8月ともなると日本各地で危険なレベルの猛暑となるのは例年のことです。東京では35度を超えて猛暑日を観測する月です。またこの時期は登山に出かけると多くの虫に悩まされます。この暑さと虫除け対策を登山ウェアの色で考えてみましょう。
服の色で暑さ対策!白と黒ではなんと20度の差
熱中症予防、登山で汗をかかないために、レイヤリングを筆頭にした様々な努力を行いますが服の色に配慮している人は少ないと思います。
国立環境研究所では夏の炎天下、同じ素材で色違いのポロシャツ9色を並べて表面温度はどう異なるのか実験した結果があります。実験した色は「白、灰、黄、赤、紫、青、緑、深緑、黒」です。
結果はもっとも温度が低いことを示したのが白、続いて黄色。続いて少し温度が高かったのがグレー、赤。
次に紫、青、緑、深緑と続き、もっとも温度が高かったのが黒でした。
風がほとんどなく、気温30度の条件で行ったこの実験では、わずか5分で黒のポロシャツは50度を超えた例があったそうです。その時の白のポロシャツは30度ぐらいだったことから、実にその差は20度以上です。
ロジックは実に簡単で、黒や深緑といった色は太陽の光を吸収して熱くなります。一方白や黄色は光を反射して熱を持ちにくい特性があるようです。
紫外線を避ける色
それでは紫外線を避けるのにはどのような色が適しているかというと、黒や深緑などの濃い色が適しているので、ウェアのカラー選びを悩ませます。
紫外線保護効果はメリノールが約SPF30、ポリエステルが約SPF10です。高所登山で紫外線が強い稜線を歩くときは、紫外線保護効果の高いウィンドブレーカーなどを着用するのが良いでしょう。またUVカット生地は遮熱性もあり、熱中症予防にもつながります。
虫が好む色、好まないから攻撃をする色
世間では黄色やオレンジといった花の色と同じものに虫が来ると思われています。また好む色以外に威嚇する色というのも知る必要があります。では実際にどうなのか?を調査しました。
※横スクロールで表がスクロールできます。虫の種類 | ミツバチ以外の蜂 | ミツバチ | アブ | ハエ |
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虫の判断方法 | 色を黒白で判断 | 紫外線・色で判断 | 黒や赤に反応(温度が高くなる色でもある) | 色より匂い |
虫が反応する色 | 黒、明度が低い色 | 好む花の色によって異なる | 黒・赤 | 青 |
動物の急所はほとんどが黒色ということで、より確実に敵を威嚇したり、追い払う為に急所の色として、黒色を本能的に認識しているのではないかと言われているようです。
また色だけでなく汗や食事の匂いを好む習性があることも覚えておきましょう。アブの場合は人間から発せられる二酸化炭素や体温を好む習性があります。
春から秋にかけて発生するヌカカが好む色と嫌がる色がわかりませんでした。
暑さ対策と虫除け対策に良い色?
これらを考慮にいれると薄いグレーがもっともよく、もしくはミツバチを敵視しないのであれば黄色やオレンジなどの薄い色がもっとも登山で身につけるウェアとして適していると考えることができそうです。
グレーでおすすめの登山ウェア
登山で最も活用頻度の高い、ベースレイヤーとウェインドブレーカーでこれらのカラーバリエーションのあるおすすめの登山ウェアを紹介します。
【Plume Grey:重量111g】パタゴニア|キャプリーン・クール・メリノ
様々な登山において紫外線保護効果もあるメリノウールのベースレイヤーです。パタゴニアのキャプリーン・クール・メリノは薄手の生地で汗の乾きも早く暑い季節の登山におすすめです。カラーは少し青みがかったグレーであまり他のブランドでは見かけない色です。
【Ether:重量140g】アークテリクス|スコーミッシュ・フーディ
ストレッチ性があり軽量で耐風性にも優れたウィンドシェルです。活用のしやすさ、持ち歩きやすさ、動きやすさ、どれを取っても平均点以上をたたきだす登山以外にバックカントリースキーやトレイルランニングなどアクティビティを選ばず活用することができます。カラーはグレーに近い水色で、アークテリクスらしい近代的な色合いです。
【ティングレー:重量160g】ザ・ノース・フェイス|スワローテイルフーディ
ノースフェイスの定番ウィンドシェルで、汗ばんだ肌が生地にまとわりつくことがないことで大変人気のあるウィンドシェルです。耐風性にも優れておりベンチレーションとして活用できるメッシュポケットなど登山において体温調整のしやすい特徴を備えています。登山だけでなく様々なアクティビティで活用できるのもおすすめポイントです。