8月の登山は1年の中で最も暑い季節なので、熱中症や暑さによる疲れが比較的少ない標高の高い山の登山がおすすめです。紹介する8月の登山におすすめの山は、一気に標高を高く上げることができるルートを紹介します。
標高1,830mからスタート-八方尾根で唐松岳へ
北アルプスが初めての人でも危険箇所が少ない事から人気の登山コースで、ゴンドラを利用すれば標高約1800m の八方池山荘まで一気に上ることができます。
運行開始時間ハイシーズンだと6時半からスタートで、日帰り登山計画であればできるだけ早めに列に並ぶようにしましょう。
八方池山荘からは、最初が岩場歩きが続きます。第一ケルンから第二、第三とケルンが続きます。途中の八方池からは天気が良ければ白馬三山を眺めることができます。
丸山ケルンまで行くと唐松岳頂上まではあと少しです。丸山ケルンからの眺めも素晴らしく目標となる唐松岳頂上山荘のある山の頂きが見えるようになります。唐松岳頂上山荘から唐松岳は往復で約30分ほどです。
唐松岳から北に向かって伸びる不帰嶮は岩場の多い荒々しい景色で、唐松岳頂上宿舎方面の景色もまたテント場と祖母谷温泉へ降りていく登山道がくっきりみえる雄大な景色で8月なのに涼しい登山を楽しめます。
①石神井ケルン(八方山ケルン)→②第二ケルン→③八方池→④丸山ケルン→⑤唐松岳頂上山荘→⑥唐松岳
唐松岳標高 | 2,696m |
必要日数 | 日帰り登山 |
コースタイム※ | 7時間30分 |
総距離 | 約10.7km |
累積標高 | 上り:約1,183m 下り:約1,183m |
難易度 | ★★★☆☆ |
標高2,612mからスタート-千畳敷から木曽駒ヶ岳へ
駒ヶ岳ロープウェイは日本一の高低差を誇るロープウェイで950mを約7分で移動します。一気に約2600mまで到達することができ、木曽駒ヶ岳山頂まで往復約3時間で楽しむことができます。
千畳敷カールは畳を1000枚引いた広さがあることからこのように呼ばれています。8月でも最高気温は20度ほどで、ロープウェイから降りたらその涼しさに驚く事でしょう。
気温が急激に下がることもあるので、8月の登山でもウインドブレーカーやレインウェアは必ず持ち歩くようにしましょう。千畳敷カール周辺はハイキングすることもできます。今回は八丁坂を登り宝剣山荘を経由し木曽駒ヶ岳に向かいます。
宝剣山荘を越した辺りにはコマクサが多く群生しているエリアで、気温によっては8月でも楽しむことができるかもしれません。
宝剣山荘から木曽駒ヶ岳頂上までは標高差約100mほどです。木曽駒ヶ岳頂上からは360度の眺望が楽しめます。時間に余裕があるならば頂上木曽小屋まで足を伸ばしてみましょう。この辺りにも8月に楽しめる高山植物が咲いています。
①信州駒ヶ岳神社→②千畳敷カール→③避難小屋→④宝剣山荘→⑤頂上山荘→⑥木曽駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳標高 | 2,956m |
必要日数 | 日帰り登山 |
コースタイム※ | 3時間5分 |
総距離 | 約3.6km |
累積標高 | 上り:約411m 下り:約411m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
標高2,700mの畳平からスタート-歩きやすい登山道で乗鞍岳へ
畳平バスターミナルより山頂を目指す乗鞍岳登山の代表的コースです。畳平までは長野県側からだと三本滝か乗鞍観光センターからバスで向かいます。岐阜県側からだと平湯バスターミナルかほおのき平バスターミナルからバスで向かいます。
乗鞍畳平に到着したらそこはもう2700mです。畳平からは富士見岳分岐まで約10分歩き、約35分で肩ノ小屋に到着します。
乗鞍岳に点在する七つの池を楽しみながらゆっくりと登山を楽しみましょう。肩の小屋からは約50分で乗鞍岳頂上小屋に到着します。
乗鞍岳からは北アルプスの槍ヶ岳、笠ヶ岳、穂高岳が一望できます。周辺に遮る山がないため360度の眺望は素晴らしいです。
①畳平→②富士見岳分岐→③肩ノ小屋→④剣ヶ峰(乗鞍岳)
乗鞍岳標高 | 3,026m |
必要日数 | 日帰り登山 |
コースタイム※ | 2時間55分 |
総距離 | 約5.1km |
累積標高 | 上り:約450m 下り:約450m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
標高1,860mの栂池自然園からスタート-白馬大池を経由して白馬岳へ
栂池自然園は約1900m の標高にある大きな湿原です。6月にはミズバショウ、夏はニッコウキスゲやコバイケイソウなどが花を咲かせます。栂池高原駅839mからゴンドラリフトと栂池ロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅へ一気にアクセスすることができ、1,860mの標高から登山ができます。日本で2番目に長いゴンドラリフトです。
標高が約1,000mもいっきに変わるので、高山病や気温の変化による疲れに注意しましょう。栂池自然園から栂池ヒュッテまで歩く前に休憩を挟んで天狗原へと向かいます。天狗原手前には銀嶺水と呼ばれる冷たい水場があります。
乗鞍岳までは急な斜面を登っていくことになります。ケルンまで行くと登山道の傾斜は穏やかになり白馬大池と向かいます。大きな岩がゴロゴロとした登山道なので足元に注意しましょう。
2439m 付近にある白馬大池で休憩を入れたら雷鳥坂を歩き小蓮華山へ向かいます。広い稜線を歩きながら見る景色は素晴らしく白馬岳から鹿島槍ヶ岳まで一望することができます。
眺望の良い稜線で歩きやすく、刻一刻と変わる雲の流れや季節によって楽しめる高山植物を愛でながら涼しい8月の登山を楽しみましょう。
三国境を過ぎたら白馬岳までは約1時間、白馬岳からは360度の大パノラマが広がり、白馬三山、剣岳などの大きな山々の景色を楽しみましょう。
①栂池ヒュッテ→②天狗原→③乗鞍岳→④白馬大池山荘→⑤小蓮華山→⑥三国境→⑦白馬岳