パタゴニアのキャプリーンは登山、トレイルランニングなどのアクティビティをする人の多くが愛用しているベースレイヤーカテゴリーに属するウェアです。このモデルはより快適なアクティビティとなるようアップデートが繰り返され年々進化を続けています。
今回はパタゴニアのベースレイヤー『キャプリーン』の種類と特徴をパタゴニアのプレス担当、太宰さんに直接伺いました。キャプリーンの強みを知ってアクティビティに取り入れてみてはいかがでしょう?
パタゴニアのベースレイヤー『キャプリーン』とは
キャプリーンは1985年にポリエステル製のベースレイヤーとして登場しました。80年代当時、登山界がコットン・ウール・ダウンという保水性のある素材でのレイヤリングが一般的だった頃に、水分を吸収しない化繊パイルと重ねるポリプロピレンのアンダーウェアを製造し、更にそのポリプロピレンの融点の低さ(高温で強力なコインランドリーの乾燥機では生地が溶けてしまいました)や臭いが残りやすい弱点を克服する、繊維の一本一本に刻み加工を施したキャプリーン・ポリエステルを発表しました。
長く愛されるキャプリーンも進化を続け、現在はその多くにリサイクル・ポリエステルを使用し、スイスのマテリアルAG社のハイキュ・フレッシュ耐久性抗菌防臭加工を施しています。(メリノウールを使用しているキャプリーンはその天然の抗菌作用により防臭効果があります。)
パタゴニアのキャプリーン種類と特徴を徹底解説-パタゴニアプレス担当者直伝
キャプリーンには夏山から冬山、登山やトレイルランニング、スキーやサーフィンなど様々なアクティビティで使用可能な商品展開となっています。透湿性、保温性、速乾性に違いがあり、行く場所の気温と運動量を考えてキャプリーンを選ぶことで汗をかきづらく快適にアクティビティを楽しむことができます。
以下の表はキャプリーンの種類と機能性の高さを表したもので薄手モデル順の表になっています。どのような種類のキャプリーンがあり、またそれぞれの特徴の大枠を確認することができます。
※横スクロールで表がスクロールできます。山旅旅ライター独自で作成商品名 | 速乾性 | 透湿性 | 保温性 |
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クール・ライトウェイト | 高 | 高 | 低 |
クール・トレイル | 高 | 高 | 中 |
クール・メリノ | 中 | 中 | 中 |
ミッドウェイト | 低 | 中 | 高 |
サーマルウェイト | 中 | 中 | 中 |
エア | 高 | 高 | 高 |
キャプリーンの種類と特徴が把握できたら、次に展開スタイルをチェックしてみましょう。タンクトップは涼しい風を取り込みやすく、暑い日のハードなアクティビティに最適なスタイルです。Tシャツは様々なアクティビティでオールシーズン活用できる汎用性の高さが魅力です。ロングスリーブは日焼けから肌を守り、保温力にも優れた特徴を備えています。ジップネックフーディは寒暖時の体温調整がしやすく、寒ければミッドレイヤーとしても活躍する調整機能が魅力です。
※横スクロールで表がスクロールできます。※メンズでの展開を記載。タンクトップはウィメンズのみの展開商品名 | タンクトップ | Tシャツ | ロングスリーブ | ジップネック | ボトム | その他 |
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クール・ライトウェイト | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ | |
クール・トレイル | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ | ポロシャツ |
クール・メリノ | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ | |
ミッドウェイト | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ | |
サーマルウェイト | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ | ジップネック・フーディ |
エア | ✕ | ✕ | ◯ | ✕ | ◯ | フーディ |
キャプリーンの種類と展開スタイルを把握できたら、次に種類別の特徴を紹介していきます。ご自身に当てはまるアクティビティと、行動中の悩みを解決するポイントをチェックしてみましょう。
最も軽量で通気性抜群のベースレイヤー『キャプリーン・クール・ライトウェイト』
