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【山小屋・テント泊】槍ヶ岳登山-主要5ルートを難易度別で紹介・槍ヶ岳の特徴

【山小屋・テント泊】槍ヶ岳登山-主要5ルートを難易度別で紹介・槍ヶ岳の特徴

槍ヶ岳は北アルプスの南部にある、先の尖った特徴的な山容で、今も昔も登山者の憧れの的です。槍ヶ岳への登山ルートは様々で、表銀座縦走、ピークハントなど登山目的も多種多様です。この槍ヶ岳を思う存分楽しむために槍ヶ岳の魅力と難易度別の登山ルートを紹介します。

槍ヶ岳の概要・気温について

槍ヶ岳の概要・気温について

槍ヶ岳は標高3,180mに位置し、気温は最も低い月で2月の−21度を記録します。真夏日では日中 Tシャツでも暑いくらいですが、朝夕は晴天でも気温が下がって寒くなり、雨が降ればストーブも欲しくなります。

山の名前槍ヶ岳(やりがたけ)
都道府県長野県・岐阜県
山域北アルプス南部
標高3,180m
天気・アクセスなど槍ヶ岳の詳細情報

槍ヶ岳登山時におすすめの山小屋

槍ヶ岳登山時におすすめの山小屋

槍ヶ岳登山をする際には山小屋を利用することになると思います。周辺の山小屋を知っておくことで登山でのリスクを回避し、安全な登山計画をたてることができます。以下は槍ケ岳周辺の山小屋マップです。

槍ヶ岳登山時に活用できる山小屋情報は以下の記事でご覧ください。

槍ヶ岳の登山が人気の理由

播隆上人によって開山され、ウェストンが紹介した槍ヶ岳は、日本のマッターホルンと呼ばれ、登山者の人気が高い山です。東鎌尾根、北鎌尾根、西鎌尾根の岩峰が連なる稜線と南岳に続く稜線の中心にあり、ひときわ高くそびえるその姿はまさしく北アルプスの盟主というにふさわしい山容です。この槍ヶ岳が登山者に人気の理由を紹介していきます。

北アルプスの重鎮的憧れの山

北アルプスの重鎮的憧れの山

長野県の大町市と岐阜県の高山市との境にそびえる、周辺の山々の山頂から指をさされる憧れの山として知られています。鋭いやりの穂先のような姿は日本の氷河地形の典型とされており、北アルプスの剣岳と並んでその位置を確認することが容易な姿で、憧れの山として知られています。

先の尖った鋭い山だからこそ危険な場所が多く、だからこそ頂上に立つことの優越感もあり、目標としやすい山でもあります。

ドラマチックな登攀と歴史の多い山

ドラマチックな登攀と歴史の多い山

昭和11年に加藤文太郎の遭難があり、昭和24年に松濤明らの北鎌尾根においての激しい風雪のための遭難など、事故とそれにまつわる書籍に槍ヶ岳は多く登場します。映画の題材としても、また書籍の表紙などにも槍ヶ岳は多く登場することから、登山をする上での目標としやすい山として人気があります。

様々な登山口を活用できる槍ヶ岳

様々な登山口を活用できる槍ヶ岳

槍ヶ岳へ向かうルートは四方八方あります。南からは上高地と新穂高温泉を利用する、槍ヶ岳に直接向かうのに便利な登山口が2箇所と、中房温泉からは表銀座縦走、高瀬ダムからは裏銀座縦走で槍ヶ岳を目指すことができます。

槍ヶ岳の難易度別おすすめ登山コース

様々な登山口を活用できる槍ヶ岳ですが、各自の登山技術に応じてコースを選ぶことができます。お花畑や眺望などを楽しみながら稜線を歩くコース、岩稜帯の尾根を歩くスリルのあるコースなど様々です。以下では槍ヶ岳の難易度別でおすすめの登山コースを紹介します。

槍ヶ岳デビューにおすすめの槍沢ルート−上高地登山口を活用

今回紹介する5つの登山ルートのうち、最も初心者向けのルートです。上高地バスターミナルから梓川沿いを歩き、槍沢ロッヂへ向かいます。1箱目は槍沢ロッヂで過ごし、2日目に槍ヶ岳山頂を目指すプランです。上高地バスターミナルから槍沢ロッヂまでは約4時間半なので、体力がある方は次の山小屋であるヒュッテ大槍まで歩くと、次の日槍ヶ岳からの朝焼けを楽しむことができるでしょう。

