日本アルプスのひとつとして有名な木曽山脈。中央アルプスの名で登山者に親しまれている山域の最高峰、3,000mに迫る標高を持つ木曽駒ヶ岳は、ロープウェイを利用して山頂に登れるとして、初めて挑戦する高所登山として人気があります。今回は中央アルプス最高峰、木曽駒ヶ岳の日帰りルートをご紹介します。
木曽駒ヶ岳登山が人気の理由
人気①:日帰り短時間で登れる高所登山
木曽駒ヶ岳に多くの登山者が登られている最大の理由は、木曽駒ヶ岳ロープウェイを利用して標高2,611.5mまで上がり、登山を開始できる点にあります。
頂上までの標高差も400m程度であり、片道の所要時間はわずか1時間45分と、高所登山とは思えない短時間で山頂に達することも魅力です。
短時間で登れるということは、単純に楽であるだけでなく、風雨や落雷に遭遇する確立もグンと下げることができ、安全に登れるので、3,000mに迫る高峰を日帰り短時間、しかも安全に登れるというのが、木曽駒ヶ岳が人気であることの要因です。
人気②:圧倒的な高所の眺望
日帰り短時間で登れるのは魅力的で人気の要因のひとつですが、木曽駒ケ岳が長く登山者に愛されているのは、頂上とその周囲から望める、高所からの圧倒的な眺望にあります。
スタート地点から望む千畳敷カール、千畳敷を越えたところから望む景色は圧巻の一言で、この眺望を短時間で目に焼き付けられるのはとても贅沢です。
高所の登山は体力、技術が求められるため、初心者の方がその感動を味わうには経験、時間を要しますが、木曽駒ケ岳は感動を先取りでき「今度は自分の力で高所に登りたい」と思わせてくれます。
人気③:高山植物に囲まれて登る
木曽駒ヶ岳周辺は高山植物が多数見られ、開花している時期は眺望だけでなく、高山植物に見ながら登れる贅沢な登山を楽しめます。
固有種であるヒメウスユキソウを始めとした高山植物は一見の価値有りで、眺望と比肩する木曽駒ヶ岳の大きな魅力となっています。
人気④:高所で泊まれる贅沢
中央アルプスのテント指定地である駒ヶ岳頂上山荘があり、高所での小屋泊、テント泊が他の高峰と比べて挑戦しやすいというのも、木曽駒ヶ岳ならでは。高所ならではの静寂の空間と圧巻の星空は、一度泊まったら病みつきになること間違いなしです。
天候が安定していれば家族で登ってテント泊をしたりするのも可能で、行程に余裕を持って挑戦できるのは嬉しいポイントです。
木曽駒ヶ岳登山のQ&A
難易度は?
木曽駒ヶ岳は登山道が整備され、往復4時間以内で登れるため、初心者の方でも登ることが可能です。樹林帯はなく視界も開けているので道迷いの心配もほとんどなく、安心して登山を楽しめます。反面、一度天候が崩れれば高所であるがゆえの危険もあり、霧による視界不良での道迷い、風雨、落雷、厳冬期には雪崩の危険性も高まるので、事前に天候を十分に確認しておくのが良いです。
アクセスと駐車場は?
登山口である木曽駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅までは、JR駒ヶ根駅からバスに乗って向かうか、菅の台バスセンターまでマイカーでアクセスします。
ロープウェイの麓駅であるしらび平まではマイカー規制があるため、菅の台バスセンターでバスに乗ります。ハイシーズンは非常に混雑するので、早めにロープウェイにアクセスするのがおすすめです。
水場とトイレは?
水場はありませんが、各山小屋、ロープウェイ駅で水分を調達することが可能です。トイレもロープウェイ、山小屋に設置されています。
山小屋は?
ルート上に宝剣山荘、天狗荘、頂上山荘があり、宝剣山荘は4月上旬から11月初旬、天狗荘と頂上山荘は7月上旬から10月初旬まで営業しています。頂上山荘には中央アルプスで希少なテント泊指定地があり、一度はここで泊まりたいと思える好立地です。
雪は?
10月頃から降雪があり、6月頃まで雪が残ります。雪が積もると、これまでの難易度とは一変した雪山に変わり、ピッケル、アイゼン、ビーコンなどの雪山装備が必要になります。雪崩の危険もあり十分な知識と技術が必須ですが、一度は登りたいおすすめの冬山でもあり、厳しい冬の高所と澄み切った空気が魅せる世界は、3シーズンの木曽駒ケ岳とは全く異なる神聖さを持った美しさを放っています。
木曽駒ヶ岳の日帰り登山ルート
紹介した山 | 木曽駒ヶ岳 |
都道府県 | 長野県 |
標高 | 2,956m |
天気・アクセスなど | 木曽駒ヶ岳の詳細情報 |
高所の楽園へ−木曽駒ヶ岳ロープウェイから山頂に至るルート
スタート地点 | 千畳敷 |
ゴール地点 | 木曽駒ヶ岳 |
地点間の距離 | 1.8km |
片道コースタイム | 1時間45分 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
木曽駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅をスタートして山頂を目指すルートです。ロープウェイを降りたらそこには雲上の楽園が待っています。高山植物、眺望などを目に焼き付けながら、ゆっくり山頂まで歩いていくのがおすすめです。
千畳敷カールを越えるまではゆっくり標高を稼ぎます。
乗越浄土まで行けば、後は緩やかなアップダウンを経て山頂です。
ロープウェイの時刻を意識しながら、下山も最高の景色を味わいながら歩を進めます。
おすすめ温泉情報
早太郎温泉 こまくさの湯
眼前に山々が見える眺望と落ち着いた雰囲気が特徴の温泉施設です。最高のロケーションで温泉に浸かった後は、食堂でソースカツ丼、お蕎麦などを頂くことができ、駒ヶ根の豊かな自然を感じながら体を休め、身も心も大満足して帰路につけます。
木曽駒ヶ岳登山で高所の魅力を堪能しよう
木曽駒ヶ岳は標高2,956mの高所にありながら、ロープウェイを利用して初心者の方も登ることができる人気の山です。日帰り短時間で登れるだけでなく、貴重な高山植物から雄大な眺望など、木曽駒ヶ岳ならではのダイナミックさと癒やしが堪能でき、日本アルプスのひとつとして相応しい自然を有しています。
木曽駒ヶ岳に登って、日本が抱く自然の美しさを感じてみてください。