RSR(リバーサイドランブラー)で始めて作った商品のリールです。今は販売していないんです。
「CARRY OWN THE BASICS WHEN EXPLORING HEADWATERS」という刻印があるんですが、これは
CARRY OWN THE BASICSは、最低限持って行くもの。
EXPLORING HEADWATERSは、源流に分け入る。
だから「源流に分け入る時に、最低限持って行くもの」っていう意味の彫りを施していて、リバーサイドランブラーっていうブランドは「皆が源流に行くときの最低限の装備でありたい。その為の道具を生み出していく」という意思表示なんです。
RSR(リバーサイドランブラー)のこだわり
下にはシリアルナンバーを彫っているんです。ユニックスタイムっていうはコンピューターシステム上での時刻表現の一種なんですけど、1970年1月1日午前0時0分0秒からの経過秒数としていて、カウントしているんです。僕はこれを完成した時のユニックスタイムをみてそれをシリアルナンバーとしているんで、これを見れば「何年何月何日何時何分に完成したものなんだな」ということがわかるようにしてみたんです。
物語込みで物って存在していると思うので、そういうのが多ければ多いほど道具への愛着心が沸くというか、俺だけのものっていう気持ちを強く持ってもらいたいと思って考えたんです。
RSR(リバーサイドランブラー)を使う釣りの楽しみ方
このリールはレイズドピラーといって、通常は丸いリールの一部が外側に出ているんですね。いわゆるピラー(支柱)がレイズド(持ち上がる)しているんです。その分、ラインをいっぱい巻くことができるんです。側の部分がこれによって小さい作りでコンパクトに見えるんです。
フライフィッシングっていう釣り方は、究極的にいうと遊び、というか「人間を楽しませてくれる」というのが、イメージとしてあって。そうするとフライフィッシングの道具は軽ければいいのか?あまりにも機能性に特化したものだけが偉いのか?という疑問が起きるんです。
手がこんだ作りが自慢のRSR(リバーサイドランブラー)
このリールは真鍮の削りだしで、重さでいえば重いんです。でも真鍮の面白いところって経年劣化してアジが出るっていうのが僕は好きなんです。また見栄えもバンブロッドにこの真鍮のリールというのが、見た目が合うんですよね。バンブーロッドの時は真鍮のリールというように、スタイルを大事にしています。
リールとロッドとのバランス
また竿との愛称も大事で、竿によってはリールが軽い事で、竿の先端が重くなってバランスが取りづらくなるんですね。フライフィッシングの持ち手部分よりも体に近い場所、いわゆる竿の端にリールを取り付けるので、重い竿であれば、持ち手部分を軸に、竿とリールを天秤にかけている状態のようにしたいので、重いリールを使いたいんですね。そうすると持ち重りが全体としてはあるんだけど、バランスとしてとれるので、そんなに重くは感じないんです。
このリールを使う時の幾つかの竿の中にバンブーロッドがあるんですけど、全体が軽ければいいのか?となってリールを軽くしちゃうと、バランスがとりづらく使いづらくなっちゃうんですね。カーボングラファイトの竿であれば、竿そのものが軽いからリールも軽くて大丈夫というようにバランスという視点を僕の中では大事にしています。