槍ヶ岳デビューにおすすめの槍沢ルート−上高地登山口を活用

2日目は槍沢ロッヂから槍ヶ岳山荘に向かい、槍ヶ岳山荘に荷物をデポし、ピストンで槍ヶ岳山頂を登山します。3日目は往路を1日で下山します。

槍の穂先の往復は梯子と鎖場が多く雨天時には滑りやすく危険なので、初心者の方は無理に頭頂をしようとするのはやめましょう。

必要日数2泊3日の縦走登山
総コースタイム※17時間15分
距離約38.0km
累積標高約2,264m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
1日目(登山口6時発)上高地バスターミナル(06:00)・・・河童橋(06:05)・・・明神(06:55)・・・徳沢(07:55)・・・横尾(09:05)・・・一ノ俣(10:05)・・・槍沢ロッヂ(10:45)
2日目(山小屋6時発)槍沢ロッヂ(06:00)・・・ババ平(06:30)・・・水俣乗越分岐(07:00)・・・天狗原分岐(07:50)・・・グリーンバンド(08:50)・・・ヒュッテ大槍(09:30)・・・槍ヶ岳山荘(10:10)・・・槍ヶ岳(10:40)・・・槍ヶ岳山荘(11:10)
3日目(山小屋6時発)槍ヶ岳山荘(06:00)・・・槍ヶ岳殺生ヒュッテ(06:30)・・・グリーンバンド(07:00)・・・天狗原分岐(07:40)・・・水俣乗越分岐(08:15)・・・ババ平(08:35)・・・槍沢ロッヂ(08:55)・・・一ノ俣(09:25)・・・横尾(10:15)・・・徳沢(11:25)・・・明神(12:25)・・・河童橋(13:15)・・・上高地バスターミナル(13:20)

槍ヶ岳の最短コース飛騨沢ルート−新穂高温泉を活用

槍ヶ岳の最短コース飛騨沢ルート−新穂高温泉を活用
10月15日 槍ヶ岳山荘グループinstagram

槍ヶ岳までの最短コースとして知られる飛騨沢ルートは槍ヶ岳に登る最後の急騰以外は比較的緩やかな登山道です。また登山者が少ないため、静かに山歩きを楽しみたい人におすすめの登山コースです。1日目は新穂高温泉を出発し槍平小屋で宿泊するプランです。

新穂高温泉から槍平小屋までは約4時間半の道のりとなります。体力がある方は次の山小屋となる槍ヶ岳山荘まで歩くと、次の日槍ヶ岳からの朝焼けを楽しむことができるでしょう。

槍ヶ岳の最短コース飛騨沢ルート−新穂高温泉を活用

2日目は槍平小屋まで行き、荷物をデポした後に槍ヶ岳へピストン登山を行います。3日目は往路を1日で下ります。

新穂高温泉から直接槍ヶ岳山荘に行く場合は、標高を一気に上げるため、高山病になる危険があることを念頭に入れておきましょう。また新穂高温泉から槍平小屋までの間に、5本の支流が右俣林道を交差しているため、前日もしくは当日に多くの雨が降った場合、増水して通行できなくなるので注意しましょう。

必要日数2泊3日の縦走登山
総コースタイム※16時間25分
距離約23.9km
累積標高約2,260m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
1日目(登山口6時発)新穂高温泉駅(06:00)・・・穂高平小屋(06:45)・・・奥穂高岳登山口(07:55)・・・滝谷出合(09:25)・・・槍平小屋(10:25)
2日目(山小屋6時発)槍平小屋(06:00)・・・千丈沢乗越分岐(08:20)・・・槍ヶ岳山荘(10:40)・・・槍ヶ岳(11:10)・・・槍ヶ岳山荘(11:40)
3日目(山小屋6時発)槍ヶ岳山荘(06:00)・・・千丈沢乗越分岐(07:25)・・・槍平小屋(08:55)・・・滝谷出合(09:35)・・・奥穂高岳登山口(10:55)・・・穂高平小屋(11:45)・・・新穂高温泉駅(12:20)

北アルプス一番人気の表銀座ルート−中房温泉登山口を活用

北アルプス一番人気の表銀座ルート−中房温泉登山口を活用

北アルプス誰もが憧れる表銀座ルートの最後の目的地として槍ヶ岳を見据えた登山ルートです。燕岳や大天井岳、西岳、槍ヶ岳を結ぶ縦走路を表銀座ルートと呼びます。小林喜作が1920年に登山道を開いたことで槍ヶ岳までの登山に要する時間が短くなり、多くの登山者に歩かれるようになったことから、多くの人がにぎわう銀座という名称に裏銀座と比較するために表という冠がつく縦走路です。

