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奥穂高岳の間違い尾根

奥穂高岳の間違い尾根

4月25日は除雪もひと段落、で、奥穂へルート偵察に行ってきました。
実はもう昨日の時点で涸沢からの登山者が10名ほど奥穂をピストンしており、ルート上にはステップやトレースが若干残っている状態でした。

この「ステップやトレースが残る」というのは、それだけ雪面が軟らかいということで、実際ルート上の雪の状態はところどころ氷化した箇所もあるものの、おおむね快適な雪の状態でありました。
(どれくらいの固さの雪を「快適」と感じるかは、人によって違うので微妙な話ではありますが)

ただし、今後4月28日、29日頃には悪天が予想されており、またその後は寒気の影響もありそうです。とにかく今時期は目まぐるしく雪の状態が変わりますので、ここに記した情報もあくまで参考ていどにお考えください。

さて、以前に奥穂山頂直下の「間違い尾根」について記したことがあります。

しつこいようですが、もう一度「間違い尾根」について以下記します。と、いうのも積雪期の視界不良時に、ここでの遭難がとても多いものですから。

20160425172513f0b

先ずこの写真は今日、奥穂山頂からの下山時に間違い尾根手前で撮影したもの。ちょっと光線の状態で「間違い尾根」そのものは写真では判別しづらいですが、ともかく下山路は槍の見えている方角であり、登ってきた時のトレースも残っているので、こうした中でルートを誤ることはまずあり得ません。

しかし、もしもこれがホワイトアウトの状況下で、遠景がなかったとしたら?ちょっと画像処理してイメージを作ってみました。

201604251725143be

処理した写真の左下へと延びているのが「間違い尾根」です。どうでしょうか? 遠景が見えなくなると、とたんに地形のイメージが変わるのではないでしょうか。

実際に、吹雪の中で視界が20〜30mほどしかなければ尾根の先を見通すことも出来ず、主稜線への正しいルートとなる右方向へ90度方向を変えねばならない地点を判別するのは難しくなります。

20160425172517b47

上の図が、正しいルートイメージなのですが、悪天候だと画面左側から猛烈な風が吹きつけてきますし、また下降すべき雪壁の降り口が垂直に近い斜度となっているため、なかなかに主稜線をたどるのが難しくなるのです。

そしてルートを誤るのは、白出のコル(穂高岳山荘)からのピストンではなく、ジャン飛騨や奥穂南稜あるいは吊尾根など、別ルートから奥穂山頂を経て白出のコルへの下降時に発生しています。どうか今連休、またあの場所で悲劇がくり返されることがないよう、切に祈ります。

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