冬のトレランの服装は、汗をかかないように体温コントロールがしやすく、肌から汗をすぐに吸い上げることができるレイヤリングを重視します。冬の寒い時期の服装と、その服装の特徴と目的、また持ち歩く装備を紹介します。
想定しているシーン
冬にトレランを楽しむ人たちが多く出かけるシーンを想定しています。主に里山と呼ばれる低山や、東京でいうと高尾山や奥武蔵、関西だと六甲山あたりを想定しています。
想定標高
想定標高は1300mぐらいまでの低山で、走り始めは雪がなく標高を上げるに従って雪が出てくるようなイメージを想定してます。
想定気温
朝いちからお昼ぐらいにかけてランニングを楽しんでいることを想定するとマイナス2°から5°ぐらいまでの気温を想定しています
トレランルート
樹林帯が多く、稜線に出たとしても標高から考えて強風にはさらされない想定です。休憩場所も樹林帯の中を想定しています。
冬のトレランの服装と装備
服装
- ベースレイヤー1:ファイントラック スキンメッシュ
- ベースレイヤー2:パタゴニア サーマルウェイト
- ショーツ(風の強さによっては薄手の長ズボン)
- 薄手のライナーグローブ
- 多機能バンダナ
- ビーニー:フーディニダイナミックビーニー
- 腹巻
装備
- トレランザック6 L
- エマージェンシーキット
- ウインドブレーカージャケット:アークテリクスインセンドフーディ
- ウインドブレーカーパンツ:パタゴニアフーディニパンツ
- タイガー魔法瓶
- ハンドタオル
- 帰り用の防寒着
- ※チェーンアイゼン
上記は寒い時期の行動時の服装、装備一覧です。それぞれどのような点に気を付けているか紹介していきます。
冬のトレランの服装
ベースレイヤー
ベースレイヤーにはファイントラックのスキンメッシュを取り入れています。この上からパタゴニアのサーマルウェイトを着用して行動します。
ファイントラックのスキンメッシュは汗を肌から引き離し濡れによる体温低下を抑える働きがあります。
吸い上げた汗はパタゴニアのサーマルウェイトにバトンタッチして、サーマルウェイト側で汗を蒸発させます。
このレイヤリングでずっと肌をドライを保つことができます。汗冷えが起きると体を温めようとエネルギーを余分に使ってしまいます。このようなことがないように肌をドライに保つということが大変重要です。
また厳冬期においては低体温症を防ぐ効果にも繋がるので、大変気にいっているイヤリングです。
ショーツ・ボトム
人によって寒いという体感が異なるので正解はないのですが、汗をかかないようにするという点において寒い時期でもショーツを履いています。
行動の始めは体が動いていないので寒さを強く感じます。この状態からトレランをしていると、徐々に体が温まり汗ばんできます。
この時にボトムを履いていると、上半身だけでは涼しさを感じることができず、ショーツにしておけば良かったと思うことがしばしばあります。
だから短パンを履いて寒い時にはパタゴニアフーディニパンツで寒さをしのぐようにしています。
上半身も下半身も脱ぎ着ができるようにすることで体温調整を容易に行うようにしています。
風が強い場合が予想される場合はボトムスを履いています。そのときに多く着用しているのが、パタゴニアのテルボンヌジョガーズです。高所でのハードなアクティビティにおすすめのボトムスです。
グローブ
体が冷えるとまず初めに冷えてくるのが手先です。手が冷えると集中力が落ちてしまうので寒い時期のグローブは必須アイテムのひとつです。
分厚いグローブでは手に汗をかいてしまうので薄手のライナーグローブを活用しています。素材にメリノウールを取り入れると濡れてもゆっくり乾いてくれるのでおすすめです。中でも最高に使いやすいのがブラックダイヤモンドのモンブランです。安いのに耐久性も高く程よいフィット感と、汗をかいた時の乾き具合もよい感じです。
多機能バンダナ
ネックウォーマー、ランニング用マスク、ヘッドウェアと様変わりしてくれる多機能バンダナはトレラン時にはとても便利です。
2重にして手首に巻きつけておけば汗を拭くためのリストバンドにもなるし、頭や耳が寒ければニット帽のように使うこともできます。
