雪が織りなす絶景を楽しみに今回向かったのは湯ノ丸山。持ち歩くカメラはニコンZ 50というコンパクトなカメラ。このカメラを使って絶景登山を楽しんできた。
湯ノ丸山の魅力
群馬県媛恋村と長野県の県境にある湯ノ丸山は、アルプス的風景が特徴で、6月から7月にはレンゲツツジの大群落が楽しめる四季折々の景色を楽しめる魅力的な山として知られている。
山麓には鹿沢温泉が湧き、都心から一番近い天然パウダースノーリゾートとしても知られている。
今回楽しむ登山コース
今回は地蔵峠に車を止め、湯ノ丸山の南峰と北峰へ向い、その後鳥帽子岳へ。最後は登山口の地蔵峠と戻る周回コースを楽しんだ。
距離としては約9km。累積標高は約700mで、コースタイムは4時間30分という見積もりで登山を楽しむ。
雪山登山に持ち歩くカメラと工夫
今回はニコンZ 50を持ち歩き、湯ノ丸山で楽しめる雪の絶景を撮影するのも目的の一つとした。
この時期の気温は山の上でマイナス10°を観測していたので、しっかりとカメラが動作するかというのもテストをしてみた。結果はなんら問題なく、登山中は気兼ねなく撮影を楽しめた。
雪がカメラについても、ニコンZ 50は一部にシーリングを施し防塵・防滴に配慮した設計となっているので安心だ。
冬の登山の場合はバッテリーが早くなくなってしまうというのが定説で、これが心配だったので、予備のバッテリーを体幹の近い場所にあるポケットに入れて、温めた状態で持ち歩いたのだが、1日中撮影をし続けてもバッテリーを交換することはなかった。しかしながら冬の登山においての心がけとして覚えておくと良いだろう。
またカメラ本体は、100均で手に入れた保冷袋をカメラのサイズに合わせて DIY を施し、それをアークテリクスのマンティス2の中に入れてカメラバッグとして持ち歩いた。
ニコンZ 50がコンパクトだからこそできる工夫で、これが大きなカメラだと雪山では難儀だなと感じた。
湯ノ丸山の絶景
地蔵峠に車を止め、つつじ平へと向かう登山道を歩いていく。まだオープンしていないリフトを横目に登っていく。
トレースはしっかりついており、安心した登山を楽しめるのは雪山初心者としては安心だ
東屋から、雪に覆われた湯ノ丸山の南峰と北峰が見渡せる。これからどんな雪の絶景が楽しめるのか、わくわくするような景色だ。
鐘分岐は、6月から7月にレンゲツツジが咲き乱れる場所で、周辺はつつじ平と呼ばれる。ここから湯ノ丸山南峰までは、コースタイムで50分という道のり。
途中振り返ると、篭ノ登山、水ノ塔山の景色が楽しめる。この山の向こうには浅間山があるはずだ。
登山道の右側には四阿山と草津白根山が見渡せる。この景色は素晴らしく、夏とは全く違った雪が織りなす景色に惚れ惚れする。
湯の丸山頂上に近づくと花の名山とも呼ばれているお椀を伏せたような親子のような関係の桟敷山、小桟敷山、村上山もまた美しい。
源頼朝が狩りの様子を見ようと桟敷を作りこの山に登ったことから名前がつけられたと言い伝えられているそう。
湯ノ丸山頂上へ到着すると冷たく強い風に叩かれる。ハードシェルのフードを被って風を凌ぐも、少し止まるだけで体温が奪われる。
北峰へと向かうルートからは正面に四阿山を眺めながら歩く素晴らしい稜線。
真っ白な雪に包まれた幻想的な景色の中を歩いてると、浮世離れした自分がそこにいるようで、なんとも開放的な気分になる。
そして自分では気づかないほどにストレスから解放されて、この景色から沢山の栄養を頂いているのだな、とありがたい気持ちで山々を見渡す。
この後はもうひとつの絶景が楽しめる烏帽子岳へと向かう。烏帽子岳の手前には偽烏帽子とあるだけに、2つの似た形の山が連なるような景色だ。
一度鞍部まで一気に下りそこから再び登り返すコースとなっている。下りの道も上りの道も、冬が織りなす景色は絶景だ。
偽烏帽子からは稜線に出るような形で烏帽子岳へと歩みを進める。
烏帽子岳へと歩みを進めると千曲川が流れる上田市の町並みが見渡せ、町からせり上がった美ヶ原霧ヶ峰がある。晴れていればその向こうには悠然たる北アルプスが鎮座する景色が楽しめるのだろう。
下山の景色もまた美しく、特に様々な角度から見るカラマツにつく霧氷は特に美しい。
今回の登山ルートは周回コースなので登山口として利用した地蔵峠へ戻って行く。
登山を終えてからは、湯の丸スキー場でスキー板とブーツをレンタルしスキーを楽しんだ。スキーが上達したら湯ノ丸山に板を背負ってバックカントリースキーを楽しみたい。
最後は冷えた体を温めるために鹿沢温泉へと向かう。鹿沢温泉の湯元となっている紅葉館は日帰り入浴ができ、大人一人500円で歴史ある温泉を楽しめる。
明治2年の創業の紅葉館は、大正7年大きな火災が周辺で起きたが、紅葉館のみ逃れたという歴史を持つ。
近くでは手打ちのニ八蕎麦を楽しめるそば処もあり、お風呂に食事と一気に楽しめてしまう。食事を楽しみながら撮りためた美しい写真を眺めると、直ぐにまた雪山に登りたくなる衝動にかられる。