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ランとテンカラで山旅を楽しむ『マウンテンカラ部 Vol.3 ~最終日~』

ランとテンカラで山旅を楽しむ『マウンテンカラ部 Vol.3 ~最終日~』

2日目から曇り空が続いており、時々ポツポツと雨にも見舞われていたものの3日目は曇り時々晴れというような天気。広河原のテント場でグッスリ眠り、ちょっと遅めの7時起床。

テント場で飲んだお酒


昨日の夜はテントも密集していたので、ちょっと離れた場所で静かに最終日の計画話。それにしても飲んだなあ~。

ムッチーくんは残念ながら今日の夕方から仕事の用事があるということで朝には出発するということ。ナミネムくんは本日中に新潟の実家に帰れればいいのである程度時間の余裕がある。高橋くんと僕は明日まで泊まっていれるという、のんびりVIP待遇。

計画をテント場で

今日の予定は『昨日釣りは楽しめたし、釣り人も多いので、山登りを楽しもう』という計画。そうしてせっかく目の前に北岳があるんだから、これをピストンで行って、「2番目に高い山から1番高い山を拝もう」という計画となった。

ムッチーくんとはここでお別れ。一人寂しくない?なんて思っていたら遠くから「ムッチー!」と声が。どうやら釣り仲間のよう。そうこうしていると更に知っている顔が2名。以前「毛ばりカフェ」でお邪魔をしたBASE CAMPの店主に、山旅々でギアを紹介してくれた松本さん。彼らは今日、広河原で釣りを楽しむという。

「ムッチーが広河原でたった5匹!?いつもなら数十匹は確実に釣り上げるのに、相当渋いんだな~」なんて意見を交わしていた。ナミネムくん、高橋くん、僕は「そんなに釣っちゃうんだ・・・」と思わずにはいられなかった。

北岳までの登山道

広河原山荘のテント場から北岳までの通常のコースタイムが6時間20分。下山で4時間20分。合計で10時間40分。

7時30分に出発してこのコースタイム通りに歩いたら広河原着は18時10分。これじゃナミネムくんは帰れない。「14時30分のバスに乗れるといいなあ」という事なので、「ちょっと早歩きぐらいで登ればなんとかなるね」という事でスタート。なかなかハードで面白い山行になりそうだ。

北岳までの登山道

スタート地点は行列。それでも急がず他の登山者たちとペースを合わせて標高を稼いでいく。分かれ道があったり、歩くスピードの違いにより徐々に登山者通しの間隔に空きが出てくるので、後半はペースを保って歩くことができる。途中では多くの方々に道を譲って頂き、ありがたい気持ちでいっぱい。しっかりとお礼のあいさつを交わしながら先をいそぐ。

北岳までの登山道

最近仲間に触発されて植生についての書籍を読んでいる。だから標高を稼ぐことで生態系が変わる様が面白く、低い場所では密生していた植物も標高を重ねることでそれがまばらになり、高山植物と言われる植物たちが目に留まる。その違いに目を光らせて景色を楽しんでいた。

北岳までの登山道

「もう2600メートルなのに、まだ緑が濃いんだよね。北アルプスだったらすでにハイマツ帯に入っているはずなのに南はちょっと違うんだよね」とナミネムくん。なかなか鋭い観察眼。

キタダケ草

「この先に行くとお花畑が広がっていて綺麗なんだよね」とナミネムくんが教えてくれた場所には沢山の高山植物を見つける。キタダケソウらしき花を見つけるも最盛期が6~7月というから時期が違う。それでも綺麗な花々に一時心を休める。

北岳までの登山道

しかしこの日は日差しが強く、暑さが厳しかった。「うわあ~暑い、苦しい」と高橋くん。この暑さには僕も辟易する。その横では涼しい顔をしたナミネムくん。

北岳までの登山道

2日目に感じたそれぞれの個性。岩場に強い高橋くん、弱いナミネムくん。今回も新たな違いが標高2600メートル付近で見つかった。暑さに強いナミネムくん、弱い高橋くん&僕。これもまた面白い発見になった。

北岳までの登山道

「北岳の肩の小屋に着いたら、カレーとコーラーを頼もうよ!」という誰が発した言葉だったか、今となっては忘れてしまったが、それから高橋くんの発する「暑い、苦しい」は「コーラー、コーラー」と変わったのだった。

そうこうしているうちに北岳山頂が見える位置へ。「うわお!」と3人は感激の声。面白いことに、こうやって遠目から北岳山頂までの急峻な登山道と、肩の小屋までの緩やかな登山道を比べて見てみると、まったく違う景色が垣間見れる。これは地質が全く違っているのであり、それによって植生も変われば景色も変わる。

山の中に地質が変わり様相の違いを分かりやすく比べることができるのはなかなか面白く、植生の本を読んでいなければ発見できない事だった。

肩の小屋でコーラ

ようやく肩の小屋に到着。時間は11時ちょっと前。4時間を切るペースで登っているから少しゆっくり時を過ごせる。

カレーを頼んでコーラで乾杯。高橋くんは暑さに打ち勝つために「気迫」で乗り越えるらしい。僕は3人で一丸となって、この1日を満喫する為に「チーム」で乗り越えたいと意気込んだ。ナミネムくんは苦笑いで「真剣勝負」とつぶやいた。

肩の小屋でカレー

カレーが運ばれてきて一口。「う、うまい!」
なんてことはないレトルトカレーだと思うんだけど、とにかく電解質が奪われていた身体には染み渡った。今まで山小屋で何かを頼んで食べるということをせずに行動食で済ませていた僕には感動的だった。「これ!うまいね!すごいね!」と感動しっぱなしの僕に、2人は「やっぱり山小屋の飯はうまいよね。」と落ち着いたコメント。(笑)

北岳までの登山道

そうして残り少し、肩の小屋を後にして北岳山頂を目指す。

北岳到着

標高3,193メートルの北岳!到着!
生憎の曇り空の中、富士山を拝むのは難しいか!と思っていたら晴れ間がのぞく。そうしておおよそ30秒ぐらいだったか、なんと富士山が顔をのぞかせてくれたのだ。
なんとか写真に収めたいと思ったのだけど、白い雲の合間にのぞかせた白いシルエットの富士山はなかなかピントを合わせるのが難しく、そのうち雲の中に隠れてしまった。

北岳までの登山道

毎回思うのだけど、天気には恵まれる。それもこれも高橋くんの晴れ男ぶり!「僕がいると95%晴れる」と言いきる高橋くんに以前は「何を言ってるんだ、この人は」と冷ややかな目を向けていたけど、こうまで行くところ行くところ晴れると納得がいく。

この後、若干コースを変更して広河原に到着。時間は1時30分。帰りの道は草スベリという道を使って降りていた僕は滑って転んでしまった。大した怪我はなかったけど焦った。ここは細かい石が多くその上を歩くので滑りやすいです。「草スベリ」ちゃんと意味のある名前だったわけだ。

ビールで乾杯
バスに乗り込むナミネムくん

ナミネムくんは予定通りバスに乗り甲府に向かい。高橋くんと僕はアクビをしながら今日までの楽しさを振り返り、早めに就寝。山、川、山と目の前にあるフィールドで遊びに明け暮れた大満足な3日間。怖い思いもしたし、楽しい思いもした憧れの南アルプスでのマウンテンカラは無事幕を閉じたのだった。


マウンテンカラVol.3「1日目」
マウンテンカラVol.3「2日目」
・マウンテンカラVol.3「最終日」


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