久々の登山。6月後半の週末は天気も良さそうなので前から行きたいと思っていた日本百名山の瑞牆山へテント泊登山を楽しんできました。今回のテーマはプチULテント泊でギアチェックも兼ねての登山です。
テント泊登山でチェックするギアリスト
ギアチェックするアイテムは以下の通りです。
- 寝袋の代わりにと準備した-スタティックのアドリフトライナー
- 寝袋の代わりにと準備した-SOLのエスケープヴィヴィ
- アクティブインシュレーションの実力を確認-カリマーのinner insulation jkt
いつもは行動着にフリース、停滞着にダウンジャケットを持っていってたけど両方の良さを兼ね備えたアクティブインシュレーション(カリマーのinner insulation jkt)の性能確認は楽しみの1つ。
大阪から奥秩父の瑞牆山へ-駐車場でアブにコツコツ叩かれる
大阪を4時に出発し、6時間弱で瑞牆山荘の無料駐車場到着。平日でも20台は停まっている。
駐車場に停めた途端、窓がコツコツコツコツ音する。
『え、アブにたかられてる……。』
とりあえず車内で準備を進める。車から降りるとアブが襲ってくるので、逃げるように駐車場から少し降りたところにある綺麗なトイレへ。
そこでしっかり靴ひもを結ぶが、その間にもアブがまとわりついてくる。
アブを振り払いながらなんとかしっかりと紐を結び、山行開始。
瑞牆山への登山、アブに閉口するも美しい景色に見惚れる
山の名前 | 瑞牆山(みずがきやま) |
都道府県 | 山梨県 |
標高 | 2,230m |
天気・口コミ | 瑞牆山の詳細情報 |
白樺等の美しい樹林帯を散歩気分で歩く。富士見平小屋までは特に急登も無く良く整備されていて歩きやすい。
途中、急に拓けてこれぞ瑞牆山!な巨岩が連なる絶景が目の前に。もちろんカメラを構える。
一枚撮って画角を変えてもう一枚……ちくっっ!!!左腕に注射に刺されたような鋭い痛みが走り、目をやると服の上にアブがとまっている。服の上から噛まれた。慌てて払ったけどしつこく付きまとってくる。
本当はもっと写真撮りたかったけど、プチパニックになりその場を退散。何年も山やってきて初めてのことで動揺したけど、腫れたり痒くなったりはなく体調も大丈夫。
富士見平小屋に到着
小屋で受付を済ませてテント設営
- 一張:一泊1,000円
- 営業期間:4月1日~11月30日
- テント泊予約:必要なし
- 消灯:20:30
設営中にもアイツはやって来る。帽子で払いながらなんとか設営完了。
その瞬間からテント本体とフライシートの間に数匹侵入……えぇっちゅうねん!って思わず突っ込んでしまった。
テント内部に侵入されないよう、予めすぐに靴が脱げるように紐をほどき、一瞬で入口のファスナーを開け、忍者のような身のこなしでテント内に跳び入り、身をひるがえしてまた一瞬でファスナーを閉める。
テント内部を見渡すが侵入者ゼロ。
安心して瑞牆山山頂に向けての準備を。不要なマット等を置いて軽くなったザックを持って、テントから出る時も忍者の身のこなし。
ここまでのレポ……山よりアブやん。ということで、気を取り直して瑞牆山へ向けて出発。
富士見平小屋から瑞牆山へ
総距離 | 約3.1km |
累積標高差 | 上り:約667m 下り:約667m |
コースタイム | 3時間30分(休憩なしの場合) |
難易度 | ★★☆☆☆(アブがいない場合) |
富士見平小屋から少し行くと一旦下り、沢を渡ると、巨人がチョップして割ったようなデカイ岩が。よくレポで見てたやつ。鬼滅の刃に出てきた岩に似てるとかどうとか?
この巨岩脇にある梯子を越えると、本格的な岩山の登りとなる。鎖が幾つかあり、歩きやすいところを探すのが楽しい。
岩のトンネルをくぐったり、よっこいせって足おもいっきり上げたり。
ここでも止まると奴に狙われるので、ゆっくりながらノンストップで登り続ける。
一際目立つ真っ直ぐにぐんっと伸びる大ヤスリ岩がどんどん近づき、歩くごとに見える角度がかわるともうすぐ山頂。
山頂直下には一番の難所と思われる場所があり、ロープとくさりを使って全身で登る。(回り道すれば回避可能)
そこで70代?位のおじいちゃんチーム3人とすれ違った。少しおぼつかない足やったけどこの鎖場無事降りはったのはさすがやなという感じ。
そして無事山頂到着。
山頂も岩々で南側は崖になっているため、はしゃぎすぎ要注意。でも、はしゃぎたくなるほどの絶景。
隣の小川山や金峰山、奥には頭を隠した富士山、更にぐるっと目をやると南アルプスと、展望最高。
目の前にはずっと見ながら歩いた大ヤスリ岩も。
西側は土の地面になっていて木陰で休憩に最適。
クロユリか!?と思ったけどよく分からない花(後日ミヤマハンショウヅルと教えてもらう)や、白い可憐な花がちらほら。(いつまでたっても花に詳しくなれない)風も気温も適度で心地いい。
今回は久々にMILLETのドライナミックメッシュ(通称アミアミ)を着ずに、ベースのTシャツを着たが、さすがウール混なだけあって汗冷えせず。
30分程休憩して下山開始。巻き道を使って直下の鎖場は回避。
迂回路にはイワカガミや石楠花が咲いていてラッキー。
下りでは登り以上に足場に気を遣って足の負担が小さくなるように歩く。登りではどってことなかった鎖場も足元が濡れている下りでは滑りやすいため一層の注意を。15時30分頃、無事テント場に到着。
富士見平小屋のテント場でギアチェック
この時間になるとアブも少なくなっていたので、外のベンチで食事にするか、小屋のきのこうどん食べるかしようか考えながら、とりあえずテントで一息つく。
気付いたら20時!
