燕岳の登山は北アルプス登山の入門編として人気があります。燕山荘にはテント場があり、テント場からの眺望の良さは素晴らしいです。燕山荘まで最もアクセスの良い中房・燕岳登山口から登山することを想定した登山装備と、燕岳を目の前に楽しめるテント場情報について紹介します。
燕岳のテント場について
テント場の気温
燕岳は標高2763mに位置し、気温は最も低い月で2月の-21度を記録します。風が当たることで体感温度は大きく変わるため防寒着をしっかり準備すると共に、風をしっかり遮るハードシェルの準備も怠らないようにしましょう。
山の名前 | 燕岳 |
都道府県 | 長野県 |
標高 | 2,763m |
天気・アクセスなど | 燕岳の詳細情報 |
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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最高気温 | -11.9 | -10.8 | -5.9 | 2.3 | 8.3 | 11.8 | 12.4 | 12.5 | 11.9 | 5.7 | -0.9 | -8 |
最低気温 | -19.6 | -21 | -15.6 | -9.2 | -3.3 | 1.8 | 6.3 | 7.2 | 3.1 | -5.7 | -10.2 | -15.5 |
テント場の予約
燕山荘テント場は、コロナウイルス感染防止を図るため予約制となっています。コロナ下ではない時期に置いては予約の必要がない場合もあるため、事前に確認をしましょう。予約は燕山荘のオフィシャルサイトから行えます。テント場の料金は1人2,000円です。(料金の変動の可能性があるため、詳細はオフィシャルサイトでご確認ください。)
テント場の広さ
テントの張り方にもよりますが40張可能です。敷地が狭いので協力しあってテントを張るように心がけましょう。テントは非自立式の場合はガイラインを張るためのスペースが必要であったり、前室の広いテントであれば、それだけ必要面積が広くなるなど、お持ちの登山用テントの必要スペースも事前に確認しておきましょう。
テント場での注意点
燕岳の周辺では雷鳥をみることができます。雷鳥保護のために整地や水切り、またゴミの持ち帰り、調理後のタレや汁などを捨てないように注意しましょう。人間が出した匂いを嗅ぎつけて猿やキツネなどが標高を上げて登ってくることで雷鳥の赤ちゃんが危険に晒されます。テント場は特別保護地区となっていることを忘れないようにしましょう。
水場について
周辺に水場はありません。水は別途有料となります。燕山荘喫茶室外売店(燕山荘朝食時間~18:00)で購入することができます。水がポンプアップ出来ない時期は、500ml、2ℓのペットボトルの水の販売となります。1リットル200円で販売しています。
燕山荘におけるおすすめテント泊装備
上記の燕山荘のテント場を見てもわかる通り、テントを張ることのできる空間は非常に狭いです。ですのでテントは自立式で、必要面積が少なくともしっかり張ることのできる山岳用テントがおすすめです。
また中房・燕岳登山口から燕山荘までは距離約5.5km標高差約1,260mで、整備された登山道とはいえ、北アルプス三大急登とされる合戦尾根の上りとなるためできるだけ軽量な装備が望ましいです。これらを踏まえておすすめのテント泊装備を紹介します。
テントは自立式で軽量
狭いテント場において注目すべき点は1人用テントでできるだけフロア面積が少ない自立式テントであるということでしょう。2人用テントでも設営することはできますが、場所が限られるという点を懸念しておくことが重要です。以下で紹介するテントは、自立式、フロア面積のコンパクト性、軽量性の3点に重きを置いています。
NEMOホーネットストーム 1P
ダブルウォールの山岳用テントの中でも最軽量レベルのテントとして人気のあるNEMOのホーネットストーム1Pは重量760gと非常に軽く設計されています。フロア面積も就寝スペースとしては十分な広さを確保しつつも、天井が高く設計されており、居住空間としては申し分のない広さがあります。
価格 | ¥42,000 |
就寝人数 | 1人 |
最小重量 | 760g |
フロア面積 | 221cm×79~108cm×98cm |
前室面積 | 奥行61cm |
ビッグアグネス Fly Creek HV UL1
価格 | ¥46,000 |
就寝人数 | 1人 |
重量 | 936g |
室内サイズ | 218×97~71×97cm |
前室面積 | 奥行61cm |
NEMOのホーネットが長辺が出入り口設計となっているのに対して、ビッグアグネス Fly Creek HV UL1は短辺に出入り口が付いています。これによって狭い空間でのペグダウンが行いやすいメリットがあります。
