかけて距離を走るので脂肪を燃焼することもできるし、キロ5~6分ぐらいのゆっくりしたペースで走るからフォームチェックにもすごくいいんです。帰宅ランの時は夜道を走るので負荷をかけるような練習を行うと危ないんですね。疲労抜き&フォーム微修正ジョグといったところです。

ウルトラトレイルの練習方法

で、週末の2日間は距離と時間とスピードをなるべく高いレベルで追い込む「山」の練習をするんです。1日目は峠走で山のロードを行い、2日目は山の中。どちらも5、60キロぐらいを目安に時間は7,8時間かけて行います。

トレラン練習に気を付けておきたいこと

ウルトラトレイルの練習方法

過去にUTMBに出場する年があって、その前に練習をしすぎたら慢性疲労になっちゃったんです。普通に生活するだけで酸欠状態で何もする気がおきない。そういう経験もあって、高負荷で練習をし続ける怖さを味わったんです。だから疲れを抜くことが凄く大事だと心得てます。

パンツのゴム理論です。ゴムって引っ張り続けると緩んじゃうじゃないですか。だから伸ばしたら戻す、伸ばしたら戻す、そうやって繰り返すことによって強いゴムを作るんです。(笑)

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