たおやかな峰と湿原が織りなす出羽三山の主峰『月山』。山岳信仰の聖地、百名山のひとつとして登拝者や登山者に親しまれています。そんな月山の魅力、そして登山コースについてご紹介します。
月山ってどんな山?
古くから山岳信仰の聖地として栄えてきた月山。峰続きの北端の羽黒山と、西方の湯殿山を合わせて『出羽三山』と呼ばれています。月山は花の名山としても知られており、盛夏には白装束の登拝者と花を愛でる登山者があいさつを交わしながら行き交っています。
山名 | 月山(がっさん) |
場所 | 山形県中央部 |
標高 | 1,984m |
天気・アクセスなど | 月山の詳細情報 |
山岳信仰の霊峰【月山】の魅力
登拝者と登山者に親しまれている月山。以下では月山の魅力をシンプルに紹介します。
美しい稜線と残雪が織りなすコントラスト
夏スキーができるほど、月山は晩夏まで雪が残っています。反対に、雪解けした場所は高山植物が咲き誇り、木々が青々しく生い茂ります。月山の美しい稜線と残雪の織りなすコントラストはまさに絶景です。
高山植物が咲き乱れる花の百名山
月山は花の百名山として知られています。夏にはニッコウキスゲやコバイケイソウ、クロユリなどの高山植物が見られます。お花を愛でながら楽しい稜線歩きができます。お花畑が見られる場所は、山頂付近と弥陀ヶ原の池塘のあたりです。
▼月山で見られる高山植物はこちらから
月山に生い茂る高山植物群 | 月山ビジターセンター (gassan.jp)
修験道の聖地「月山神社」
月山はその高く秀麗な姿から、祖霊が鎮まる『過去の世を表す山』と言われています。また、出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)の巡礼は、生きながら新たな魂として生まれかわる『生まれかわりの旅』として伝えられています。登頂した際には、月山山頂に建てられている月山神社に参拝していくとパワーをもらえることでしょう。
※月山神社のおはらい料:500円
▼月山神社の詳細はこちらから
月山神社|出羽三山神社 公式ホームページ (dewasanzan.jp)
月山の難易度別登山コース
月山の登山コースはいくつかありますが、なかでも初心者向けで人気の高い、『8合目コース』と『姥沢コース』、そして修験道として使われる『湯殿山口コース』についてご紹介します。
弥陀ヶ原の池塘と花畑を眺める【8合目コース】
弥陀ヶ原の湿原では多くの高山植物が見られ、なだらかな湿原での自然散策を楽しめます。山頂までは全体的に岩場が多いですが、距離のわりに登りがきつくないため登山者の多いコースです。また、道中は鳥海山のよい眺望が見られます。
※総所要時間は休憩時間42分を含む
リフト利用の最短コース【姥沢コース】
姥沢登山口からリフトに乗り、姥ヶ岳を通って月山山頂を目指すコースです。姥ヶ岳付近からは気持のよい稜線歩きが楽しめます。登山道も整備されており、木道でなだらかな道が続きます。山頂前は岩場の急登になるので、転倒しないよう注意しながら歩きましょう。
※総所要時間は休憩時間44分を含む
修験道をたどる【湯殿山口コース】
湯殿山神社と月山神社をめぐる、修験道のコースです。新緑と紅葉の木々の変化と、植物の移り変わりが楽しめる変化に富んだコースになります。起伏が激しいことから登山者は少なく、静かな山歩きができるでしょう。
※総所要時間は休憩時間49分を含む
月山のおすすめの登山時期
月山の山開きは例年7月1日です。登山適期は7月から10月中旬頃になります。そのなかでもおすすめの登山時期について解説します。
【7月中旬~8月中旬】夏のお花が咲き乱れる季節
雪が溶けていくのと同時に夏の高山植物が一斉に咲き乱れます。ニッコウキスゲやコバイケイソウ、チングルマやハクサンイチゲなどの花畑が見事です。また、7月の時期は美しい稜線に残雪がゼブラのように見える光景が見られます。
【9月中旬~10月中旬】山肌が紅葉に色づく季節
月山山頂は9月上旬から木々が色づきはじめ、9月中旬~10月中旬にかけて見ごろを迎えます。月山の稜線が赤色に染まる、素晴らしい光景が見られます。また、弥陀ヶ原付近の草紅葉も見物です。
月山登山口へのアクセス方法
先ほどご紹介した登山コースについて、それぞれの登山口へのアクセス方法を解説します。
月山登山口のマップはこちらから
8合目登山口へのアクセス方法
・マイカー