マスク以外にバンダナがあるとささっと口元を隠すことができるので以前よりも重宝するアイテムとなりました。BUFFより薄手で息がしやすい多機能バンダナを活用しています。以下で紹介しているので気になる方はチェックしてください。
ビーニー
秋口の寒さが冬ほどない時には、キャップを被りますが、冬のトレランにはビーニーを愛用しています。
頭と耳は風によって冷えると集中力が低下するので、薄手のビーニーをかぶっています。風で飛ばされる心配もないのでとても便利です。愛用しているのはフーディニダイナミックビーニーで、暑すぎず、それでいて寒くない、トレランにちょうどよいビーニーです。
腹巻
トレランをしていて、お腹の調子が悪くなることがあって、触ってみると非常に冷たくなっていることがあります。肌がドライに保てていても風によってお腹が冷えてしまうことが冬場のトレランには多くあります。
だから腹巻をしておくととても暖かく、お腹を温めたからといって熱くなるようなことがないので体を正常に保つために便利なアイテムです。僕が愛用しているのはグンゼの腹巻きで吸湿発熱性もあり、使い心地が良いです。
冬のトレランの装備
トレランザック
トレランザックは日帰りであれば6 L ほどのサイズを使っています。トレランザックの中に入れるものは、メインポケットにウィンドブレーカー上下、エマージェンシーキット、着替え(メリノウールのシャツ)、移動時に使うダウンジャケット。
外側のメッシュポケットにタオル、魔法瓶、行動食、スマホ、財布を収納して行動します。
すべてのアイテムはとにかくコンパクトになるアイテムを吟味しており、そうすることで6 L というサイズのトレランザックに収納できます。
また車で移動をする場合は移動時に使うダウンジャケットと着替えは車中に置いておけるので、その場合はよりコンパクトなトレランザックで行動することができます。
大は小を兼ねるといいますが、できるだけザックの中で物が揺れないようにしたいので、ぎゅうぎゅうに押し込んで背負っています。
ウィンドブレーカー
着用しないでザックの中に仕舞ったままの状態ということもあります。使用目的としては稜線に出て風が強い時や、休憩中に体を冷やさないようにするために着用します。
トレランのレースに出るような人がよく行っていますが、大きめのウインドブレーカーを持ち歩き、寒くなればザックの上から着てしまうというような方法もあります。
ウィンドブレーカーは風を凌ぐ為を目的としているのでとにかくコンパクトで軽量なものを持ち歩いています。僕が愛用しているのはアークテリクス インセンドフーディーです。
魔法瓶
夏のトレランでは凍らせた冷たい水をショルダーポケットに突っ込んで走りますが、冬のトレランでは魔法瓶に白湯を持って走ります。
喉が渇いた時に冷たい水を飲むと、瞬時に体が冷えていくので、白湯を飲むようにしています。
梅、生姜、はちみつなどを調合して作ったオリジナルのホットドリンクを持ち歩くこともあります。作り方は以下の記事で紹介しているので気になる方はご覧ください。
ハンドタオル
汗を拭うためにさっと取り出してさっと汗を吹けるようにしています。主には頭や額から出た汗を拭っています。
エマージェンシーキット
大きめの絆創膏と塗り薬、止血を目的としたエマージェンシーキットを必ず持ち歩くようにしています。登山用のエマージェンシーキットほど多くのものは持ち歩かないので、日帰りトレラン用として考えています。
冬のトレランの服装として紹介されているメディアがありますが、そこには保温性の高いウェア、速乾性があるウェアが重要と紹介されていますが、これは大きな誤りです。
保温性を重視してしまうと汗をかきやすくなるし、速乾性を重視すると体温が急激に奪われます。
重要なのは汗をかかないようにすることで、その上で低体温症にならないように、レイヤリングを心がけることが大事です。
チェーンアイゼン
行く山にもよるのですが傾斜が激しいルートがある場合はチェーンアイゼンを持って行きます。
ブラックダイヤモンドのチェーンアイゼンは200g台で非常に軽く、扱いやすいです。