座ったまま後ろに手をついて寝てしまってた。小屋の受付は20時やし、諦めてテント内で持ってきたパンやらを食べる。
さすがに半袖短パンでは寒いので、初登場のアクティブインシュレーション(カリマーのinner insulation jkt)を着てみる。袖を通した瞬間にホワッと暖かい。
中綿にPrimaLoft ® Gold Insulation with Cross Coreを使用していて、行動中及び停滞時の保温着になる。ダウンと違い濡れによる保温性低下が殆どないのが強み。
そして、更に初登場のスタティックのアドリフトライナーに入る。こちらも入った瞬間から暖かい。
Octa®生地を全面に使用し、内側は起毛されていて柔らかい暖かさ。化繊なので結露にも強い。
1時頃、背中や足元が少し冷える感覚で目を覚ます。さすがに地面からの冷えを感じる。
そこでSOLのエスケープヴィヴィに入る。冷気をシャットアウト。
100g位軽いエスケープライトヴィヴィ(まちがなく封筒型)にするか悩んだけど、少し重くてもまちがあって寝心地がいいエスケープヴィヴィにして正解。8時まで1回も起きず寝続けた。
※横スクロールで表がスクロールできます。商品名 | エスケープヴィヴィ | エスケープライトヴィヴィ |
---|---|---|
重量 | 241g | 156g |
サイズ | 213×81cm | 208×81cm |
収納サイズ | 径11×17cm | 径8×15cm |
山小屋、テント泊含め、これだけ途中起きずに長時間寝続けたのは初めてやから驚いた。しかもエスケープヴィヴィは透湿性も優れているため、結露することもなかった。
今回のテント場が何℃やったか分からないけど、これなら夏のアルプスでも十分使えそう。2つ合わせても持っている寝袋(ナンガのオーロラライト450DX)より400g軽く、体積もほぼ半分。
いい買い物したなぁと、しみじみ。これからも色んな気温で使っていきたい。
テント撤収-またもやアブに閉口
2日目、8時に起きて朝食を食べてたらテントとフライの間に20匹以上のアブが……またか。アブは人間の匂いや体温を感じて寄ってくるのか?テント後部のメッシュ部分のみに集まっていた。
出入口部にはいなかったので、またしても忍者の身のこなしでテントから脱出。
そうするとテントからアブが出てくる。へっぴり腰でペグ抜いて泥とったりしている間にも、アブが次々出てくる。意を決してフライシートを外すとその頃にはアブはどこかに行っていて、一匹もいなかった……なんやったんや。
ということで、無事テント撤収し下山開始。アブにやられたベンチのある展望所では、前日の反省を活かし、写真を1枚撮ってはアブを払い、撮っては払い、無傷で納得いくまで写真が撮れた。
テント場から40分で下山。
岩々で楽しく展望も最高な瑞牆山。新しいギアの使用感も試せて初めてのプチULテント泊は成功かな。
次は金峰山も併せて登ってみたい。
そしてこのレポを読んだ方に最も伝えたいのは、アブは危ない、ということ。
お疲れ山でした!
大阪から瑞牆山荘までのアクセス・交通費
- 交通費(軽自動車)、大阪市内より
- ガソリン代…15,000円
- 高速代…14,500円
アブについて調べてみた
アブは全体的に黒い色をしている。腹部に黄金色の独特の模様があり、成虫で約2センチ前後の大きさ。アブにも様々な種類が存在し、その種類によって好むエサも変わる。
- 活動時期:7月~9月の夏場
- 活動場所:雑木林や渓谷など、水のある所に生息(川遊びや渓谷で釣りをする場合はアブに遭遇する確率が高くなる)
- アブの習性:匂いに反応して獲物を探す・朝方と夕方に行動する
- アブが近寄る場所:
- 柔軟剤の香りのする人に寄り付く傾向がある
- 黒や紺色の服を着ている人に寄っていく傾向がある
- 明るいオレンジなどの色には近づかない
- アブは湿度のある場所や車の排気ガスが好き
- 雨の日や湿度の高い梅雨の時期はとくに注意が必要
- お酒の臭いにも敏感で、飲酒した人を襲う傾向がある
- アブの退治方法:ハッカ油の利用・着用ウェアの色に黒や赤を避ける
- 人間への影響:アブは「刺す」というよりは皮膚を「噛み切る」という表現のほうが近く、激しい痛みを伴って刺す。刺されたあとは場合によっては赤く腫れあがり、かゆみが長引くこともある。
- 備考:吸血するアブは「メス」のみ・吸血する時間は3~10分前後と、とても長い