登山をするのならばマダニの生態を知って、対策を講じることが重要です。マダニに噛まれないように注意すること、マダニに噛まれた際に行うべきことが異なります。
この記事では
- マダニの生態と危険性
- マダニに噛まれないように注意すること
- マダニに噛まれた場合に行うべきこと
という順番で紹介します
マダニの生態と危険性
マダニは春から秋にかけて活動が盛んになります。マダニ類の多くは人にとりつくと皮膚に口器を刺し、2日から長い場合は10日間以上吸血します。マダニが吸血するのは生涯で3回です。
この間噛まれたことに気がつかないのは、マダニが吸血する時に血が固まることを防ぐ目的で、口から唾液線物質を相手の体に注入します。この物質に麻酔物質が含まれているためです。
マダニに刺されることでアレルギーが生じる場合がありますが、これよりも怖いのがマダニによる感染症の媒介です。
媒介する感染症は様々で
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS-致死率は10~30%程度、5~8月に多く発症)
- 日本紅斑熱(国内で年間200件を超える発生報告があり、死亡者も報告されている)
- つつが虫病(全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症、北海道を除く全国で発生がみられる)
などがあり、いづれも非常に危険な感染症です。
マダニは世界中に800以上の種類がありそのうち日本は47種類が生息しています。マダニが媒介する感染症もマダニの種類によって様々です。
マダニに噛まれないように注意すること
登山に限らず草むらや藪などでマダニは多く生息しています。このような場所に行く際は、肌を露出しないことです。首にはタオルやハイネックのシャツの着用が有効的です。またズボンの裾やシャツの袖からマダニの侵入を防ぐために注意も必要です。
登山から帰った後のシャワーや入浴中に体にダニがついていないかチェックすることも重要です。
ザックや着用していたウェアにマダニがついている可能性もあるため、車の中や家の中に持ち込む前に、ガムテープを使って服やザックについたダニを取り除く方法も効果的です。
マダニに対する忌避剤は2013年から認可されました。ディートやイカリジンの有効成分の忌避剤を使用することでマダニの付着数は減少しますが、マダニの付着数を完全に防ぐわけではありませんので、組み合わせ対策として活用するのが良いでしょう。
マダニに噛まれた場合に行うべきこと
もしもマダニに噛まれてしまったら、ティックツイスターがおすすめです。不用意にマダニを引っ張って、マダニの頭や口が皮膚内に残ってしまうと大変です。またマダニを潰すとマダニの中に潜んでいるウイルスが一気に皮膚の中に押し込まれてしまう危険性があるので注意しましょう。
血を吸っているマダニを見つけたらマダニと肌の隙間にティックツイスターを差し込んでツイスターを回転させながら少しずつ引っ張っていくと、マダニを取り除くことができます。
ティックツイスター単品で大小2本セットで販売されているものと、カラビナが付いているものと2種類あり、どちらにもマダニのサイズに合わせて2種類の大きさのティックツイスターがついてきます。
ティックツイスター大小2本セットが2g、カラビナ付は12gと非常に軽量で持ち歩くのにも苦になりません。
渓流釣りに出かけるひと、低山ハイキングによく出かける人、草むらや藪の多いキャンプ場に行く人、子連れでアウトドアを楽しむ人は、ファーストエイドキットの中にセットで追加しておくようにしましょう。
ティックツイスターを使ってマダニを取り除くことができるのは刺されて時間が経っていない時期なので、持ち歩くことが有効です。