北アルプスの登山をする時にどんな服装を持ち歩くべきか、行動着はどうあるべきか、2000m弱の登山と比べてどう違うのか、色々と疑問がわくと思います。今回は北アルプスの登山をする際に持ち歩くべき服装と行動着で気をつけるポイントを紹介します。
北アルプスの登山で持ち歩くべき服装
行動着とは別で防寒着、レインウェアなどの服装を持ち歩くことは登山では重要です。それでは北アルプスではどのような防寒着、レインウェアが必要なのでしょうか?
北アルプスの多くの登山では少なくとも1000m以上の標高差を登ることとなります。よって体力の消耗を防ぐためにできるだけ軽量且つ耐候性に優れた服装を持ち歩くことが重要です。
北アルプスに持ち歩く防寒着-休憩用
休憩時の防寒着はダウンジャケットが有効です。化繊ジャケットよりも軽く嵩張りづらく、軽量なものが多いです。また北アルプスは標高が高いため強い風が吹く可能性が高いです。なので防寒着にはフード付きのものが良いでしょう。フィルパワー700〜800で夏山登山では300g 弱、シルバーウィークともなると日が落ちると0度近くにまで気温が落ちるので、400g程度のダウンジャケットがあると安心です。
ダウンジャケットと同様にダウンパンツも1泊以上であれば必須装備に加えましょう。日帰り登山であっても、エマージェンシー的な役割としてダウンジャケットは重要です。必ず装備に加えましょう。
軽量で暖かいダウンジャケットとしておすすめなのがアークテリクス、マウンテンイクイップメント、ウエスタンマウンテンニアリングのダウンフェアです。品質の高いダウンを使用したメーカーです。
北アルプスに持ち歩く防寒着-行動用
行動時の防寒着はウィンドブレーカーやフリースが有効です。ウィンドブレーカーは軽量なものが多く、夏山登山では早朝の行動始めに着用したり、肌寒い季節の登山では体が温まっていない登山スタートタイミングで着用するなど応用範囲が広いウェアです。
フリースは北アルプスの稜線歩きで強い風に叩かれて、ウィンドブレーカーのみで寒い時に着用することを想定しておくと良いでしょう。行動中に汗をかかないよう、通気性に優れたフリースがおすすめです。
ウィンドブレーカーは実に様々アイテムがありますが、軽量&コンパクト重視であればパタゴニアのフーディニ、ストレッチ性があって動きやすさ重視であればアークテリクスのスコーミッシュフーディ、フリースは通気性に優れたキャップリーンエアーやデイリーがおすすめです。
北アルプスに持ち歩くレインウェア
登山で使用するレインウェアは通気性やストレッチ性に優れたメーカーオリジナルの素材を使用したものもコストパフォーマンスに優れて良いですが、価格は高くなりますが耐候性に優れたゴアテックス性がおすすめです。
ゴアテックスには2層構造のシェイクドライ、2.5層構造のパックライトがありますが、北アルプスで使用するレインウェアは3層構造のものがおすすめです。理由は北アルプスでは風が強く、冷たい雨に叩かれる可能性があり、肌で冷たさを感じると途端に体が冷えます。雨天時は歩行もゆっくりとなり、体が冷えると体力が奪われリスクが高くなります。3層構造のゴアテックス製レインウェアを選ぶ際は、ピットジップがついているタイプを選ぶとレインウェア着用中の発汗を抑えることができます。
ゴアテックス製のレインウェアで最もコストパフォーマンスに優れ大人気なのがモンベルのレインウェアです。パタゴニアやアークテリクス、ノースフェイスも優れたデザインのレインウェアが多くおすすめです。
北アルプスの登山での行動着
北アルプスに限らず登山をする上で重要なのは汗をかかないことです。汗をかかないことの重要度を理解いただくために、3つのリスクを以下に示します。
汗をかくと水分補給が活発になり必要な水の量が多くなることで装備重量が増えます。
ミネラル不足に陥り、熱中症や足のつりなど、動けなくなるリスクが高くなります。
行動着が濡れて冷たい風に叩かれると、気化熱によって急激に体が冷やされ、それによって著しい体力低下が生じます。
そこで北アルプスにおける3000m 近い標高においてどのような行動着であるべきかを服装毎で紹介していきます。
北アルプス登山のベースレイヤー
