登山時のミドルレイヤーに求めるものは、汗抜け(透湿性)、レイヤリングのしやすさ、軽量性、動きやすさ、容易な温度調整、防臭性といったところで、全てが揃ったミッドレイヤーにはなかなか出会うことがなかったのですが、Rabシンクリーノライトは全てを揃え、寒い季節のミドルレイヤー以外に、暑い季節のアウターにも最適です。
商品概要
ブランド | Rab |
商品名 | Syncrino Light Pull-On |
商品説明 | シンクリーノシリーズは、メリノウールとフリースを併用したハイブリッドタイプ。 メリノウールならではのナチュラル素材の利点生かし、高い保温性と快適性を実現。 |
価格 | ¥11,000 |
重量 | 199g |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
軽量性 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
透湿性 | ★★★★☆ |
保温性 | ★★★★☆ |
優れた透湿性はグリッド構造にあり
Rabシンクリーノライトはメリノウール44%に対してポリエステルが56%の混紡フリースです。裏地は横縞のグリッド状で、肌に当たる部分で保温を行いつつ汗を吸い上げ、凹んだ部分で透湿と乾燥を促す構造で、肌をドライに保ちます。
寒い季節のトレイルランニングでは、薄手のTシャツにシンクリーノライトの2枚が温度調整がしやすく最適で、冬山登山やピステでのスキーでは、ミドルレイヤーとして活用することで体の温度調整がしやすく快適です。12月後半から2月にかけての厳冬期では、もう少し厚手のミドルレイヤーに変えています。
レイヤリングのしやすさと容易な温度調整について
フードがないジップアップ構造のミドルレイヤーなので、上からジャケットを羽織っても干渉せず、アウターでの使用時にはフードのバタつきもありません。
上までジップをあげれば首を温める役割を担い、下げればこもった熱を一気に排出し、冷気を取り込めます。ジップアップって登山用ウェアに最適!っていつも思います。
今回着用しているシンクリーノライトはジャパンLサイズです。襟の上から裾まで実寸で63cmあり、ジッパーの長さが30cmで、約半分もジッパーが開放可能です。ジッパーの長さは重量にも関係してくるのですが、個人的には温度調整を重視しているので、ジッパーが長く、開放範囲が約半分もあるのはメリットが多いと考えています。
ハードなアクティビティでも動きやすい
シルエットは細身でありながら4wayストレッチが効いていて動きやすく突っ張ることはありません。実際に重量を測って199gと軽量で、コンパクトに持ち歩くこともできます。
ミドルレイヤーとして活用できる多くのフリースが約250〜400gの重量と比較すると、非常に軽量なミドルレイヤーだということが分かります。この軽量性は素材の薄さと比例していて、レイヤリングをした時にアウターの中が嵩張らず、動きやすさに直結します。
防臭効果と急激に冷えないメリノウール
グリッド構造を備え、ジップアップを採用したミドルレイヤーにメリノウールを混紡したミドルレイヤーってあまりなく、メリノウール素材が大好きな僕にとってはシンクリーノライトは貴重な存在です。
長期縦走やスキートリップに出かけると臭いが気になります。この臭いを軽減するのにメリノウール以上の存在にはまだ出会ったことがありません。
また汗をかくなどでウェアが湿った時に、いち早く冷たくなるのが化繊なのに対して、メリノウールは濡れたところが少し暖かく感じます。その後ゆっくりと乾いていく性質があり、寒い季節のベースレイヤーとミドルレイヤーにメリノウールウェアを着用するのは安心につながります。
シンクリーノライトのさらなる使い勝手の良さ
シンクリーノライトには胸ポケットが備わっていて、このポケットにスマホをすっぽり収納することができます。
このポケットがかなり優秀で、ピステスキーをしている時に仲間同士で電話のやり取りをする時、ハードシェルのポケットにスマホを入れていると気づきにくいのですが、ミドルレイヤーのポケットにしまっておくことでバイブ気づくことができます。
また体温によってスマホが冷えすぎず電池消耗を防いでくれます。トレイルランニングなどのハードなアクティビティ中にはあまり使用しないポケットですが、アクティビティによってはあると便利なポケットです。
袖口にはサムホールがあり手首からの風の侵入が防げるのも良い点です。腕の振りが多いトレイルランニングなどでは、どうしても手首が露出してしまい、寒さを感じるのでサムホールのありなしは大きいです。
1つ残念なのは、ベースレイヤーのように直接着用できないことです。ジッパーの裏側に肌のあたりがないように、生地の施しを付けてくれるだけでベースレイヤーとしても着用できたら汎用性がグッと上がるのに・・と思います。