11月半ばを過ぎたこの日、晩秋の上州は子持山にそびえる獅子岩に挑むクライマー達に密着。クライミングスタイルは マルチピッチ。 パートナーとロープで結び合い命を預けながら幾つものピッチを繋ぎピークまで登攀します。彼らのチームワーク、トップアウトまで緊張感と達成感をお伝えできれば幸いです。
子持山・獅子岩について
子持山(こもちやま)は群馬県上信越、渋川市にある古い火山で標高は1296m。「ぐんま百名山」の一つに選ばれてます。20万年前まで続いた火山活動の休止後は浸食が進行、火山内部構造が地表に露出しました。上部には岩化した火道のマグマが柱状にそびえる「獅子岩」があり、天に咆哮する獅子のような山容は標高差120m程の1枚岩。断崖の巨岩はマルチピッチのゲレンデとして多くのクライマーを集めます。トップからの眺望は実に素晴らしく、一般登山ルートも行く価値大です。
マルチピッチクライミングにおける装備チェック
08:30
入念な装備チェック&準備からスタート。
08:50
子持山までのアクセス道は2016年の落石による被害で改修中、現在3号橋手前から7号橋の間が通行止めとなり上部駐車場及びトイレは使えません。子持ち若人のみち駐車場が渋川市指定の公式駐車場となりますが、正直かなり遠いので状況に応じて迷惑にならない対応を。今後の復旧/最新情報につきましては渋川市公式ページをご確認ください。
渋川市観光情報 子持山登山道コースガイド
https://www.city.shibukawa.lg.jp/kankou/kankou/leisure/tozan/p000235.html
子持山若人のみち駐車場
〒371-0026 群馬県前橋市大手町1丁目
09:06
6号橋駐車場手前に大きな岩と登山ポスト。左に行けば屏風岩、この日は右に曲がり反時計回りで行くルートに。
09:12
これより登山口 しばらく針葉樹林帯を行きます。
09:31
秋の面影を残す広葉樹エリアは日当たりよく気持ち良い登り。
09:53
反射板で小休憩。
10:05
木立の間から圧倒的ボリュームの獅子岩が迫ります。
獅子岩正面に到着-クライミングの高揚感
10:15
獅子岩の基部とりつきに出る。 ルート上には先行パーティーが 2 p終了点を目指しリード中。
10:40
先行パーティーは3Pテラスまで到達。
登攀準備を開始
10:45
クライミング準備開始
1つのミスがパーティー全体の危機に陥るため、互いの装備 ・ ロープの結び目などを入念に確認し合います 。
10:59
通常マルチピッチクライミングは2人組で交互にリードし合いますが、この日は3人組とシステムが複雑かつ日本語・英語混合チーム。登攀手順だけではなく声掛け用語も互いに疎通が図れるかの最終確認を行います。
獅子岩へのアタックをスタート
11:02
マルチピッチクライミングスタート、リードはマイケル
11:15
ショーがセカンドでフォロー。
11:25
ビレイヤーのM原スタート、支点を回収しながら登ります。
2p目終了点でリードクライマーをハンギングビレイ(ぶら下がった状態でビレイ)するマイケル、パーティーの命を支えます。
逆層でスタンス・ホールド共に一見乏しく登りにくいピッチもありますが、ガバスタンスのある易しいピッチもあります。
陽キャラマイケル、この景色ですからね。
12:30
右ルートを来たフランス人と合流、なにやらインタナーショナルな獅子岩。
13:19
5~6P終了点のマイケルは獲物をゲットした狩猟民族の笑み。ここは獅子岩ピーク直下のテラス 。
テラスの立木に支点を構築するマイケル。途中でこの支点が壊れたなら高確率でパーティは奈落の底へ、安全に確保すべく十分な強度のある支点を作ります。支点構築はマルチピッチに置いて最も重要な作業です。
13:34
13:40
ここから7P目、獅子岩ピークまでわずか10mのピッチですが油断は禁物。
14:22
無限の青に無事トップアウト。充実感と達成感に包まれるこの時。
心と体を解放、晩秋を眼下に至福の時間を
最高の山飯タイムは熱々カップヌードル by HEXAR
眼下に獅子岩、背後にすっかり葉の落ちた子持山。
到着まで気を緩めず下山を開始
14:50
下山開始、一般登山道を降ります。
獅子岩頂上直下の梯子と鎖ミックス
かなり急こう配な獅子岩横一般登山道、懸垂下降の方がずっと楽ですよ、、
15:33
15:35
屏風岩前にて。過去にはこの岩壁もクライマーによって登られましたが、現在は登攀禁止とのことです。
アフタータイムのお楽しみ
下山後は「花湯スカイテルメリゾート」で癒しの時を。ここは食事も旨くおすすめです。
花湯スカイテルメリゾート
〒377-0004 群馬県渋川市半田3129−1