最も重要なのがベースレイヤーです。汗をかいたらすぐに吸収するベースレイヤーを選びましょう。また化繊ではなくメリノウール製のベースレイヤーがおすすめです。メリノウールのベースレイヤーは汗がゆっくり乾くので、気化熱による熱の奪われ方が遅いため体が冷えづらくリスクを軽減することができます。
汗をすぐに吸い取るためにファイントラックのドライレイヤーの追加、メリノウール製のベースレイヤーは様々なメーカーのものがありますが、有名どころのスマートウール、アイスブレーカーは耐久性も高く、種類も多いのでおすすめです。
北アルプス登山のボトムス・ショーツ
北アルプスの登山では思考によって様々なスタイルがある中、ボトムスにするかショーツにするかで大きく別れます。
また着圧系のタイツ、サポート系のタイツを導入するかも悩みどころです。もしも腰や股関節の安定や、膝への衝撃を軽減したいと言った悩みがある場合はサポートタイツの導入をおすすめします。下半身の冷えやむくみが気になる人は着圧系のタイツの導入をおすすめします。
ボトムスやショーツは好みが分かれるところなので、一概に答えはありません。できるだけ肌を露出しないように注意して、ポケットの使いやすさや、ベルトループのありなしなどをチェックして自分好みのものを見つけましょう。
北アルプスの登山で服装以外の重要なアイテム
登山では紫外線量が平地に比べて、雪のない時で10〜30%、雪があると照り返しで80%増えると言われています。登山中に日焼けをすることは体力低下につながる為に大変危険であることを知っておきましょう。その上で必要な装備リストをまとめてみました。
北アルプス登山をする際のチェックリストにご活用ください。
※横スクロールで表がスクロールできます。チェック | 装備名 | ワンポイントアドバイス |
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ザック | 日帰り20L、山小屋泊30L、テント泊40L以上で考え、容量が多いザックほど腰加重が可能なものを選びましょう。 | |
ザック用レインカバー | ザックが雨に濡れてしまうとザックの中のものが濡れてしまうリスク、ザックが雨を吸って重くなるリスクが生じます。 | |
登山靴 | 北アルプスでは勾配があり、足元が不安定な登山道が多いため、必ずシャンク入りで剛性の高い登山靴を選びましょう。体力によって選ぶ登山靴も異なることも覚えておきましょう。 | |
レインウェア | 3層構造のゴアテックス製のものがおすすめです。詳細は上で説明したとおりです。 | |
防寒着 | 軽量でフィルパワーが高く、フード付きのジャケット、またパンツも準備しましょう。 | |
帽子 | 顔、首回りが日陰になるハット、ヘルメットと相性が良いキャップ、耳を隠せるビーニーなど状況に応じて選びましょう。 | |
サングラス | 眼球に紫外線があたると体全体が日焼けします。また日差しが強いことでガレバの凹凸が解りづらくなるため、サングラスをして行動しましょう。 | |
日焼け止め | 強い紫外線をガードする日焼け止めを使用しましょう。 | |
ティッシュ | 紙のない山小屋も多いため持参しましょう。 | |
ヘッドランプ | 朝、夜の行動を計画外で強いられる可能性があります。日帰り登山でも必須装備に加えましょう。 | |
ファーストエイド | 大きな傷を想定して大きなバンドエイドや、必要に応じた救急セット、マルチツールなどを備えましょう。 | |
エマージェンシーキット | 防寒対策のためのシートや笛、お湯を作ることができるキット、ツエルトなど、ビバーグをして停滞することを想定したグッズを完備しましょう。 | |
グローブ | 岩や木々で手を気づ付けない為のもの、防寒対策の為のもの、雨が降った時のレイングローブ、予備グローブと少なくとも4つは必要です。 | |
行動食 | ミネラル補給、タンパク質補給、エネルギー補給の3つのカテゴリで必要最低限+αで持ち歩きましょう。 | |
ストック | ストックがあると足の体力温存が可能になります。無理なく登山を行う為の道具として携行を検討しましょう。 | |
時計 | 標高、気温、位置情報を把握するのに役立ちます。スマホでも対応できますが、すぐに情報を理解するのに重宝します。 | |
モバイルバッテリー | スマホに色々な機能を頼っている昨今、モバイルバッテリーは重要です。 |