僕のファーストエイドは怪我で血が出てしまった時を重視していて、それ以外は必要最低限というキットセットになってるのね。基本的には山の中にずっといれないような怪我だったら、下山するまで持ちこたえられるような準備と考えていて。
経験から学んだファーストエイドキット
もともとはバンドエイドとその他必要最低限のもの、という程度しか持っていってなかったんだけど、以前スコーミッシュのトレイルを歩いている時にこけてスネに穴があくほどの大怪我をして、大量の血が出て止まらないということがあったの。
下山までには3時間必要、それから病院までの移動にも時間がかかる。でも血が止まらない。なんていうのを経験してファーストエイドは大事だなと考え直した。こういう危機的状況から病院まで持ちこたえるためのファーストエイドキットは必要だって思いはじめて色々情報収集を重ねて買い足していったの。
軽い傷用ファーストエイド
まず怪我をしてしまったら水で流す。水で流したあとに必要に応じて消毒をする。
小さな怪我であれば傷口にバンドエイド、もしくは防水バンドエイドを貼る。そうして山行を続けるっていう使い方。
バンドエイドでは傷が治まらないちょっと大き目の傷で、だけどそのまま山行が続けられそうな怪我の場合は、滅菌ガーゼをハサミで切って汚れた部分をふき取り、切り取ったもう一方のガーゼを傷口に当てて防水フィルムを上から張る。こうすることで傷口に何も寄せ付けないようにして山行を続けるっていう使い方。
傷口の周りが汚れなどでぐちゃぐちゃしちゃうと防水フィルムの付きが悪くなるから、例えば泥んこのところで転んでしまった時なんかは傷口だけ清潔にするんじゃなくて、その周りもしっかりふき取って乾燥させると防水フィルムが剥がれずに済むので気を使うようにしている。
個別包装の滅菌ガーゼは応用もきいて、例えば目がどうしても痛くて目の中に入ったゴミを取るなんていう時このガーゼを手に取ってふき取れば、雑菌が目に入ることを防げるので便利なアイテムだと思ってるんだよね。
大きな怪我に活用するファーストエイド
今までは、僕はここまで紹介したファーストエイドぐらいしか持ち歩いていなかったんだよね。だから冒頭にも話したとおり、スコーミッシュでの怪我で多くの血が出て、その上からバンドエイドを貼ってもすぐに血に押し出されて剥がれてしまう。同じく滅菌ガーゼと防水フィルムでも同じような状況だったと思うんだよね。
そんな状況だったけどなんとか下山して、救急病院に直行して処置してもらった。その後の治療でお医者さんに言われたのは「本当に感染症にならなくてよかった」っていう事だったの。フィールドで深い傷を負うと細菌感染がすごく心配でしょ。土壌中に広く常在する破傷風菌による破傷風にやられてしまうということだって大いにありえると思うんだ。
ファーストエイドの1つに抗生剤配合の軟膏
僕はその時に病院にかかるまでにしていたことは山から下りて消毒などの処置をして、血をふき取ってから抗生剤配合の軟膏を傷口に塗って、その上からバンドエイドを何枚も重ねて張って、さらにテーピングで剥がれないように巻きつけてたの。結果的に細菌を寄せ付けなったっていうのが非常によかったんだと今になって思ってる。
そういう経験から抗生剤配合の軟膏を持ち歩くことは感染症を防ぐ手段の1つなのかなあと感じていて、それからは持ち歩くようにしてる。
僕がもっているものはスコーミッシュで購入したものなので日本には売ってないんだけど、抗生剤配合の軟膏は日本でも販売されているのが幾つかあるから無くなったら調べて追加購入すると思うよ。抗生剤配合の軟膏は幅広い細菌感染症に効果を発揮するんじゃないかと考えてる。
ファーストエイドの想定している使い方
大きな傷をおってしまった場合は綺麗な水があれば傷口を洗い流し軟膏を塗って、ヘモスタパッドで止血して、テーピングをぐるぐる巻いて病院にかかるというような使いかたをすると思う。
ヘモスタパッドはフルマークスの舘下さんからの紹介がきっかけで買ったんだけど出血がひどい場合はとても有効活用できると思うよ。
テーピングは捻挫をしてしまったり骨を折ってしまったりした時に、たち木をそえてテーピングで巻きつければ応急処置になる。また傷口をおさえるシートをとめておくことにも使えるし色々と活用幅のあるアイテムだと思う。
日本手ぬぐいは三角巾などの役割として使ってる。立ち木を添えた腕を首からかけて吊ったり、捻挫をした時のテーピングと同じように使うこともできるし、止血がしずらい頭から血を流したときや関節部分の傷にくくりつけることもできたりと万能に使えるよね。
もしも一日何も使わずに持ち帰ることができれば最後の温泉でこれはタオルに早変わり!
