4月22日金曜日から三日間の日程で開催されたウルトラトレイル・マウントフジが4月24日に閉幕した。本大会のコースは静岡県から山梨県の富士山麓一帯にまたがり、大会期間中は好天に恵まれ、気温も上昇。「UTMF165k」に1,808人、「KAI69k」に 489人が参加し、富士山の眺めを楽しみながらトレイルランニングを楽しんだ。
コロナ禍による2度の開催中止を経て3年ぶりの開催となった今回の大会には有力選手が集まり、日本国内では久しぶりのハイレベルなレースが繰り広げられた。
UTMF165kのハイライトと結果
距離157.9km、累積獲得高度 6,388mの「UTMF165k」は富士山こどもの国(静岡県富士市)をスタートし、富士急ハイランド(山梨県富士河口湖町、富士吉田市)でフィニッシュするレース。大会直前の20日に発表されたコース変更により起伏が少なく走りやすい林道が中心となったコースで小原将寿(おばら・まさとし)が男子のレースの序盤をリード。しかし、U2・麓(43.2km)を出て、本格的な山岳トレイル区間に入ると前回2019年大会で4位の小原はペースを落とす。
代わってレースをリードしたのは西村広和(にしむら・ひろかず)。U4・富士河口湖町精進湖(65.6km)から富士パノラマラインの舗装路を経て、鳴沢氷穴の付近で先頭に立つと以後は着実に後続の選手との差を広げ、18時間15分32秒で富士急ハイランド・コニファーフォレストにフィニッシュ。ウルトラトレイル・マウントフジで初めての優勝を勝ち取った。
2位を争ったのは土井陵と万場大。万場を土井が追いかける展開が続いたが、U9・富士吉田(142.4km)の手前で万場がコースが外れた間に土井が先行。土井陵(どい・たかし)が18時間45分45秒で2位、万場大(まんば・はじめ)が18時間52分2秒で3位となった。4位に鬼塚智徳(おにつか・とものり)、5位に小林誠治(こばやし・せいじ)が続いた。
UTMF165k女子のレースは2018年のこの大会で8位の宮崎喜美乃(みやざき・きみの)が男女総合19位となる22時間14分15秒で優勝。宮崎はU2・麓を出ると積極的にペースアップして女子首位を走る。その後も男子選手を一人また一人と追い抜き続ける気迫のこもった走りで優勝を勝ち取った。
矢野淳子(やの・じゅんこ)が後半も安定したペースでトレイルを進んで女子2位でフィニッシュ(23時間35分55秒)。3位は今回で8回目のUTMF参加の星野由香理(ほしの・ゆかり)で23時間55分15秒。4位には澤田由紀子(さわだ・ゆきこ)、5位は今田麻紀子(いまだ・まきこ)が続いた。
KAI69kのハイライトと結果
KAI69kは今年新たに設けられたレースで、UTMF165kのコース後半の距離69.4km、累積獲得高度3,675mのコースで行われた。男子では甲斐大貴と横内佑太朗の先頭争いがコース終盤に控える霜山への登りまで続く。結局、甲斐大貴(かい・ひろき)がレースを制し、7時間32分0秒で新レースのチャンピオンとなった。
2位には横内佑太朗(よこうち・ゆうたろう)が7時間43分48秒で続き、3位は牛田美樹(うしだ・みき)で7時間53分13秒。宗石和久(むねいし・かずひさ)が4位、平沢晋太郎(ひらさわ・しんたろう)が5位となった。
女子では2018年のSTY優勝の吉住友里(よしずみ・ゆり)が終始レースをリード。男女総合順位で次第に順位を上げて総合4位となる8時間12分29秒で富士急ハイランドに到着して優勝。2位は中園真理亜(なかぞの・まりあ)で10時間13分13秒、3位は山内菜摘(やまうち・なつみ)で10時間48分39秒。4位に石原菜美(いしはら・なみ)、5位に田中友花里(たなか・ゆかり)が続いた。