ヘリテイジ クロスオーバードーム
価格 | ¥48,400 |
就寝人数 | 2人 |
重量 | 630g |
室内サイズ | 210×100cm |
前室面積 | なし |
シングルウォールの自立式でテント泊上級者におすすめできるアイテムです。テントではなくドームツエルトで、結露、前室なしなどダブルウォールテントと比較するとデメリットも多いが、狭いテント場での設営に適しています。また圧倒的な軽さがあり、デメリットを上手に克服することで武器となるアイテムです。
シュラフは保温力が高く軽量なダウンシュラフ
多くのシュラフが夏用シュラフで500g前後の中、以下で紹介するシュラフは400g以下に抑え、しかも保温力にも優れたモデルです。秘密はフィルパワーの高さで、高品質なダウンを使用していることから価格は高めとなっています。
Rab ミスティックウルトラ180
価格 | ¥75,900 |
使用温度 | 0℃ |
重量 | 約400g |
ダウン | 900フィル認定RDS、フッ素FREEの撥水ダウンを使用(NIKWAX社と共同開発) |
フィルパワー | 900FP |
ダウン性能に定評があるRabのシュラフは内側にチタンコーティングされた撚り糸を生地に直接織り込んであり、輻射熱によって身体を温める効果があります。耐水性のある撥水ダウンを使用しているので、結露などにも安心して使用できます。
シートゥーサミット スパークSP1
価格 | ¥30,250 |
使用温度 | 9℃ |
重量 | 約350g |
ダウン | 撥水トリートメントされたウルトラドライプレミアムグースダウン |
フィルパワー | 850FP |
撥水ダウンを使用したシュラフで軽量性とコストパフォーマンスの良さが魅力です。Sp1以外にも温度域別でシリーズ展開されており、季節に応じてシュラフを使い分けやすい特徴をもった製品です。
ナンガ ミニマリズム 180
価格 | ¥53,900 |
使用温度 | 0℃ (NANGA基準) |
重量 | 約325g |
ダウン | ハンガリー産シルバーグース95% |
フィルパワー | 930FP |
ナンガ基準の使用温度なので比較しづらい点が否めませんが、高品質なダウンを使用していることで、暖かさを確保しています。コールドスポットとなるジッパーを極力省きミニマルな作りが特徴的です。
テントマットは軽量でコンパクトなエアタイプ
サーマレスト ネオエアーウーバーライト
価格 | ¥26,000 |
重量 | 250g |
サイズ | 51×183×6.4cm |
収納サイズ | 15×9cm |
R値 | 2.3 |
素材 | 15Dナイロン |
サーマレストのファスト&ライトシリーズは軽量且つコンパクトに収納できることが特徴で、エアー式と自動膨張式の2種類が存在します。商品名にネオエアーとつくのがエアー式のテントマットで、自動膨張式に比べるとコンパクトに持ち運びができて軽量であることが魅力です。このネオエアーシリーズの中で最軽量のモデルがネオエアーウーバーライトです。
NEMOテンサーマミー
価格 | ¥19,250 |
重量 | 345g |
サイズ | 51×183×8cm |
収納サイズ | 20×7.5cm |
R値 | 1.6 |
素材 | 20DPUポリエステル |
軽量性と寝心地の良さを両立させたテントマットです。トラスト構造は内部に伸縮性をもたせてエアマット特有のフワフワ感をなくし、安定した寝心地を提供してくれます。
その他テント泊におすすめの装備
シュラフカバーにもなる安心アイテム「SOLエスケープライトヴィヴィ」
SOLのエスケープライトヴィヴィは寝袋にすぽっといれて寒さを凌ぐことができ、単体で寝袋変わりに使うこともでき、エマ-ジェンシーキットにもなるし、シュラフカバーにもなる汎用性の高さがあります。年のために持ち歩いて寒い場合はシュラフの上にかぶせて使用することで、快適な睡眠が行える可能性がぐんっと高まります。
寒い季節に使用温度をアップ「コクーンマミーライナー」
コクーンの色々あるモデルの中でもシルクにリップストップが施されていて、生地が裂けないように強度が施されているコクーン独自の素材で作られているアイテムです。コクーンの商品の中では一番軽量で、冬の寒い時期にシュラフと合わせて使うことで使用温度域をアップさせることができます。
グランドシート代わりに軽量&耐久性のある「タイベック」
テントのグランドシートとして使用できます。透湿・防水・遮熱性・強靭性を兼ね備えており、しかも軽量で安価なので、テントを守るためにも是非取り入れたいアイテムです。200×100と汎用性が高いサイズで角にペグダウンができるようハトメが付いています。アルミニウムを蒸着しているので、土からの冷気を放射し、テントからの暖かな熱を反射させる能力も備えています。