北アルプス一番人気の表銀座ルート−中房温泉登山口を活用

1日目は中房温泉からスタートし燕山荘に向かいます。燕山荘の山小屋泊は非常に居心地がよく、燕岳の登山も楽しめるためおすすめです。

北アルプス一番人気の表銀座ルートの鎖場
槍ヶ岳に近づくにつれ、険しさが増す
5月30日 槍ヶ岳山荘グループinstagram

2日目は稜線でご来光を楽しみ、大天井ヒュッテを目指し出発します。2日目の登山は雄大な景色と稜線歩きを楽しめ、槍ヶ岳に近づくにつれ、険しさが増してきます。特にヒュッテにしだけから見る。大キレットから競り上がる北穂高岳の山容は息を飲みます。

槍ヶ岳山荘に宿泊

槍ヶ岳山荘に宿泊をし、3日目は槍ヶ岳からの朝焼けの景色を楽しんだ後、上高地へと下山します。

この登山道には大天井ヒュッテ、ヒュッテ西岳、ヒュッテ大槍、槍ヶ岳殺生ヒュッテ、槍沢ロッヂと多くの山小屋を経由するルートです。自分の登山スキルに合わせて、宿泊場所を変えることで、様々な景色を様々な景色と宿泊を楽しむことができることでしょう。

必要日数2泊3日の縦走登山
総コースタイム※21時間35分
距離約34.8km
累積標高上り:約3,018m
下り:約2,962m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
1日目(登山口6時発)中房・燕岳登山口(06:00)・・・第2ベンチ(07:10)・・・合戦小屋(09:00)・・・燕山荘(10:05)
2日目(山小屋6時発)燕山荘(06:00)・・・大下りの頭(06:55)・・・切通岩(08:10)・・・大天井ヒュッテ(08:50)・・・ヒュッテ西岳(11:30)・・・水俣乗越(12:30)・・・ヒュッテ大槍(14:30)・・・槍ヶ岳山荘(15:10)
3日目(山小屋6時発)槍ヶ岳山荘(06:00)・・・槍ヶ岳(06:30)・・・槍ヶ岳山荘(07:00)・・・槍ヶ岳殺生ヒュッテ(07:30)・・・グリーンバンド(08:00)・・・天狗原分岐(08:40)・・・水俣乗越分岐(09:15)・・・ババ平(09:35)・・・槍沢ロッヂ(09:55)・・・一ノ俣(10:25)・・・横尾(11:15)・・・徳沢(12:25)・・・明神(13:25)・・・河童橋(14:15)・・・上高地バスターミナル(14:20)

10座のピークを制覇する裏銀座ルート−高瀬ダム登山口を活用

10座のピークを制覇する裏銀座ルート−高瀬ダム登山口を活用

今回紹介するルートの中でも最も長い歩きを要するロングトレイルが北アルプスの裏銀座ルートです。表銀座ルートと比較すると荒涼な登山道が続き、どこを歩いてもずっと景色がよく、登山口となる高瀬ダムから双六小屋まで特に危険箇所がない、是非一度は体験してみたいルートです。

10座のピークを制覇する裏銀座ルート−高瀬ダム登山口を活用

1日目は高瀬ダムから北アルプス三大急登のブナ立尾根を登り烏帽子小屋に宿泊します。体力がある方は野口五郎小屋まで足を伸ばすことも可能ですが、3日目に槍ヶ岳近くの山小屋に泊まることを考えると無理をする必要はありません。

2日目は裏銀座ルートのハイライトとなる烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳を経由し三俣山荘へ向かいます。

双六岳(2860m)・三俣蓮華岳(2841m)

3日目は三俣蓮華岳、双六岳を経由し槍ヶ岳山荘へ向かいます。槍ヶ岳山荘に荷物をデポした後、ピストンで槍ヶ岳登山を楽しみましょう。4日目は槍ヶ岳から槍沢ロッヂを経由し、上高地バスターミナルへ向かいます。

10座のピークを制覇する裏銀座ルート−高瀬ダム登山口を活用
7月17日 槍ヶ岳山荘グループinstagram

このルートも表銀座ルート同様、多くの山小屋を経由することになります。自分の体力に合わせて宿泊場所を検討することも重要ですが、1日の歩く距離を徐々に伸ばしていくことで、歩くことを体に慣れさせ、徐々に距離を伸ばしていくことが、このロングトレイルでは重要視すべきポイントです。