エマージェンシーにも使えるキット
ロキソニンは基本飲まない。生命にかかわるような状況に陥ったり、ほんのちょっとで事が大きく改善することがわかっているような状況の時に仕方がなく飲むかもしれないお守り的なもの。
例えば足首が歩けないほど痛くて、このままだと誰にも見られず助けられず遭難しそう。でもあそこまで歩けば登山道にでることができる。でも痛くて歩けない。そんな時に痛みを緩和させるために飲むというような例が挙げらるかな。
2ミリ2メータの紐は靴紐が切れたら靴紐に使ったり、テントの針綱に使ったりと、全く重さも気にならないので持っておけば色々と応用が利くかなと思って持ち歩いてるもの。靴紐でも80センチぐらいが2本だと思うので2メータぐらいあればとりあえず一足セットの靴紐変わりになるでしょ。
ダクトテープは道具の応急修理用。エアーマットに穴が空いたらその山行はおしまい。長い縦走だったりしたらもう最悪!
テントの天井にちょっと穴があいてもおしまい。羽毛のシュラフを切っちゃって羽毛が出まくってもおしまい。靴底剥がれちゃってもおしまい。そういう“おしまい”な状況を全部このダクトテープが助けてくれるんだよね。
もしもの時のファーストエイド
ヘッケル・インセクトポイズンリムーバーは蜂にさされた、ブヨにさされたっていう時に毒を抜いてあげることでその後が全然ちがう。ザックの中にしまってしまうと出すのが面倒だったり、刺されたらなるべく早く毒をぬいたほうがいいと思うから他のエマージェンシーとは別にして、これだけ取り出しやすい場所に入れておく。こういう心がけは大事でしょ。
ビクトリノックスのクラシックは必要最低限のものがついている定番もの。すごく使えるんだよね。
ナイフ、ハサミ、ヤスリ、マイナスドライバー、ピンセット、ヨウジ。
ピンセットはとげが刺さった時に使えるしハサミはガーゼを切る時に使えるし、とにかくこれだけ色々と汎用性があるのにものすごく軽いんだよね。トゲが刺さった時にトゲが取れないってスーパーストレスでしょ。これ1つあるだけで全然違う。
身を守るために携帯しているキット
それと虫除けアイテムとしてハッカ油とエタノールと水をブレンドしたものをスプレーボトルに入れて持ち歩いてる。僕の場合はハッカを少し強めにしてブレンドするの。渓に入ってマウンテンカラをしていた時に、顔の周りにメマトイが飛び回って目障りな時に、スプレーを帽子のツバに付けたり肩のあたりにつけておけば寄り付かなくなるんだよね。
予備ライトは必ず持ち歩くもの。ヘッドライトも持ってるんだけどヘッドライトの電池が切れたり壊れたりした時のお守り変り。ヘッドライトだけだと光量が足りない時にはハンドライトも活躍してくれるし、予備にしか使えないんじゃなくて光量も使いやすさもしっかりしたハンドライトと思ってジェントスの閃をセレクト。
腹の痛みとか頭痛は自然治癒を基本としているから僕のエマージェンシーキットは傷寄りなんだよね。それとファーストエイドと合体させて持ち歩くというのが基本スタイル。
ファーストエイドを収納する
そうして僕がこれらエマージェンシーキットを入れているのがジップロックのフリーザーバッグM。信頼できるジップロックは密閉性が高く中のものを濡らしづらいからとても重宝してる。僕のまわりで使っている人とっても多いよ!
なぜMがいいかっていうと収納した大きさがちょうどよいから。密閉性も高いので中の空気をおしだしてぺちゃんこにして「サッ」とザックに滑りこませる。なぜフリーザーバッグがいいかっていうのと一番厚みがあって破ける心配が極力少なくなるから。だから使い勝手抜群なんだよね。