山形自動車道 庄内あさひI.C.より約50分(約36km)
・電車/バス
山形駅~鶴岡駅:高速バスで約2時間20分
鶴岡駅~月山8合目:路線バスで約2時間
▼高速バスの時刻表はこちらから
山形線(6/1~10/31)|高速バス|庄内交通 (shonaikotsu.jp)
▼路線バスの時刻表はこちらから
時刻表:エスモールバスターミナル・鶴岡駅前―羽黒随神門―羽黒山頂―月山八合目|庄内交通 (shonaikotsu.jp)
姥沢登山口へのアクセス方法
・マイカー
山形自動車道 月山I.C.より約20分(約13km)
・電車/バス
山形駅~西川バスストップ:高速バスで約40分
西川バスストップ~西川I.C.:徒歩数分
西川I.C.~姥沢バス停:路線バス(月山志津温泉線)で約50分
▼高速バスの時刻表はこちらから
山形線(6/1~10/31)|高速バス|庄内交通 (shonaikotsu.jp)
▼西川町路線バス・月山志津温泉線の時刻表はこちらから
R4basu2-2.pdf (town.nishikawa.yamagata.jp)
都内からの前泊・後泊におすすめの宿
月山でまったり過ごしたい方、遠くから訪れる方向けに、月山周辺の宿泊情報についてご紹介します。
【月山頂上小屋】小屋泊でまったり過ごそう
月山では日帰り登山が可能ですが、山小屋に泊まってゆっくり過ごすのもおすすめです。月山頂上直下にある『月山頂上小屋』に宿泊できます。月山山頂から夕暮れや日の出を眺めたり、夜に星を見上げたりして、自然の美しさをさらに堪能できるでしょう。月山山頂小屋の宿泊は予約制なので、事前に連絡が必要です。
▼月山頂上小屋の詳細はこちらから
月山頂上小屋 (biglobe.ne.jp)
【休暇村庄内羽黒】8合目登山口に近い宿
8合目登山口から登る方におすすめの宿が『休暇村庄内羽黒』。アルカリ性の自家源泉があり、美肌の湯として人気です。また、庄内地方の旬の食材が提供され、四季折々のお料理を堪能することができます。
宿から登山口まではバスで約1時間ほど。バスの運休時はタクシーでの移動になります。
休暇村庄内羽黒の詳細はこちらから
休暇村庄内羽黒【公式】《ベストレート保証》 (qkamura.or.jp)
▼路線バスの時刻表はこちらから
時刻表:エスモールバスターミナル・鶴岡駅前―羽黒随神門―羽黒山頂―月山八合目|庄内交通 (shonaikotsu.jp)
【月山リゾートイン】姥沢登山口に近い宿
姥沢登山口より徒歩数分の場所にある『月山リゾートイン』。お料理は山形牛や地物野菜などを使ったメニューの和食膳。絶品料理に思わず舌づつみを打つことでしょう。姥沢登山口付近はバスでのアクセスがしにくいですが、乗合タクシーやレンタカーの割引制度など、お得に行けるキャンペーンがあります。
▼月山リゾートインの詳細はこちらから
月山リゾートイン|月山スキー場にいちばん近い宿 (gassan-resortinn.com)
▼キャンペーンの詳細はこちらから
・レンタカー利用宿泊割引制度「月山レンタカー割り」|観光スポット|月山朝日観光情報 ぶらり西川ガイド (gassan-info.com)
・乗り合いタクシー「月山ライナー」|観光スポット|月山朝日観光情報 ぶらり西川ガイド (gassan-info.com)
月山下山後のおすすめ山旅スポット
月山のふもとにある月山志津温泉郷。そのなかでも『変若水の湯つたや』の温泉に浸かり、登山の疲れを癒すのがおすすめです。宿の名前になっている変若水(おちみず)は、月山の祭神である月読命(つくよみのみこと)がもっている若返りの水のことを指しています。宿泊者が心身ともに若返ってほしいという願いが込められています。
▼変若水の湯つたやの詳細はこちらから
【公式】月山志津温泉 変若水の湯つたや – 月山夏スキー・出羽三山参りへ (gassan-tsutaya.com)
名称 | 変若水の湯つたや |
住所 | 山形県西村山郡西川町志津10 |
泉質 | ナトリウム一塩化物温泉 |
日帰り入浴料 | 大人800円/子供500円 |
月山の魅力、そして登山コースを3つご紹介しました。湿原歩きを楽しみたい方は8合目コース、稜線歩きを楽しみたい方は姥沢コースがおすすめです。中級者向けではありますが、湯殿山口コースでは静かな山歩きを楽しめます。また、月山下山後は志津温泉郷で疲れを癒すと、充実した山行になることでしょう。