夏の低山登山やハイキング時のベースレイヤーとして着用することで、涼しい風を取り込むことができ、汗をかいても乾きやすいメリットがあります。またトレイルランニングなどの運動負荷の高いアクティビティでは涼しくドライに保たれることで汗冷えがしづらく快適に行動することができます。肌面の凹凸形状は水分をすばやく吸い上げる特徴があります。
冷涼から暑熱におよぶ気温のなかで激しい運動をともなうアクティビティに最適で、その高い速乾性と軽量性はクライミングやハイキング、トレイルランニングやロードランニングなど幅広いスポーツに選ばれています。スリムフィットで、汗をかいてもすぐに吸湿拡散ができます。
登山における使用例
- 夏の低山登山やハイキング
- 夏のトレイルランニング
汎用性に優れたベースレイヤー『キャプリーン・クール・トレイル』
吸湿発散性を備えた快適なジャージーニット素材で、キャプリーン・クール・ライトと同じ冷涼から暑熱におよぶ幅広い環境での激しい運動時に最適なシャツです。またコットンライクな風合いやレギュラーフィットの少しゆとりのあるシルエットは、山から下りた後やその後の食事の時にもサラリと着やすいデザインです。山や川、海に行かない日にもつい毎日着てしまう非常に柔らかく快適な肌触り。
登山における使用例
- 春~秋のハイキング
- 春~秋のトレイルランニング
メリノウールの保温性を楽しめる薄手のベースレイヤー『キャプリーン・クール・メリノ』
春や秋山の、たっぷり汗をかくけれど冷たい風が吹くようなコンディションにも、キャプリーン・クール・メリノは体温管理を担います。メリノウールとリサイクル・ポリエステルの混紡素材を使用し、体温のオーバーヒートを防ぎながら、肌寒い春や秋の風が吹く時にも汗冷えを感じにくくします。
レスポンシブル・ウール・スタンダードの認証済みで、農場から繊維まで動物と放牧地の両方が守られていることの保証を助けます。メリノウールの天然の抗菌作用により消臭性能をもち、毎日着続けても臭いが気になりません。
登山における使用例
- 春~秋のハイキング
- 4シーズンのトレイルランニング
- 春山スキーのハイクアップ
肌寒い季節のベースレイヤー『キャプリーン・ミッドウェイト』
寒いけれど凍えるほどではないという季節での山歩きや激しい運動を伴うアクティビティには、保温性と通気性が発揮されるミッドウェイトが最適です。リサイクル・ポリエステル100%素材が、吸湿発散性を促進しながら暖かさを閉じ込め、中空糸を使用した高い通気性でムレにくい構造です。寒冷な季節でも縦走やトレイルランニングはたっぷり汗をかきますが、ダイヤモンド・グリッド構造の裏地は肌当たりがサラリとして快適です。
登山における使用例
- 春、秋、冬のハイキング
- 春、秋、冬のトレイルランニング
- 春スキー
冬の寒さに快適なベースレイヤー『キャプリーン・サーマルウェイト』
積雪期の冬山歩きなど寒冷な状況で、軽量でかさばらずに、しっかりとした保温と通気性を発揮します。夜間や冬季のトレイルランニングなどでは保温用の重ね着としても選ばれる方が多く、ボトムはバックカントリースキーや積雪期の登山などのベースレイヤーにも最適です。ハイキュ・フレッシュ耐久性抗菌防臭加工済みで、毎日着続けても安心です。
スタイル | 価格 | 重量 | レディース展開 |
ロングスリーブ(クルー) | ¥12,100 | 147g | あり |
ジップネック | ¥13,200 | 176g | あり |
ジップネック・フーディ | ¥15,950 | 218g | なし |
ボトム | ¥12,100 | 133g | あり |
登山における使用例
- 冬季のハイキング
- 積雪期のトレイルランニング
- 冬季バックカントリースキー
温かく通気性に優れたメリノウールベースレイヤー『キャプリーン・エア』
特に寒さが厳しい地域、時期の雪山のフィールドでは、驚くほどの温かさと幅広い範囲で快適さを提供するキャプリーン・エアが選ばれています。縫い目の無い3-Dニット構造を採用し、スリムフィットで汗をすぐに吸湿・発散し、濡れてもすぐに乾きます。RWS認証済みメリノウールとリサイクル・ポリエステルの混紡素材で、天然の抗菌作用により臭いも気になりません。
登山における使用例
- 冬~厳冬期のハイキング
- 積雪期のトレイルランニング
- 冬季バックカントリースキー
まとめ
キャンプリーンシリーズは、様々な環境下、レイヤリングに柔軟に対応するウェアとして登山、トレイルランニング、スキーといったアクティビティで重宝することがわかると思います。湿気が多く、1年の中で四季がある日本の環境下でこそ力を発揮するパタゴニアのキャプリーンをこの機会に是非取り入れてみてはいかがでしょう?