必要日数3泊4日の縦走登山
総コースタイム※31時間25分
距離約45.6km
累積標高上り:約4,243m
下り:約4,009m
難易度★★★★☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
1日目(登山口6時発)高瀬ダム(06:00)・・・ブナ立尾根登山口(06:40)・・・三角点(10:40)・・・烏帽子小屋(12:10)
2日目(山小屋6時発)烏帽子小屋(06:00)・・・三ッ岳北峰(07:30)・・・野口五郎小屋(09:10)・・・竹村新道分岐(10:00)・・・東沢乗越(11:00)・・・水晶小屋(12:00)・・・ワリモ北分岐(12:45)・・・鷲羽岳(13:55)・・・三俣山荘(14:45)
3日目(山小屋6時発)三俣山荘(06:00)・・・三俣蓮華岳(06:50)・・・双六岳(08:20)・・・双六小屋(09:00)・・・硫黄乗越(10:10)・・・千丈沢乗越(12:40)・・・槍ヶ岳山荘(14:10)・・・槍ヶ岳(14:40)・・・槍ヶ岳山荘(15:10)
4日目(山小屋6時発)槍ヶ岳山荘(06:00)・・・槍ヶ岳殺生ヒュッテ(06:30)・・・グリーンバンド(07:00)・・・天狗原分岐(07:40)・・・水俣乗越分岐(08:15)・・・ババ平(08:35)・・・槍沢ロッヂ(08:55)・・・一ノ俣(09:25)・・・横尾(10:15)・・・徳沢(11:25)・・・明神(12:25)・・・河童橋(13:15)・・・上高地バスターミナル(13:20)

北アルプス最難所を縦走する大キレットルート−上高地登山口を活用

北アルプス最難所を縦走する大キレットルート−上高地登山口を活用

誰もが憧れ、一度は挑戦したいと思わせるのが穂高岳と槍ヶ岳をつなぐ縦走路です。北アルプスの最難所とも言われる大キレット、飛騨泣き、長谷川ピークなど難易度の高い登山道が続くルートです。

北アルプス最難所を縦走する大キレットルート−上高地登山口を活用

1日目は上高地を出発し、槍沢コースを使って一気に槍ヶ岳山荘に向かいます。3日間の中で最も長いコースを歩きます。

北アルプス最難所を縦走する大キレットルート−上高地登山口を活用

2日目はいよいよ槍ヶ岳から北穂高岳へ向かう大キレットを歩きます。難易度の高い登山となるため、槍ヶ岳山荘でしっかりと休みを取って体調万全にして臨みましょう。

北アルプス最難所を縦走する大キレットルート−上高地登山口を活用

3日目は北穂高から涸沢ヒュッテを経由し、横尾、徳沢を経由して上高地バスターミナルへと下山します。

大キレットは梯子や鎖、手すりや足場の設置など整備がされていますが、毎年落石や滑落などで遭難事故が起きています。この大キレットを通過するだけでも約4時間必要で、さらに穂高岳や南岳に登る(下る)だけでも多くの時間を要します。

必要日数2泊3日の縦走登山
総コースタイム※22時間55分
距離約40.9km
累積標高約2,840m
難易度★★★★★
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
1日目(登山口6時発)上高地バスターミナル(06:00)・・・河童橋(06:05)・・・明神(06:55)・・・徳沢(07:55)・・・横尾(09:05)・・・一ノ俣(10:05)・・・槍沢ロッヂ(10:45)・・・ババ平(11:15)・・・水俣乗越分岐(11:45)・・・天狗原分岐(12:35)・・・グリーンバンド(13:35)・・・ヒュッテ大槍(14:15)・・・槍ヶ岳山荘(14:55)
2日目(山小屋6時発)槍ヶ岳山荘(06:00)・・・槍ヶ岳(06:30)・・・槍ヶ岳山荘(07:00)・・・中岳(08:15)・・・天狗原稜線分岐(09:05)・・・南岳小屋(09:25)・・・A沢のコル(11:25)・・・北穂高岳(12:55)
3日目(山小屋6時発)北穂高岳(06:00)・・・南稜テラス(06:30)・・・南稜取付(06:55)・・・涸沢(08:00)・・・本谷橋(09:10)・・・横尾(10:00)・・・徳沢(11:10)・・・明神(12:10)・・・河童橋(13:00)・・・上高地バスターミナル(13:05)
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