ダウンの保温性能を生かすためのボックスキルトを採用したダウンシュラフで驚きの400gというスペック!イギリス発のRabがシュラフから製品づくりが始まったことはあまり知られていない。そんなRabのシュラフ「ミシックウルトラ180」を紹介していきます。
おすすめポイント
- 熱反射性のサーモ・アイオニック・ライニング・テクノロジーを採用
- 通気性を損なうことはなく、効果的に放射熱をシュラフ内に反射
- ボックス構造で作られているのにも関わらず400gと軽量化を実現
- 体から出た熱を外に逃がさないよう首と肩を包み込むチューブが内蔵
- 短いジッパーによるコールドスポットの削減
商品概要
ブランド | Rab |
商品名 | ミシックウルトラ180 |
商品説明 | 世界初の熱反射性サーモアイオニックライニングテクノロジーを採用したMythic Ultra 180は、1グラム単位での軽量化を必要とする人のための先駆的なプロテクションを提供します。 |
価格 | ¥75,900(税込) |
重量 | 400g |
生地 | 表地 -100% nylon 裏地-100% nylon with Titanium coating |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★★ |
コンパクト性 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
比較対象となるシュラフを検証
400gでリミット温度が0度のスペックを持つミシックウルトラ180ですが、同様の重量とリミット温度を持つシュラフで比較してみました。
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | Rab | シートゥサミット | シートゥサミット | ISUKA | NANGA | モンベル |
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製品名 | ミシックウルトラ180 | スパークSp1 | スパークSp2 | エアプラス 280 | UDD BAG 280DX | シームレス ダウンハガー800 #5 |
重量 | 400g | 350g | 505g | 550g | 325g | 441g |
リミット温度 | 0℃ | 5℃(EN) | -2℃(EN) | 2℃(EN) | 0℃ | 3℃(EN) |
ダウングレード | 900+フィルパワー | 850+フィルパワー | 850+フィルパワー | 800+フィルパワー | 930+フィルパワー | 800+フィルパワー |
ダウンの特徴 | 撥水ダウン | 撥水ダウン | 撥水ダウン | -- | -- | -- |
構造 | ボックスキルト | シングルキルト | ハイブリット | ハイブリット | シングルキルト | スパイダーバッフルシステム |
ヨーロピアンノームと呼ばれる温度検査規格が使用されているものとそうでないものが存在するので一概に「こちらのシュラフが暖かい」とは言えませんが、フィルパワーが高いほど軽量かつリミット温度が低く設定されていることがわかります。ダウンの質はそのまま価格にも反映されます。
そしてダウンにとって大敵となる濡れ対策に撥水ダウンを採用したモデルはRabとシートゥサミットで、ISUKAとモンベルはシェルに撥水加工が施されています。
全てのシュラフを触ってみるとわかると思いますが、Rabのミシックウルトラ180は特に柔らかくふんわりしています。しっかりとスタッフバッグでコンプレッションしないとザックの中で大きく膨らんでしまうフィルパワーの高さは魅力です。Rabミシックウルトラ180にはロールトップのスタッフバッグが付属しているので、これでコンプレッションできます。
世界初を採用した面白いシュラフ
ミシックウルトラ180のシュラフの内側は宇宙服のように銀色です。これは熱反射性のサーモ・アイオニック・ライニング・テクノロジーを採用しており、体から出た熱を反射し保温力を高めています。
チタンでコーティングした繊維で作られているリップストップナイロンなので通気性を損なうことはなく、効果的に放射熱をシュラフ内に反射させます。
これによってダウン量を減らし、ボックス構造で作られているのにも関わらず400gと軽量化を実現しています。
暖かさは細かな特徴の積み重ね
暖かさを保つ特徴はダウンの質、熱反射性の素材、ボックスキルトの採用に留まりません。
1つは首と肩を包み込むチューブが内蔵されています。肩と頭周りをドローコードでシュラフをフィットさせることで、体から出た熱を外に逃がさないよう作られています。これは体を温めるのにかなり有効です。
2つ目は短いジッパーによるコールドスポットの削減です。これはかなり潔い作りで、シュラフ内の熱調整がしづらい分、保温力に重点を置いた作りと言えます。ジッパーの短さは軽量化にも反映されています。
使用シーン
3シーズンの中でも真夏に使用するシュラフとしてはオーバースペックです。3,000m 級の高山で縦走を楽しむ時のシュラフとしても、暑いなあと感じます。ただし非常に軽量なシュラフなので、布団をかけるように夏場は使用して、もしも意図しない寒気で気温が落ちればシュラフに潜り込むという使い方も可能です。
晩秋、雪のちらつく10月後半〜12月もダウンウェアやエマージェンシーブランケットを併用することで暖かく快適に過ごすことができます。こう考えるとかなりの期間使用できるシュラフで、価格は高いですがコストパフォーマンスに優れていると考えて愛用しています。